「運転免許の視力基準に関する要望書」項目一について
国家公安委員会・警察庁からの文書(2007年春)


リード
「運転免許の視力基準に関する要望書」(2007年2月13日)の項目一で「なぜ0.7なのか、諸外国と同様0.5とできない根拠はどこにあるか。」について文書回答を求めていました。下記はそれについて送付を受けた文書です。
共通して「0.7から引き下げる理由がない、引き下げると安全性の低下につながると考えられる」旨が述べられており、「なぜ0.7なのか」への答にはなっていません。
諸外国については「運転免許の視力基準 国際比較」に資料を掲載しています。
関連して「運転免許の視力基準に関する意見書」(2005年3月31日付)もご覧ください。

○国家公安委員会からの文書

障害者欠格条項をなくす会
共同代表 福島 智  様
     大熊 由紀子 様

 貴会からの書面を拝見しました。
  我が国における普通自動車免許の視力の基準については、これを引き下げることは安全性の低下につながると考えられ、さらに視力を補うための代替措置は見当たらないこと等から、現段階で視力の基準を緩和する方向での検討を行う妥当な理由は見い出しておりません。
 なお、いただいた御要望については、参考として、運転免許制度に関する企画立案を担当している警察庁の関係部門へ回付しました。

平成19年3月15日
    国家公安委員会

○警察庁交通局運転免許課からの文書

平成19年4月3日
障害者欠格条項をなくす会様

 貴会からの書面を拝見しました。
 ご指摘のとおり、我が国では、道路交通法の制定当初から、普通自動車の運転には0.7以上の視力(矯正視力可)を必要なものとしてきています。
 運転中は、道路標識や目標物の文字等様々な情報を瞬時に得る必要があり、また、歩行者や他の車両の挙動、危険な状況を認知する上でも視力の果たす役割は決定的であり、これを引き下げることは安全性の低下につながると考えられます。平成15年度に実施した運転シミュレータを活用した実験においても、視力低下状態では標識の視認距離が短くなるとの結果が得られています。また、視力を補うための代替措置は現在のところ見当たりません。
 安全性の低下を招くおそれがある中で、あえて基準を引き下げるには、安全上差し支えないと国民が納得するような根拠が必要ですが、そのような根拠は見当たりません。
 なお、諸外国の基準は、国によってまちまちですが、我が国の基準は、他国と比べても高くはないと認識しております。
 これらの理由により、現段階で視力の基準を緩和する方向での検討を行う妥当な理由は見い出しておりません。

警察庁交通局運転免許課長


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