バリアフリー新型新幹線レポート③「東北・北海道新幹線E5系」～たまたま車椅子席が4席あるE5系に遭遇し乗車してきました～

新幹線に乗る白戸さん

4月12日（水）8時37分新青森駅発東北新幹線はやぶさ14号東京行5号車の12Bと11B、12Eと11Eの様子

4月12日（水）、東京に行く用事があり、東北新幹線に乗車しました。乗った瞬間、一目で気づきました。僕が今いる空間の前後左右が大きく開き、ゆとりがあることに。正直自分の目を疑いましたが、よくよく周りを見ても同じ空間が広がっていたことを確認して、それが幻では無いことを知りました。

な、な、なんと、東北新幹線の車椅子席が4席になっている！！驚きと同時に感動や変な達成感が一気に押し寄せました。内心めちゃめちゃ興奮しました！

僕は、北海道新幹線の札幌延伸開業に向けて試験走行が進められている新型試験車両(新幹線E956形電車通称：ALFA-X)があるため、新型車両が出てくるまではE5系(長い鼻が特徴の緑の車体にピンクのラインが引かれている車両)の4席車両は出てこないものと思い、半ば諦めかけていました。

それが一瞬にして打ち砕かれた瞬間の驚きと感動の様子は皆さん想像して頂けると思います。

帰りの新幹線は１席しかないJR北海道が所有するH5系(長い鼻が特徴の緑の車体にパープルのラインが引かれている車両)でした。やっぱり狭いなと感じましたが、これが通常だったのだと改めて思い出しました。

これまで全く情報が入ってこなかった東北新幹線は、いつからE5系4席のタイプ車両がデビューしたのか？ここが気になり、DPIの佐藤事務局長に色々と質問をしたところ、佐藤さんが国交省鉄道局に聞いてくれました。

「E5系の車椅子席４席車両の1編成目として、2021年11月13日（土）に営業投入された。2編成目は、今年6月頃に投入される予定」ということが分かりました。順次この４席車両が増えていくことを聞き、ますます今後が楽しみになっています。

僕が思う課題としては2点あり、①コンセントの位置が低いこと、②予約システムの簡素化を図ることです。

①は床に近い場所にコンセントが埋め込んであるため、車椅子だと使いにくいなと思いました。コンセントの位置が数十センチ上がれば使いやすくなるのかなと思いました。ぜひ次の４席車両を作るとき、高い位置にコンセントを設置するような仕様に変更して頂きたいなと思いました。

②は実際に予約してみて感じた点です。何度も同じことを入力しなければならないなと感じ、駅は限られているので在来線の駅も選択式にして欲しいなと思いました。

障害者用Suicaのシステム等を応用したりJALのスペシャルアシスタンス登録システムを参考にしたりして、障害者手帳を窓口に見せに行かなくてもネットで切符を購入できるシステムを開発できるのではないかなと感じました。

東北・北海道新幹線は2010年に新青森駅までの東北新幹線区間が全線開業し、2016年に北海道新幹線の新函館北斗駅までの区間が開業しました。そんな東北・北海道新幹線は東海道新幹線などと違って1時間に1本程度しか運行されていないのが通常の運行ダイヤになっています。

1編成に1席しかなく運行本数も毎時１本という車椅子席を巡る早い者勝ちの予約争奪戦になることもあり、僕も実は何度か予約争奪戦に敗れて悔しい思いも経験しました。

ある時は10時の便を予約しようと予約の電話をしたら窓口の駅員さんが予約を本部に伝えるのを多忙で忘れられ、前後2便も含めて予約が取得できず結局4時に起きて6時の新幹線で向かう羽目になったこともありました。

そんな中ようやく東北新幹線の車椅子席が4席に増えてくれれば少なくとも早朝に新幹線に乗らなくても済むようになり、1席を巡っての争奪戦に負けて悔しい思いをすることも少なくなるのかなと期待しています。

4席車両が出てきたことは、東北新幹線を利用する全ての人々にとって希望であり、大きな期待しかないと思っています。1時間に1本しかありませんが、その1本が4席に増えることのメリットは非常に大きいと思っています。

今後もE5系の車椅子席４席車両の編成増加を続けていって欲しいと思っています。ぜひ、この感動を皆さんに体験してもらいたいと思っています！

最後になりますが、JRの皆様、国土交通省の皆様、鉄道好きとしては、まず1編成を導入して下さり、心から感謝を申し上げます。ありがとうございました。

報告：白戸駿平（DPIバリアフリー部会、Pingあおもり）

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