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JICA課題別研修2026が終了!東京・大阪での学びを帰国後の行動計画へ

2026年10月30日 国際/海外活動障害者権利条約の完全実施

研修員とDPI日本会議、JICAの皆さんで記念撮影
写真:閉講式を終え、研修員とDPI日本会議、JICAの皆さんで記念撮影

10月7日(水)から東京で始まったJICA(国際協力機構)の課題別研修「障害者権利条約の実践のための障害者リーダー能力強化」が、10月29日(木)に終了しました。

今年は南アフリカから3名、パレスチナとタイから各1名の、合計5名の障害当事者が参加しました。

研修員たちは約3週間にわたり、東京と大阪で日本の障害者運動の歴史、障害者権利条約、地域での自立生活、インクルーシブ教育、障害者雇用、権利擁護活動など、幅広いテーマについて学びました。

今回は、東京・大阪での研修の様子と、最後に行われた帰国後の行動計画(ロードマップ)の発表についてご紹介します。

東京・大阪で日本の障害者運動と地域生活を学ぶ

東京では、障害者権利条約や日本の障害者運動についての講義に加え、自立生活センターの訪問、ピアカウンセリングの体験、国会議事堂のバリアフリーチェックなどを行いました。

障害者権利条約について学ぶ研修員
写真:障害者権利条約について学ぶ研修員

車いすでの電車乗降を通じたバリアフリーチェック
写真:車いすでの電車乗降を通じたバリアフリーチェック

浅草寺の雷門の前で記念撮影
写真:浅草寺の雷門の前で記念撮影

自立生活センターSTEPえどがわに訪問
写真:自立生活センターSTEPえどがわに訪問

斉藤工房を訪問し、実際の車いす製造現場を見学
写真:斉藤工房を訪問し、実際の車いす製造現場を見学

また、障害者権利条約に基づく国連審査のロールプレイにも取り組み、障害者自身が声を上げ、政策や制度の改善につなげていくための方法について学びました。

障害者権利条約の国連審査を想定したロールプレイ
写真:障害者権利条約の国連審査を想定したロールプレイ

10月18日(日)から23日(金)までは新型の車いすが6席ある新幹線で大阪へ移動し、DPI加盟団体の自立支援センターぱぁとなぁのご協力のもと、学校、東大阪市役所、障大連や自立生活夢宙センターなどを訪問しました。

大阪到着時、自立生活センターぱあとなぁの皆さんがリフトカー出迎えに来てくれました
写真:大阪到着時、自立生活センターぱあとなぁの皆さんがリフトカー出迎えに来てくれました

ぱあとなぁでは、連日歓迎会を開いてくださいました
写真:ぱあとなぁでは、連日歓迎会を開いてくださいました

ぱあとなぁの事業所の前で記念写真
写真:ぱあとなぁの事業所の前で記念写真

大阪の障大連を訪問し、大阪の障害者運動について学びました

写真:大阪の障大連を訪問し、大阪の障害者運動について学びました

東大阪市立障害児者支援センター「レピラ」を訪問
写真:東大阪市立障害児者支援センター「レピラ」を訪問

東大阪市役所を訪問し、副市長を表敬訪問
写真:東大阪市役所を訪問し、副市長を表敬訪問

自立支援センターぱぁとなぁの皆さんがお好み焼き屋に案内してくださり、研修員たちも大盛り上がり!楽しい交流の時間となりました
写真:自立支援センターぱぁとなぁの皆さんがお好み焼き屋に案内してくださり、研修員たちも大盛り上がり!楽しい交流の時間となりました

自立生活夢宙センターが運営する「居楽屋ごりら」を訪問。歌や踊りで交流を楽しみ、障害当事者が働く様子も見学しました。
写真:自立生活夢宙センターが運営する「居楽屋ごりら」を訪問。歌や踊りで交流を楽しみ、障害当事者が働く様子も見学しました。

大阪では、障害者の地域生活を支える取り組みや、当事者運動によって制度が作られてきた歴史について学ぶとともに、教育や福祉の現場を訪問し、日本の取り組みとそこに残る課題についても理解を深めました。

各地で活動する障害当事者との交流も行われ、研修員たちは多くの質問をしながら、それぞれの国での活動に生かせるヒントを探していました。

学びを行動につなげるロードマップ作成

東京・大阪での研修を終え、10月26日(月)から28日(水)までは、帰国後の活動に向けたロードマップ作成ワークショップを行いました。

このワークショップでは、これまでの研修で得た学びを振り返りながら、それぞれの国で障害者権利条約を実践していくために、何が必要なのか、どのような行動を起こしていくのかを考えました。

自国の現状や目指す社会の姿を整理し、所属団体の強みや課題、関係団体との連携などを分析しながら、帰国後に取り組む具体的な行動計画を作成しました。

また、10月26日には過去の研修修了生とのオンライン交流も行いました。帰国後にどのような活動を行ってきたのか、それぞれの経験を共有し、国を越えて意見を交換する機会となりました。

帰国後の行動計画を考えるロードマップ作成ワークショップの様子

写真:帰国後の行動計画を考えるロードマップ作成ワークショップの様子

研修員一人ひとりの行動計画について、個別面談を行っている様子

写真:研修員一人ひとりの行動計画について、個別面談を行っている様子

5名の研修員が帰国後の行動計画を発表!

10月29日(木)には最終報告会を開催し、5名の研修員が、それぞれ作成したロードマップを発表しました。

発表された行動計画は、それぞれの国や所属団体が抱える課題を踏まえた、具体的な内容となりました。

Ajajさん(パレスチナ)
公的部門における障害者の法定雇用率5%を適切に実施するための制度づくりを目指します。採用時の差別をなくし、合理的配慮や個人の能力に基づく公正な採用を実現するため、関係機関と協力して6か月間で制度案をまとめ、閣僚評議会への提出を目指す計画を発表しました。

Ajaj

Brendaさん(南アフリカ)
障害者団体DPSAの組織体制を強化し、ヨハネスブルグ市内の2つの地域で、障害者の社会参加と地域への包摂を進める計画を発表しました。障害者自身による権利擁護、必要なサービスへのアクセス、行政や企業との連携、経済的自立の促進などに取り組みます。

Brenda

Brilliantさん(南アフリカ)
地域で障害者を支援する団体の活動をさらに発展させ、心理社会的支援を充実させる計画を発表しました。相談支援、支援グループの活動、必要な福祉サービスへの紹介、生活スキルの向上などを通じて、障害者の自立と生活の質の向上を目指します。

Brilliant

Kaizerさん(南アフリカ)
障害のある子どもたちを対象としたレスパイトケア(一時的な支援)を拡充する計画を発表しました。子どもたちが学び、交流する機会を増やすとともに、家族の休息時間を確保することを目指します。6か月間で利用する子どもを19名から30名に増やすことなど、具体的な目標も示されました。

Kaizer

Siriさん(タイ)
自閉症のある人が継続して働くことのできる職場環境づくりを目指す計画を発表しました。企業や行政、当事者団体などと連携し、雇用主の理解促進や合理的配慮の充実に取り組み、自閉症のある人が自分の能力を発揮し、経済的に自立できる社会を目指します。

Siri

いずれの発表も、研修で学んだことをそれぞれの国の課題と結びつけ、具体的な行動へと発展させようとするものでした。

それぞれの国での実践に向けて

最終報告会の後には閉講式が行われ、約3週間にわたる日本での研修が終了しました。

今回の研修では、日本の取り組みを学ぶだけでなく、障害者当事者が主体となって社会を変えていくことの大切さを、さまざまな活動現場を通じて学びました。

日本にもまだ多くの課題がありますが、これまで障害者運動が積み重ねてきた経験や、各地の障害者団体との交流が、研修員たちの今後の活動に役立つことを願っています。

今回作成したロードマップは、ゴールではなく、それぞれの国で新たな取り組みを始めるための第一歩です。

研修を通じて得られた知識や経験、そして国を越えて築かれたつながりを大切にしながら、今後も互いに協力し、それぞれの国で障害者の権利の実現に向けた活動が広がっていくことを期待しています。

最後に、東京・大阪で研修にご協力いただいた講師の皆様、訪問先の団体・施設の皆様、そして研修を支えてくださったすべての皆様に、心より感謝申し上げます。

研修終了を記念して、研修員とその介助者全員で記念撮影

写真:研修終了を記念して、研修員とその介助者全員で記念撮影

報告:笠柳大輔(事務局長補佐)


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