2002年10月17日 速報
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分科会スタート 課題毎に議論を進め、交流を深め合う |
分科会3 人権 コーディネーター スピーカー スティーブ・エスティさん(カナダ) 土本秋夫さん(日本) セガンティブさん(アフリカ) |
−コーディネーター− 私たち障害者の人権は尊重されなければなりませんし、それはすべての人々に与えられた権利です。DPIの行動、そして提言が役立っていると思います。障害者は健常者に認められている人権が無視されている。サービスや活動は障害者に実施されていない。障害者も他の人同様権利を持っている。障害者の人たちは援助の対象ではない。新たに自立というパラダイが必要。この自立というパラダイはアメリカで生まれました。こういったインデベデイングリーデイングはリハビリパラダイのマイナス面をしのぎます。先進国では施設や病院への収容が行われています。これは建物に閉じ込められ、自立が制限されてきました。他の人の努力によりこうした人民権利のため、社会要求ができるセンターの設置に国が援助を出しました。家族や専門家への依存もありました。出発点は1948年10月10日の世界人権宣言です。そしてすべての人々を国家に認めさせ、拡充するメカニズムを設置する目的をもち、障害者のために1971年に知的障害者宣言、1975年に障害者人権宣言、1973年に世界均等標準基準が制定されました。 −スティーブ・エスティ(カナダ)− 国際開発部門議長、カナダ障害者協議会、DPIカナダ代表も兼ねています。事例をなぜ情報収集するのか、事例の収集は重要であります。それらを基にしたプロジェクトをカナダでスタートさせました。もちろん人間はすべて見ることができ、立つことができるとのは誤解です。障害者も人間として扱わなければならない、97年にスタートした調査により国連特別報告書を作成。権利に対する訴訟を起こしました。義務教育の権利もない。権利の侵害、剥奪、自分の障害は何なのか、一生施設なのか、人権の侵害。97年国連が人権について特別報告者27人の国際的な専門家が5つの分野で行いました。5つのメカニズムの調査が必要でした。人権に関しては国連の統計調査しなければならない。事後報告もあります。最後はカナダのプロジェクトについてですが、障害者の人権侵害はモニタリングし個人、マスコミ、法律、政策、さまざまな角度でモニタリングが必要です。5つの州ではモニタリングを開始しています。人権のモニタリングツールの調査実施はテストは数カ国で行っています。これからもどんどん増やしましょう。 Q 男性 今のプロジェクトの話はインプットが必要だと思います。どのような枠組みで、どのようなスタンスで考えていますか。 Aスティーブン プロジェクトの一部はカナダヨーク大学IDAプロの提案のあとで渡します。 −土本秋夫(日本)− 私は知的障害者です。自分はハンディ持っているので時には支援を頼んだりもします。それが私の生活です。初めてDPIに参加しました。大会が近づくにつれ理解してきました。私のハンディ知的障害は一生なくなることはありません。支援を受けながら生き生きのびのびと自分を主張して生きています。自分も当事者で権利があるということを全国の人に伝ます。自分の事は自分で決める事にします。自分たちの必要な福祉サービス、ヘルパーさんに手伝ってもらいながらの生活。自分たちには権利があります。難しいことやわからないことがたくさんあります。しかし自分がそこで止まってはいけない。 自分は小3の時何も説明がなく特殊学級に行きました。どうしたらよいのか説明してほしかった。私は今自立してます。親から離れ5〜6年経っています。金のこと、仕事のこと、誰でも与えられている権利です。地域生活もままならない。これが今の現状です。入所施設はもういらない。施設内で起こる事件で職員に対しての罰が軽すぎる。もっと厳しくてもいい。北海道でもそういう事件があります。年金を取り返さないといった事件の裁判もしています。これらは施設内のためほんの一例しかわからない。知的障害者にはわからないだろうと。絶対許さない。権利用語は法律で決めていく部分。ちゃんとした法律がまもられたらもっと良い福祉サービスが受けられる。もっともっと声をあげたい。世界中の知的障害者差別禁止法を実現に向けて世界の同じ仲間として共にがんばりたいです。 Q.男性 カナダの方に聞きたいのですが4,5カ国の国をモニニタリングすると言っていましたが具体的にどのような国なのですか? A. すみません。私の言い方が悪かったのでしょう。今はまだ第1段階です。どのような活動が人権活動にあたるのかのモニタリングをするのです。ですからどの国がその4,5カ国になるのかは決まっておりません。 意見)男性 茨城 私は茨城で人権侵害をされました。農場で働いていたのですが、朝は4時から夜中の12時まで働かされ、給料は夏と正月に5千円を支給されただけでした。 さらに、毎日のご飯はコンビニ弁当で、しかも賞味期限が3日遅れのものでした。 本当に人権侵害は困ります。 意見)田中さん 札幌 今までのお話を伺いまして、日本での障害者の人権が軽く扱われているものだと、改めて感じます。現在の日本において所得の保証はとても大事なことではありますが、ある一定の条件を満たしていなければ支援を受けられない事や年金が支払われないなど、あらゆる社会活動に制限があります。 今、日本には無年金障害者が10万人〜12万人いると言われております。その人々が日本社会で軽い存在と扱われないよう、この状態の解消を目指し戦っていきたいと思います。 Q.土本さん 名古屋 ヘルパーなどを雇い生活していきたいということですが、具体的にどのような支援が必要ですか?どんなことをしてもらいたいですか? A.男性 日本 これは一例でありまして他にもたくさんありますが、私は一人暮らしをしていまして、料理や掃除の手助けをしてほしいです。 また、支援ということになりますと、行政から難しいことを言われてもわかりません。そこで、それをわかりやすく説明してくれる人が良いと思います。 意見)女性 日本 私は精神病です。ある施設に入っているのですが、ご飯を便器の横で食べています。私たちは動物ではありません。このようなことがまだ現実に起こっているのです。 意見)男性 私は29歳で精神病にかかり、それまで勤めていた会社も辞めました。 そして、精神病にかかり父に初めて言われた言葉が"おまえの人生は終わった"でした。それは大変ショックな出来事でした。 今、私は精神障害者だからといって胸を張って歩くことを恥ずかしいと事とは思いません。しかし、やはりその行為が精神病だと言われます。 テレビなどの報道もそうです。事件の加害者などが元精神病院患者などとレッテルを貼られてしまいます。 もっと日本社会が関心を持ち人権侵害のない国を目指し頑張っていきたいと思います。 Q.寺田さん 札幌 私は精神障害の病歴があります。でも、今はこの通り元気です。 今、ここに家族会のえらい方がいらっしゃっているのでお話を伺いたい。 A.太田さん 札幌 私は札幌で精神障害を持っている方々の社会復帰のお手伝いをしています。 私の弟は障害者ですが、以前に比べると体調もだいぶ良くなりました。弟からいろいろ聞きながらこの仕事をやっておりますが、精神病の人たちの中には社会復帰をしようと努力している人もいますが、自分の殻に閉じこもっている人も多いと感じます。 世間の偏見や家族に迷惑をかけてしまうなどの理由で自分から引きこもっている状態にあるのです。 私が言いたいのは精神病院も社会復帰の支援をもっと基本的なレベルで行わなければならないのでしょうか。 Q.キダ カズヒコさん 当麻町 私は当麻からやって参りましたキダ カズヒコと申します。 当麻町で人権セミナーをやりたいのですが、どうしたらできるでしょうか。 A.男性 日本 まず、日時を決める必要があります。そして仲間と集まり決めなければならないこともたくさんあります。それらを決めてからでなければできません。 今日決めて明日という話にはならないのです。3ヶ月から4ヶ月先を目途に計画を立てると良いでしょう。 意見)男性 私の働いている会社は大きな会社です。私の後輩で若い知的障害者がいます。最初は簡単な仕事でのミスも多かったのですが、現在ではミスも少なく与えられた仕事をこなすようになりました。 最近は健常者の仕事ができない人が増えていると思います。しかし、健常者には受けさせている研修も私たち障害者には受けさせてもらえません。 そのようなことからも、日本の社会は障害者を軽く見ていると私は思います。 |
分科会9 障害種別や社会状況を乗り越えた連帯 〜DPIで活発でない障害を持つ人のグループ〜 司会 スピーカー 松本 学・石井 政之(日本) メアリー・オーヘーガン(ニュージーランド) リディー・ザッページ(オランダ) |
第9分科会は、DPIではあまり活発でない障害をもつグループで「DPIの行動計画」を念頭においてそれぞれの活動を発表し、提言を行いました。 中でも、特に印象的だったのは「ユニークフェイス」というNPO法人(石井政之会長)の活動でした。 このグループは、生まれつきの病気や後天的な火傷やケガなどによって顔やカラダが「ユニーク」な人達をサポートする団体として、2002年1月に東京都の特定非営利活動法人(NPO法人)の認証を受けました。 「日本には顔の障害(変形)で困難な状況にある人が潜在的に数十万人いて、対人関係で苦労している。特に初対面の場合、相手も困っているようだが、自分も初対面の人と会うのが苦手になってしまう。また、顔が原因で仕事につけないことも多い。誰に会っても顔のことを聞かれ、説明しなければならず、社会との接点に困難が生じる。しかし、社会的には非常にマイナーな困難な問題とみなされている」という発表がありました。 活動内容の代表的なものとしては、顔に障害がある人を直接支援すること、理解のない医者が多いため、専門職を教育することなど、様々な課題があります。 さらに月に一度、本人とその家族に限定して直接話を聞く「ピアカウンセリング」や誰でも参加できる「オープンミーティング」をしています。 最後に石井会長が「日本に数十万人いる顔に障害を持つ人々が堂々とカミングアウトし、世間が関心をもつように、札幌に来た」と話しました。 |
16日午前 分科会4「生命倫理」(遺伝子工学と差別) <自分の子どもを設計する権利はない>などを確認 <司会>ダイナ・ラトケ(ドイツ) <スピーカー>安積遊歩(日本) ジャンールーク・シモン(フランス) マイケル・スタイン(アメリカ) グレゴ・ウオルブリング(カナダ) |
立ち見も出るほど、参加者でいっぱいになった第4分科会は、ドイツのダイナさんの司会で始まりました。 プレゼンテーションで最初に発言したグレゴさんは、「ユネスコの世界人権の第6条で、何人も遺伝子をベースに差別されてはならない、と明記されている。しかし、実際には出産における性の選択は禁止されているが、障害を対象にした胎児の選択が許されるのは差別である」と述べました。 安積さんは、「出生前診断や遺伝子操作で人間の命を操作できる大変な時代になっていることを日本のみなさんに認識してほしい。お腹のなかから障害者が差別されている」と訴え、自分の体験を話しました。 「6年前の出産のとき、2分の1の確率で私の障害が遺伝するので、医者に出産を止められることを心配した。私の養護学校の知り合い3人が中絶させられた。医者を選ばないと産めないし、両親を説得しないと産めない。でも、私は障害ゆえに愛されたし、可能性や楽しさを得ることができた。障害をもった人は不幸という優生思想がいま、強まっているが、当事者の存在によって人々の意識を変えることができる。かけがえのない命であることを伝えていきたい。障害児が不幸という意識は、圧倒的に『助け』がないから。関係性こそ人間たらしめる大事なこと。どんな小さいこと、無駄と思っていることでも、私はこうしたい、こう考えている、ということを回りの人たちにぜひ発言してほしい。発言することが大事」と述べました。 発言後、安積さんが連れてきたお子さん、宇宙(うみ)ちゃんが紹介され、会場から温かい拍手が送られました。 続いて、マイケルさんからは、「ゲノムの研究で遺伝子情報が収集できるようになり、遺伝病の素因をもった人が雇用されない。ADA法は障害者の雇用差別解消に役立っていない」との問題提起がありました。 フランスのシモンさんは「生命医学に投資するのではなく、社会参加や自立生活のためにお金を使うべき」と主張しました。 このあと、質問や意見交流が行われ、最後に(1)違うことの権利がある(2)自分の子どもを設計する権利は誰にもない(3)人間(person)の概念は能力をベースに決めるべきでない――を分科会のまとめとして、決議に反映させることを確認しました。 |
16日14:30〜 第6分科会 「開発――障害における貧困の影響、 組織的開発と国連」 障害をもつ子どもは早期に適切な教育を受ける権利をもつ <司 会>ゾラ・ラジャー <パネリスト>ムガンガ・マーガレット・アグネス(タンザニア) チャールズ・アピアキエイ(ガーナ) |
第6分科会は、ゾラ・ラジャーさん(モーリシャス)の司会で、発展途上国における貧困と障害の問題、開発と国連をテーマに話し合われました。 最初に、タンザニアの国会議員ムガンガさんのプレゼンテーションが行われました。 ムガンガさんは途上国における障害者の問題を、次のように提起しました。 10人に一人、4億人の障害者が発展途上国にいると言われているが、この概算には疑問があります。障害といってもさまざまで、紛争の多い国では手足の切断が多いし、視覚障害の多い地域もあります。田舎より都市に障害者が多いのは、医療が進んでいるため、重度の障害者でも長生きできるからです。貧困による障害は、低栄養、予防接種の不足、飲料水の感染などに起因します。障害が貧困をつくりだし、貧困が障害をつくりだしているのです。その中でも障害者はもっとも貧困な人々といえます。 途上国では、障害者に福祉、医療、教育サービス、雇用が十分にありません。その結果、障害者は社会的活動に参加できなくなり、生産活動、意思決定からも除外され、物乞いに走るのです。将来を計画し決定することもできません。人間の発展にとって自己決定が大事だが、障害者はこうした発展、創造性をつくりだせない。開発プロセスに参加できない。そして、途上国の障害者は力をもたない、劣等な人間として扱われるのです。 途上国の障害者にとって、自立よりも、明日の食べ物を得られるかが問題です。貧困問題によって、障害の問題が複雑化しています。 重債務負担国にとって債務帳消しは重要です。また、教育は貧困を減らし、持続的発展を可能にするツールです。 ガーナのチャールズさんは、貧困は障害の原因であり、結果です。ガーナでは貧困が蔓延しています。人口1900万人の3分の1は、1日1ドル未満しか稼げず、人口の60%以上が貧困ライン以下の生活を送っています。人口の6%が障害者で、貧困にあえいでいます。差別、法律がないこと、政府や伝統的支配者が何もしないことが、貧困に拍車をかけています。 重債務国では、60年代より悪い状況にあります。人口問題、通貨危機、社会不安、災害が経済に悪影響を及ぼしています。83年から構造調整プログラムがつくられ、「貧困削減戦略」を策定し、ガーナ障害者連盟が文書化しました。インフラの整備、近代的農業、民間の開発など。障害をもつガーナの人々は、このプログラムから実際に利益を受けられるのかを見守っている、と報告しました。 このあとの質問や意見交流では、「構造調整が出てくると、障害者に目が向けられなくなり、状況が悪くなる」などの意見が出されました。 最後に「政府は障害者を能力、希望、目標をもった人間として取り扱うべきこと」「教育を受ける権利、とくに障害をもつ子どもは早期から、適切な教育を受ける権利をもつこと」を決議に反映させることを確認しました 。 |
(16日:大会2日目) 参加者の方に聞きました |
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日本の印象は「アジアの国の中で、障害者にとって一番過ごしやすいのではないか。」とのこと。バリアフリーに関しては「日本は施設面ではすばらしい。これからは、施設よりも心のバリアフリーを。」と、意見をいただきました。大会そのものに関しては「とてもすばらしい大会。世界中から障害者の人が集まり、様々な意見を言い、聞くことによって、知識を豊かにすることが出来る。」と、2人とも言っていました。 残り2日間、たくさんの知識を吸収してほしいと思います。 |
●参加者インタビュー Mary Lou Breslin(メアリー・ロー・ブレスリンさん)<米国> 成果を各国の運動に生かしたい |
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ボランティアさんに聞きました | |
移動ボランティア 「職場の関係でボランティアに参加。本州からも介護用の車を持ち込みお手伝いしています。あえて苦労といえば、言葉のカベがあることですね。早い段階から移動の研修・講習を受けてきましたが、限られた時間と駐車場のスペースの中でスムーズに移動・移送することがポイントです。最終日の千歳までの移動がありますが、各国のみなさんが気持ちよく乗降し、帰国されるようにがんばります」 |
語学ボランティア 札幌在住の石山さんは、今回、語学ボランティアとしてがんばっています。 ボランティアになった動機は、「障害者の問題について、もっと知りたかった。」とのこと。実際にやってみて「立ちっぱなしなので、足が痛い。」と、苦労話をしてくれました。 最後に「障害を持っていない人がもっと参加して、どんな問題があるかを知ることが大事。」と、前向きな発言もありました。 残り2日間、足の痛みに負けないでがんばって下さい。 |
協力: | 北海道新聞社 | 北海道リコー | キャノンビーエム札幌 |