2002年10月18日 速報 (その2)
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第6回 DPI世界会議札幌大会速報 「ひとびと」

DPI世界会議札幌大会最終日
新議長にビーナス・イラガン氏(フィリピン)
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 DPI世界会議札幌大会は最終日を迎えました。

 大会議事においては、新しい世界評議会の役員が選出されるとともに、世界に向けてDPI札幌宣言が採択されました。

議長
 ビーナス・イラガン(フィリピン)

人権担当副議長
 テオフィロ・アラルコン(ドミニカ共和国)

開発・軽視されるグループ担当副議長
 カルファン・カルファン(タンザニア)

会計
 中西 正司(日本)

書記
 フランク・マイケル(アイルランド)

情報担当役員
 メアリー・ミッチェル(ジャマイカ)


DPI
札幌宣言
2002年10月
 1981年シンガポールで行われた第1回世界会議で、我々は連帯し、権利のために闘わなければならないことを確認した。2002年の今日、我々は一体となってともに闘っている。世界中のあらゆる大陸にある135ヶ国と地域に国内会議がある。権利のために戦う準備は整っている。

 109カ国から3000人以上が参集した過去最大の札幌大会における発表および討議を通して1981年の創設以来多くのことが達成されたと認識した。しかしまだ多くのことが残されている。
国連の統計によると世界には約6億人の障害者がおり、そのうちの82%は発展途上国に住んでいる。社会の他の市民と異なり障害者は最も惨めな状況にあり、政策、環境、意識障壁のために地域社会から孤立、排除されている。それゆえ我々は戦争と貧困及びあらゆる形態の差別、特に障害者に対する差別と闘いその根絶を目指している。

 障害者は世界で疑問の余地なく最大で最も差別されているマイノリティグループであり、私たちの人権は制度的に侵害されている。貧しい中でも最も貧しい人々への人権侵害は生活状況の悪化、人間として劣しめられる扱い、適切な住宅、保健、教育、雇用、社会的統合の欠如を招いており、死に直面することも多い。現在の国連条約の下での我々の人権は一般的に無視され、モニタリングの過程でも軽視されている。それゆえ

・ 我々は、人権の完全な享受を擁護し尊重する拘束力のある法律としての特定の国際条約を要求する。この条約は人権に関するものとして扱われるべきで経済、社会的分野として扱われるべきではない。

・ 我々はこの法律の作成にあたり『我ら自身の声』を要求する。我々に関するあらゆるレベルのあらゆる事項に関して意見が反映されることを要求する。

・ 我々は全ての国がこの条約の制定と採択を支持することを要求し、全ての障害者及び障害者団体が条約のニードと利益について一般市民と政治家を教育することを奨励する。


ブロック報告、
アジア太平洋ブロック議長、
ビーナス・イラガン氏
●DPIアジア太平洋ブロックの重要業績について報告をします。

●アジア太平洋ブロックはとても大きいブロックです。まず、小地域の事務所をいくつか設立する事ができました。それは、(1)オセアニアのフィジー、(2)東南アジアはタイ、(3)南アジアはインド、(4)北アジアは韓国、(5)西アジアはレバノンで、各国加盟のDPIのためリーダーシップとエンパワーメントの活動を行いました。

●5つの新しい国が加盟しました。ラオス、ヴァヌアツ、クック諸島、ラモア、パプアニューギアです。私達の達成した目標は、アジアでの能力開発活動です。特にアジア太平洋地域の障害を持つ女性のための活動を行いました。これは、バンコクで6月に27名の女性障害者リーダーが13ヵ国から参加しました。

●この女性のリーダー達は、それぞれの国に戻り、ただちに、障害を持つ女性や少女たちのエンパワーメントの活動を行っています。同時に、フィンランドの外務省などを通じて東ティモールの国内会議の設置を支援しました。

●DPIアジア太平洋ブロックは、アフガニスタンのように戦争の被害国における活動を起こしました。DPI日本会議がアフガニスタンにチームを派遣し、アフガニスタンにおいてどのような活動ができるのかを調査しました。DPIアジア太平洋ブロック会議は、同時に、1993年から2002年までのアジア太平洋における障害者の10年の検証をしました。

●各国のDPIさらには、地域の評議会のメンバーが様々な評価会議に参加しました。アジア太平洋地域の国連のエスキャップで行われた活動に参加したものです。また、アジア太平洋地域に障害者センターを設立するための交渉、計画その他のプロセスに参加しました。

●これは、日本とタイ政府で行われたプログラムです。また、日本財団から資金援助をいただきました、JICA、カナダのCIDA開発援助庁からも支援いただきました。ここに、改めて感謝申し上げます。

世界評議会からの提起

●具体的な提案はない。ただ、継続的に障害者の問題がメインストリーム化すること。また、バリアフリー化などの努力を推進することが私たちの方針である。

●特に1つ大切なことを皆さまにお知らせすることかある。カナダのアジア太平洋担当国務大臣ディビッド・キルゴアさんからご挨拶いただきましたし、南アフリカの大臣にもお越しいただいたので、感謝申し上げバトンをタッチしたい。

ブロック報告
アフリカブロック議長
カルファン・カルファン
 ブロックのイニシアチブによる取り組みの結果、「アフリカ障害者の10年」を実現することができました。そして世界全体の支援により、アフリカは現在5つの事務所を持っています。現在、利害関係を持つ多くの関係者と「アフリカ障害者の10年」の活動について検討しています。

 アフリカ連合(旧AOU)は、「アフリカ障害者の10年」を成功させるため、アフリカ大陸全土における活動計画を実行しています。この活動計画は、6つのアフリカの団体によって進められています。

 新しいイニシアチブにおけるワークショップでは、女性にスポットを当てていきたいと考えています。

 私たちのブロックは、これからの10年にむけてリーダーシップを発揮していきたい。

ブロック報告   
ラテンアメリカブロック議長 
テオフィロ・アラルコン
 ラテンアメリカでは、貧しい国々が集まり、発展に努力し活動しています。活動資金は国内会議が調達し、リーダー要請にも努力しています。活動の主な課題は、国内会議の活動強化と人権の促進です。

 国内会議の課題は、新しいリーダーの発掘や、情報とコミュニケーションを強化することです。これまでに、障害者向けのデジタル発行・ホームページの開設・6カ月ごとの雑誌発行、国内での行事・イベントの実施、国連活動への訪問などを行ってきています。

 国内では人権の促進について強化しています。さらに人材育成プログラムづくりとネットワークの強化、さらに教育・雇用問題などの活動をしており、アメリカのネットワークとの連携強化を図っています。人権の促進強化では、政府とのコミュニケーションと広範な活動、様々なマスメディアへの対応、ワークショップなどを通して組織の重要性について広報してきています。また、女性・子供を対象とする機会均等に向けた取り組みをしています。

 これらの行動は政府に対しても行われ、農村地区でも行われています。ラテンアメリカ各国では国内会議を通した障害者運動の成果があり、DPIが強化され継続して活動が行われています。

欧州ブロック報告   
議長ジャンピエロ・クリフォ
 欧州ブロックは、32カ国が加盟し、EUの協力を得て活動しています。障害者のインクルージョンの発展に向け、活発な活動を行っています。

 この4年間、DPI欧州ブロックでは、障害者の能力向上、相互支援、柔軟な活動、財務強化を柱に取り組んできました。私たちはEUの枠組みの中で活動するだけではありません。たとえば、ハンガリーでは、東ヨーロッパに対する活動をしています。障害者のための2つの会議の開催や人権擁護活動としての法律作りを行っています。社会の中で、障害者の人権がより尊重されるようになってきました。

 障害者の権利条約に関しては、ヨーロッパにおいて、障害者の人権が無視されてきた状況を踏まえ、条約をつくるにあたって「人権」という視点を入れることを訴えています。そして、私たちの関心は生命や倫理の視点にも広がっています。遺伝子工学がどれだけ、障害者を排除するものかを認識しなければなりません。

 イタリアでは、DPI活動についてのウェブサイトをひらき、CDロムでも配布するようになりました。

 地域ブロック会議では、「自立生活は、人権の一つ」「自立生活は、機会均等」であることを確認し、子ども・青年については、将来を担う子どもたちであることを踏まえ、「インクルージョンを高める」ことをめざしています。イタリアでは、障害児が普通学校で学び、「インクルージョンが意識を高める」ことにつながっています。インクルージョンを世界中で達成することが求められています。

 今、DPIの連帯が必要です。世界的なつながりを深めていくことが必要です。障害者の能力を高めていくことが、私たちの権利を守ることにつながると考えるからです。

ブロック報告
メアリー・ミッチェル(北米カリブブロック議長)
 私はジャマイカ出身です。1998年からの活動について報告します。

 北米カリブブロックでは、貧しい障害者に、訓練・権利・保健などのセミナーを開催してきています。各国とネットワークを作って、セミナーを受けることが出来ない障害者を助ける活動もしています。

 また、車いすを作ったり、失業対策を考えたり、電子・活字媒体を使って障害者のことを多くの人々に知らせる活動もしています。

 私たちは社会の一員であり、自分のことを自分できめる権利があります。雇用のためには、乳幼児からの教育が必要なので、教育へのアクセスを求めています。また、道路など、公共の建物へのアクセスを要求しています。

 北米カリブブロックは、5カ年計画を作りました。各国のDPIとの連携や医療活動など、様々なプログラムを実施していきます。障害を持った人々の発展のために、今後も努力していきたい。

DPI世界会議新議長に就任した
ビーナス・イラガンさん(フィリピン)のあいさつ
 DPI初の女性議長の大役を引き受けることになり、これから、様々な課題に立ち向かわなくてはなりません。インクルージョンの実現、多様性が祝福される社会の実現、正義が実現するビジョンをもって、バリアを乗り越えなければなりません。一緒に活動し、チームの力とエネルギーを集めることにより乗り切ることができます。アジア・太平洋におけるチームプレーの重要性を認識し、導いていくことの知恵を出し、コンセンサスに基づき、人々の意見に耳を傾け、プロとしてDPIのリーダー、役員がしっかり仕事をすることを決意します。話す前に実践する、自らが手本を示し、リーダーシップを発揮する、スタンドプレーではなく、実践することを約束します。役員、世界評議会とともにとりくんでいきます。

 我々の指導者に感謝します。これまでのDPIを継承できるようにしたい。生まれつきの指導者もいるでしょうが、まねることのできるロールモデルとなる指導者が必要です。これから私を育ててほしい。また、私をこれまで育ててくれた指導者、友人に感謝します。

 中西由紀子さん、中西正司さん、山田昭義さん、ロン・チャンドラン・ダッドレイさん、カッレ・キョンキョラサン、ジョシュア・マリンガさん、八代英太さん、私に対するサポートに心から感謝いたします。障害をもつ女性としてのロールモデルであるジュディー・ヒューマンさんに感謝します。この第6回DPI世界会議の成功のために日本政府、北海道庁、札幌市、DPI日本会議、三澤了さんとチームの方たち、札幌大会組織委員会のみなさん、NGOのみなさん、何千人というボランティアのみなさん、ありがとうございました。この世界会議が楽しくすてきなものとなりました。そしてスポンサーのみなさん、国連ボランティア基金、カナディアン・インターナショナル、アビリス財団、国際女性基金、モイラ・ジョーンズさん、アジア・太平洋障害者の10年最終年記念フォーラム組織委員会、通訳のみなさん、マスコミのみなさん、まだまだ、お名前を申し上げていないみなさん、たいへん、貢献してくださいました。どうも、ありがとうございました。神様のご加護をお祈りいたします。ありがとうございました。

世界評議会報告<02.10.18>  
DPI世界会議議長 ジョシュア・マリンガ
 私にとって、4年間の世界会議報告ができることをうれしく思います。

 私たちは、「全ての障壁を取り除き、違いと権利を祝おう」のテーマで、大会を通してディベートし討議し解決策を求めて努力してきました。成功であったと思います。全ての人がメリットを得て、各国に帰り運動を強化していきたいものです。

 私はすばらしい人の出会いと協力をうれしく思います。私の議長の間、大変お世話になりました。評議会としても努力してきました。各ブロックも成長し議論して対応してきました。これからも成長し、運動し、声を出し、主張していきます。これが私たちの仕事なのです。評議会のメンバーはヘルシンキで会合を行ってきました。評議会としては転換期であったと思います。DPIも組織や運営のあり方や新しいミッション・ビジョンについて議論してきました。今、私たちの説明責任を明確にして、新しいエネルギーを与える活動を続け大きくしていくことです。

 今後、DPIは、これまで運動に参加できず、軽視されてきた女性のクーループについて地位を高めるために働きかけていくこと、子供・先住民についても注目を払っていきます。精神医療のユーザーにも注目していきます。

 DPIは成長してきましたが、当初は概念でのスタートでしたが、現在は125カ国の国際組織が設立され活動しています。今回、5カ国の新規加入の申請がありました。新しい役員は、貧富の格差についても議論が必要です。

新しいニュースレターを年3回発刊しておりますので、各国に持ち帰ってほしい。各国からプログラム・イベントなどの情報を出してほしい。私たちも新しい名簿リストを出していきますので情報提供をお願いいたします。

 DPIにとって大切な分野は、モニタリング等を通して障害者の局面を人権の文書に反映していくことです。1948年の人権宣言に代表される既存の条約などの人権文書を活用することです。毎日、権利が蹂躙されているのです。全ての人が平等で権利を享受されるべきです。国際的にもモニタリング等が必要です。国連の弁務官からも障害者の権利条約について、法的拘束力の認識について必要との同意を得ています。ぜひ各国に帰って、権利条約について支持・支援の表明の働きかけをしてほしい。DPIも支援していきます。

 私たちには多種多様の課題があり、情報交流が必要です。世界では戦争・内戦によって障害者が生み出されています。2025年には人口の25%が障害者となるとの分析もあります。

評議会は世界各地で定期的、必要に応じ会合を行ってきました。特にこの一年間、札幌大会の準備についても運営や組織について議論してきました。議長としても世界各地・ブロックを訪問し会合に出席、国連にも権利条約の問題で訪問してきました。札幌大会を成功裡に組織してくれました関係者・組織委員会に感謝するとともに、共に働くことができうれしく思います。

 日本のみなさんは、私たちの友人であり、友達であり、兄弟姉妹です。世界評議会を代表して、日本の皆さんのあたたかいご支援に感謝し、今後も同様にDPIの仕事に支援・支持をお願いいたします。

 各ブロックのみなさんのご協力によりまして、組織が強化されていることに、お礼を申し上げます。また本日、カナダの担当国務大臣にご出席いだき、DPI創設以来の資金的な援助に感謝するとともに、支援の継続をお願いいたします。

  DPIはこれからも前に向かって、問題の解決にあたっていきます。新議長にはチャレンジすることを期待します。

 私の議長の任務は、本日終了します。みなさんの支持・支援に感謝します。みなさんは友人で同僚です。議長として幸せでした。私たちアフリカ地域にとっても世界からの支援を受け幸せでした。

 みなさんの思いが、一つの声となりますように。DPIはこの22年間、大きな声・メッセージを発信してきました。各国・各地域に大会の成果を持ち帰り、分かちあいたい。

 闘い続けよう! どうもありがとうございました。

南アフリカ大統領付大臣
エソップ・グーラム・バハット博士
 まず新しく選ばれた議長を祝福します。

 マリアラントさんが亡くなりました。彼女は南アフリカで、世界中でもよく知られた人です。DPIの副議長として・障害者として、障害者の問題を国際舞台の議題に上げた人です。カナダのヘンリーさん、アメリカのジャテンさんいずれも障害者のヒーローです。彼女らに哀悼の意を表したいと思います。

 障害者はまだ社会からはじき出されています、私たちは社会に加味されず、能力を発揮できずにいます。

 ジョシア・マリガンは4年間大きな成果を上げてきました。あらゆるバリアを跳ね除け法律を作ろうとしてきました、しかし法律だけでは不完全なものもあります。重要な事はみんなが自ら障害者に関わる事です。

 ジェンダー・青少年・アパルトヘイト、平等に関する問題がたくさんあります。遂行するプログラムはあるがどう実行に移すか考えなくてはなりません。南アフリカは、選挙制度・公務員制度にも障害者にかかわる問題を提起してきました。私たちは平等の推進・不公正な差別禁止・環境整備、障害を理由に差別されない社会を構築しなければなりません。

 南アフリカで対処してきた問題はまだまだ解決できていません、これは南アフリカだけの問題ではなくグローバルな問題です。これらの問題は21世紀の社会にあってはならない問題であり、DPIだけが問題を取り上げ解決することができます。

 南アフリカはアフリカ連合の議長国として「アフリカの10年」をアフリカにとって記憶される時代にしなければなりません。そして、障害者保護の条約を作らなければなりません。長いプロセスはあるが必ずやらなければならないのです。

 官・民がしっかりとパートナーとなり、問題を共有し各国に声を一つにして訴えていかなければなりません。

 ジョシア・マリンガがDPI創設の一人として「アフリカの10年」に貢献してくださったことに心から御礼を申し上げます。

 南アフリカは2006年の主催国であり、それまでに「アフリカの10年」をしっかりと推進し、大会を成功させることを確約し南アフリカに皆さんを招待します。

 最後に長い闘いであったアパルトヘイトに対し国際社会が支えてくださったことに感謝します。

閉会の挨拶
2002年第6回DPI世界会議
札幌大会組織委員会 会長 神田直也
 世界から、国内から、そして札幌からお集まりの皆さん

 10月15日から始まった第6回DPI世界会議札幌大会も、いよいよ閉会を迎えました。国内外からここ札幌に集まった3000名の仲間たちが、共に過ごした4日間が終わろうとしています。

 大会では、参加された皆さんの間で、さまざまな出会いがあったことだろうと思います。時には笑い、時には熱く語り合ったことでしょう。そうした出会いのひとつひとつが未来への種となってほしいと願います。

 この大会には、3000名を超える仲間たちが集まりました。その意味ではとりあえず成功したと言えるでしょう。しかし、本当の意味で成功だったか、不成功だったかは、10年、20年と経ったときに初めて問われるものです。国内外の仲間たちが将来、「札幌はよかったな」「札幌があったから今があるんだな」と振り返って語りあえるような大会であってほしいと心より願っております。

 大会を通して、「権利条約」という言葉があちらこちらで語られました。権利条約は誰かが「おみやげ」のように与えてくれるものではありません。日々の当事者たちの取り組みの上にはじめて成り立つものであると、きっとこの場に集まった皆さんが思っておられることでしょう。

 私たちはこの大会を通じて、未来の仲間たちに託すことのできる何かを見出すことはできたのでしょうか。本日採択された「札幌宣言」をはじめとする文書が、これからの世代に対するメッセージとなるのでしょうか。今、この場に集まっておられるひとりひとりが何を考え、自らの地域で何をなしていくかが問われています。

 最後に、この大会を支えてくださったボランティアの皆様、苦しい資金を支えてくださった皆様、そして、この大会に参加しようと大変な思いをして札幌までいらしてくださった一人一人の仲間たちに心より感謝を申し上げて、閉会のご挨拶とさせていただきます。4年後にまたお会いしましょう。

来賓挨拶
ディヴィット・キルゴア
(カナダ アジア太平洋担当国務大臣)
 DPIはユニークで多様性を持っている組織であり、唯一、障害を持つ人々の権利を守る組織です。

 1996年カナダでは、多くの障害者がバリアに直面しました。一般の人々の無知や障害者の貧困や障害者がどのような社会を求めているのかなど、完全なる市民権を求めました。

 政府は平等・対等で障害者のニーズにあった政策を作る必要があったため、従来のやり方を大きく変えました。障害者は政府に対して政策づくりに参加し、日常生活や環境を改善することが大事であり、尊厳を持って生きることが重要です。

 DPIはカナダのパートナーです。DPIのおかげでカナダの障害者の自立生活運動が大きく前進できました。カナダはDPIを誇りに思い支持し続けます。

国連と加盟国は障害者の自立生活を支持し、権利条約には、国際的・社会的・経済的に障害者の人権が守られることを求めるべきです。

 専門家は2025年には、人口の25%が障害者になるといっています。イギリスの研究では、世界の障害者の80%は途上国に住んでいると報告しています。

 障害者は英雄ではありません。夢と希望を持っているのです。しっかりとした人間関係を築き行動を起こすことが重要です。

 みなさんのご加護を祈ります。

協力: 写真 北海道新聞社 写真 北海道リコー 写真 キャノンビーエム札幌

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