中学校で障害者の差別について考えるワークショップを行いました
2019年05月18日 権利擁護
5月10日(金)埼玉県名栗中学校から「人権について考える」というテーマで講演依頼を頂き、白井と笠柳が行ってきました。
この中学校の岩田先生が、DPI日本会議の別の講演をお聞きになり、生徒たちにも話をしてほしいという事で今回のお話を頂きました。
まず最初に岩田先生から、「人権ってなに?」というテーマで最初に少しお話をして頂きました。
「人権とは人の幸せで、人権侵害というのは、人の幸せを奪う事なんだ。君たちは気づかないうちに、人の幸せを奪っていませんか?」と生徒たちに語りかけられていました。
重くかつ惹きつけるお話しに、「私も気づかないうちに人の幸せを奪わないようにしよう……」と聞いている私も思わず息をのんでしまいました。
岩田先生のお話の後、DPI日本会議の紹介、私たちの障害の事、日々の生活で大変な事、社会にある不便だと感じていることなど、簡単な自己紹介をさせて頂きました。
その後、障害者に対する差別を考えてもらう導入として、「そもそも障害とは何か」、「差別ってどういうこと?」、「合理的配慮ってなんだろう?」ということを、障害の社会モデルの考え方や障害者権利条約、障害者差別解消法の内容を踏まえて、白井からお話をさせて頂きました。
言葉としては難しい内容になるので、中学生の皆さんに、障害者の人権についてどうすればわかりやすく、お伝えすることができるのか、できるだけわかりやすく理解してもらえるようにイラストを入れたり、経験談などを踏まえてお話をしました。
その後は、「差別に考えるワークショップ」を行いました。それぞれ班に分かれて、実際に起こった差別事例を3つ見てもらって、「1.何が問題だったと思うか」、「2.どうすれば良かったか」「3.差別だと思わない場合は、その理由を教えてください」という3つの問いを考えてもらい、議論した内容を班ごとに報告してもらいました。
正直、中学生の皆さんが、障害者の差別事例についてどこまで真剣に考えてくれるのか、私たちも手探りなところはありましたが、自分事として、「これはひどいよねー」「もっとこうしたらいいじゃん」「これは差別じゃないと思うなー」などなど、休み時間も話している方もいて予想以上の盛り上がりでした。真剣に考えてくれている様子を見て、思わず白井と「みんな盛り上がってるね」と小さくガッツポーズをしていました(笑)。
そのあとは、各グループでどう考えたか発表!
これがまた面白く、生徒のみなさんの柔らかい感性で考えた答えがたくさん出てきて、色々な気づきを得られたことと、何より自分の言葉で、「私たちはこう思います」と障害者の差別について意見を言ってくれていたのが嬉しかったです。みんなボードにびっしり書いてくれていました。
▽生徒のボード
▽先生班も別に作って考えて頂きました。白熱してボードが1枚では足りなかったようです笑
最後にそれぞれの事例に対する私たちの考え方というのをお伝えして、ワークショップは終了しました。
実は、中学校で差別事例を考えるワークショップというのは初めてのことで、少し緊張していた部分はあったのですが、私たちの目をじっと見て話を聞いてくれる生徒たちを見て、すぐに大丈夫だと思いました。
みんな本当に可愛かったなぁ、自分にもこういう時代があったのかと、いや、彼らのほうが全然しっかりしているなぁと、たまに大昔の事を回想していました 笑
今回、お話を頂いた岩田先生、このワークショップをサポートして頂いた先生方、真剣に障害者の人権問題について向き合ってくれて、笑顔で受け入れてくれた生徒のみなさん、私たちも非常に得難い経験をすることができました。本当にありがとうございました。
こういった差別に関するワークショップは、今後も積極的に行っていきたいと思います。
▽おまけ みんなと一緒に食べた給食。美味しかったです!
報告:笠柳(DPI事務局員)