フォローアップ施策に関する「北海道の医療費助成制度を考える
連絡会」との意見交換会について
平成16年9月14日(火) 9:30〜12:15
9階 職員監会議室
1 挨拶(小谷代表)
8月27日(金)にフォローアップ施策について、説明してもらったが、詳しいことを聞かないとわからない。当事者が理解して、必要、必要でないということを判断したい。
2 フォローアップ施策説明
(部段階での検討案ということで、別紙資料に基づき説明。)
更生医療などの環境づくりは3定で予算措置。もう一つの柱の障害のある方々の地域生活支援については、一部を3定提案しているが、他は当初予算で措置する。「本人の意思に基づき、地域における自立した生活を支援」これが全ての基本。
3 意見交換
〈連絡会〉
◎厚生医療の健康づくり
- 呼吸器機能障害者の更生医療適用については、国への要望をさらに働きかけてほしい。
- 必要な医療行為には北海道版更生医療を考えてほしい。
- 人工透析患者の場合、合併症の問題があるが、更生医療の対象になるかは医師の意見が重要になってくる。
- 更生医療は、受けたくても受けられない人がいる。更生医療の適用は、身障手帳の記載の仕方で決まる。障害に起因する2次障害も、運用で更生医療を適用してほしい。
更生医療が適用されない在宅酸素療法、褥蒼、緑内障への支援を道単独で助成してほしい。
◎総合的な相談支援拠点の整備
- テレビ電話相談は身近な所で相談できるようになるが、精神障害者の場合、テレビではなかなかわからない仕草がある。人材育成にも力を入れてほしい。
- テレビ電話は、医療面では有効だが、相談の場合では直接会うことが重要では。
- 支庁圏域ごとの基幹型支援拠点の整備と児童相談所圏域ごとの自閉症・発達支援サブセンター整備は両立するのか。
- それぞれの障害を理解できる人材の確保は難しい。
- 相談が主になるのか。療育に対する支援はどう考えているのか。
- 3障害に対応した相談支援体制の説明があったが、内部障害も含めて考えてほしい。難病患者は24時間病気を抱えている。難病患者が医療費の支払いが困難になった場合のフォローも必要。
- 保健師は家庭に入っていける唯一の人。相談支援体制の充実とともに保健師との連携が重要。
◎重度障害者への支援
- 訪問看護ステーションを使った支援は、研修をきちんとしてほしい。
- 重度障害者にスポットを当ててくれた。家庭の中に埋もれている障害者の問題を解決するために早く実施してほしい。家族に何かあると、即施設入所という状況を逃れるためにも必要な事業。現状では、毎日養護学校に通っていた子どもが、卒業すると、毎日通える場がない。
- 嚥下障害や呼吸器機能障害者には、看護師がいても対応できないことがあるので、きちんと研修してほしい。
◎地域生活移行のための基盤整備
- グループホームの予算が100人しかないのは、1番緊急の課題と思う。何とかしてほしい。障害の軽い人は地域で生活、重い人こそグループホームに住めるような施策が必要。身体障害者のグループホームも念頭に入れてほしい。
- グループホームの予算が100人だと、残された人はどうなるのかと思う。
- 身体障害者のグループホームについては、これまでの当事者運動からその必要性については、慎重な検討が必要である。
- 身体障害者の地域生活移行については、米国で始まり日本でも実施されてきた自立生活運動の手法が有効であり、この運動の理念と実践に基づく取り組みが必要である。
- 地域生活移行については、北海道障害者生活支援体制検討会議でも我々の仲間の当事者が参加して議論が進められているので、この会議との連携も含めて検討を進めていくべきである。
- 地域生活の取り組みについては、その後の検証等を続けていくことが大切。
- 障害者の就労は生きていくために必要なこと。
- 就労できる場の確保はきちんとやってほしい。ある程度の収入が確保されると1割負担の不安が解消される。
◎フォローアップ施策全般
- 誰のためにという視点がない。障害ゆえに医療を欠くことのできない人に、将来にわたってどういう支援が必要かという視点がない。
- フォローアップは医療の環境づくりが本命のはず。
- かなり具体的なもの、細かなものを考えている。実現できればすばらしい。
- 方向性としては、そうしていくべきと思うが、本当にできるのか。行政は、計画や制度を作ったりするのは上手だが、出来たあと絶えず検証するということをしていない。
行政の担当者は2〜3年で替わってしまうが障害者は制度とともに生きていかなければならない。個々の施策にきちんと障害当時者の意見を聞いて反映してほしい。
- 意見交換でこれは必要と思うものは進めていってほしいが、必要ないものは明確に否定させてもらいたい。
- とかく障害者施策は、身体・知的・精神といった3障害に限定されて議論されるが障害者基本法の内容からも様々な困難を抱える難病患者についてもこれらの障害者と同様の位置づけにすべきである。
◎医療給付事業見直し
- 障害者は医療費以外にも色々な費用がかかっており、1割の自己負担になると大変。
また、医学の発達により、単に延命ということではなく、生きていくためには言語訓練が必要になったりする。患者負担の実態把握をしてほしい。
- 医療費見直しで直接影響を受ける患者のフォローが重要。受診抑制が出てくるのではと懸念している。
- 見直し実施後の実態把握には喜んで協力する。
- 見直し後の世帯合算の制度がわからなかった。周知に努めてほしい。
◎その他
〈道〉
- 更生医療の指定医療機関の拡大は、9割近くまで進んでいるが、調剤薬局が遅れていた。現在、申請があがってきている分を含めて540位までになっているので、指定医療機関のある市町村はカバーできるようになる。
- 更生医療にできるものは、国へ要望していく。
- 早期療育システムとの関係では、この制度は15年を経て制度疲労を起こしているため、フォローアップとは別に見直しを考えている。第2、3次療育圏の役割は変えようと思っている。コーディネーターは基幹型に収斂する。今後は児者一貫した相談支援体制に組み替えていく。
- 研修についての意見等については、ある程度専門性のある人はいると考えているが、提言として受けとめる。
- 相談と療育支援の件では、相談が主体になるが、不足している市町村には療育支援も行う。
- 医療的ケアを要する方への支援では、市町村を絡ませているので、市町村がどれだけ理解してくれるのかという問題がある。
- 身体障害者もグループホームの対象にというのは、提言として受けとめる。
- 内部障害者については、どのような支援がいいのか考えていく上で、意見を聞きたい。
- 行政が全てをするのではなく、仕組みづくりまではやって、後はNPOなど細かい所に手をかけている人たちに委ねるのが本当の意味での協働だと思う。
- カウンセリングのできる人材育成をしっかりやってほしいということだが、どのレベルを目指すのか、また、保健師、民生委員、ボランティアなどのうち誰を対象とするのか、これから考えていかなければならない。また、テレビ電話相談については、15年度の相談件数は24保健所(千歳、江別を除く。)で約1万件、そのうち精神保健福祉センターで対応した方がいいと思われる相談が800件という調査結果があり、需要はそれなるにある。
- 医療費見直し後の実態把握については、連絡会の皆さんや市町村とも相談して実施する。
- 医療費見直しに関し、これまでに寄せられた質問に対する回答を提供するとともに、ホームページにも掲載する。
- 小規模作業所の件では、財政の問題もあるが、引き続き支援したい。作業所にも今のままでいくのか、法定の施設に移行するのか考えてもらいたい。