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「UDタクシーの改良と開発のお願いの要望書」に対する回答が届きました

2020年01月09日 バリアフリー

昨年10月の全国一斉行動!UDタクシー乗車運動で集まった事例に基づき、11月28日にトヨタ自動車に「UDタクシーの改良と開発のお願いの要望書」をお送りしました。12月26日にこれに対する回答をいただきましたのでご紹介します。
なお、トヨタとは12月24日にも意見交換の場を設けていただきました。今後も継続して働きかけを続けていきたいと思います。

DPI日本会議 佐藤 聡


令和元年12月26日

認定NPO法人DPI日本会議
議長 平野 みどり 様

拝復

師走の候、貴会議ますますご清栄のこととお喜び申し上げます。

令和元年11月28日付弊社社長宛お手紙を拝読させていただきました。命により、 開発担当責任者の私からご返事を申し上げますこと、まずもってご了承賜りますよう お願い申し上げます。

このたびは、JPN TAXIに関し、貴会議で実施された乗車行動の結果から、種々の具体的なご意見をいただき、誠にありがとうございます。こうしたご乗用の体験に基づく生の声ほど嬉しく、より良い車の設計・開発の意を一層強くさせられるものはございません。

早速ではございますが、お寄せいただきましたご意見に対しまして、私どもの考えを申し述べさせていただきたいと存じます。

はじめに、車いす乗降作業の簡略化につきまして、作業工程の多さ、複雑さに加え、 乗降頻度の少なさから、運転手が作業手順をなかなか覚えられず、スロ―プ設置向きの間違いなどが発生し、乗車拒否の遠因になっているとのご意見をいただきました。

車いす乗降作業につきましては、使い勝手が良いことは、大変重要な要素であると認識しており、私どもも、お客様方からいただくお声を参考に改善を進めております。具体的には、平成31年2月以前生産の既販車全車にスロープ改良キットを配付し、作業工程を63から38に低減。さらに、平成31年3月以降生産車両から、スロープを従来の3つ折2枚連結タイプから2つ折1枚タイプに変更し、より分かりやすい形状にしております。これにより作業工程を24まで低減しました。引き続き、車いす固定、シートベルト装着をはじめ、作業工程の簡略化に努めてまいります。

また、地方で、車いすの乗降方法を知らず、誤った情報を持ったタクシー事業者様が多く見られることにつきまして、私どもも、タクシー事業者様の協力のもと、これまで全国14都道府県の運転手の方々に対し、車いす乗降の研修会を実施してまいりましたが、引き続き、理解拡大に向けて、活動を進めてまいる所存でございます。

次に、障害当事者の意見を踏まえた車両の開発につきまして、室内が狭く車いすを回転 できない、乗り白 や天井に頭が当たり乗車できない、横向きで乗降できる場所が限られる、海外製の電動車いすで乗車できないなど、根本的な解決のためには、世界の障害者が利用 するという視点で、より大きな車両の開発が必要とのご意見をいただきました。

ご承知のと おり、車いすは、形状や大きさなど一定の規格の中で、各メーカーごとに造られており 、私どもといたしましても、限られたスペースの中で、少しでも多くの車いすが搭載できるよう、開発を進めており ます。その中で、ご要望いただいておりましたスロ ープの耐荷重につきまし ては、令和2年1月 の生産車両から、300kg化 への対応 をいたします。

また、横向きで乗降できる場所の確保につきまして、限定的な場所のご案内となり誠に申し訳ございませんが、令和元年8月5日 より、東京地区にてトヨタモビリティ東京株式会社の店舗駐車場を乗降場所として利用できるようにするなど、改善を進めております。今後、乗降場所を増やしていくことは、私どもだけでは難しく、微力ながら行政への働きかけなど継続していく所存でございます。

より大きな車両を新たに開発することにつきまして、現時点では、お約束をすることはできかねますが、車両企画を職責とする私どもにとりましては、こうしたご乗用の体験に基づく生の声ほど嬉しく、より良い車の設計・開発の意を一層強くさせられるものはござい ません。お寄せいただきましたご意見につきましては、設計・開発メンバーとも共有し、車づくりの参考にさせていただく所存でございます。

今後ともトヨタをよろしく お願いいたし ます。

末筆ながら、貴会議のますますのご発展をお祈り申し上げます。

敬具

トヨタ自動車株式会社TCカンパニーTC製品企画ZP
チーフエンジニア 粥川 宏

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