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平成16年第一回北海道議会定例会予算特別委員会(保健福祉部所管)
[北海道議会](3月17日)
自由民主党・道民会議 柿木克弘議員の質問
内容:道単独医療費助成制度の見直しについて
柿木議員
道では経済的に弱い立場に置かれております重度心身障害者や老人、母子家庭、病院にかかりやすい乳幼児を対象に、その健康の保持と福祉の増進を図るため、市町村と共同で道単独の医療給付事業を実施しておりますが、昭和48年の制度創設以来、時々の社会経済情勢の変化、あるいは少子化・高齢化社会、そういったものに対応しながら、必要な見直しを行い、今日に至っているものと承知しております。
さて、この度、道は、この医療給付事業の抜本的な見直しを打ち出している訳でございますが、今回の見直しに至った背景やこの見直しの基本的な考え方、そしてまた、財政再建プランとの関係について、まずお伺いしたいと思います。
熱田室長(保健福祉部:子ども未来づくり推進室)
道単独医療給付事業の見直しの背景などについてでございますが、急速な高齢化や国の医療保険制度の改正に伴い、道や市町村の事業費負担が年々増大する一方で、本道の深刻な少子化に対応し、子育て家庭に対する支援の充実が求められております。
こうした新たなニーズに対応するとともに、この制度を将来にわたって安定的に維持していくため、給付と負担のあり方など事業の抜本的な見直しを行おうとするものであります。
その結果、受給者の方々に、老人保健法に準拠して原則1割の自己負担を求めることとしたものでありますが、市町村民税非課税の低所得者の方々につきましては、自己負担を現行どおり据え置くなど、最大限の配慮を行ったところでございます。
また、少子化対策を積極的に推進していくために、乳幼児医療給付の対象年齢につきましては、入院・通院ともに就学前までと一挙に拡大しましたほか、3才未満児の自己負担を現行どおり据え置くこととしております。
次に、財政再建プランとの関係についてでありますが、この度の見直しも当該プランに位置づけられるものですが、事業を取り巻く環境の変化や少子化対策など道民のニーズへの速やかな対応が求められていることから、プランの策定に先行して実施しようとするものでございます。
柿木議員
道はですね。昨年暮れに、この医療給付事業の見直しに係る道の案を市町村や関係団体等に提示したところです。
その内容については、少子化対策として乳幼児の対象年齢を就学前まで、あるいはまた、母子家庭医療を父子家庭へと拡大する一方で、対象者に原則1割の自己負担を求めるという大変厳しい内容となっております。現在、初診時580円の自己負担が、原則1割の自己負担という大幅な負担増となると伺っております。
このため、障害者団体などから見直しに反対する様々な声が寄せられています。1割負担が導入をされた場合、通院だけでも最大で年間14万4千円も負担しなければならないというようなケースが出てくるとのことでありますが、道はこの度の見直しによります受給者への影響などをどのように考えているのか伺います。
高橋参事(保健福祉部:子ども未来づくり推進室)
この度の見直しによる影響についてでありますが、乳幼児医療については、就学前までに拡大することにより、新たに15万6千人が対象となり、母子家庭等では、父子家庭を加えることにより4千人が対象となるものと試算しているところでございます。
また、1割の自己負担については対象者の4割にあたります22万人の方々に、新たな負担を求めることとなるものと推計しております。
今回の見直しでは、医療保険制度の中でも患者負担が最も低く設定されております老人保健法に準拠して、原則1割の自己負担を求めることとしたものでありますが、低所得者については、現行どおりに据え置くなど最大限の配慮を行ったところであります。
また、1割の自己負担をいただく方々につきましても、通院で1万2千円、入院で4万2百円の月額上限額を設定し、自己負担が加重なものとならないようできる限りの配慮を行ったところであります。
柿木議員
ただいま、道は、低所得者対策や月額上限の設定など最大限の配慮を行ったと申しておりますが、障害者の方々の生活実態というのは非常に厳しい。合併症のある方など複数の診療科を受診しなければならないケースですとか、あるいは複数の病院をタクシーで乗り継がなければならないというケースなどですね、 医療費以外にも見えないこうした経済的な、あるいは肉体的な負担は大きい。月額上限が設定されたものの、月額上限を超える医療費についてはあとで市町村役場に還付請求しなければならないなど、この度の見直しによって、経済面ばかりか身体的にも患者の負担を増すことになると考えられます。
そこで、このような実施に伴う様々な患者負担に対しまして、道としてできる限りの対応が必要であると考えますが、どのように対処していこうと考えているのか見解を伺います。
小田部長(保健福祉部)
見直しの実施に伴います様々な患者負担への対応ということについてでありますが、道ではこの間、関係団体に対する見直し案の説明会などにおきまして、障害のある方などから、様々なご意見、ご要望を賜ってきているところでありまして、こうした関係団体などからのご要望のうち、対応可能なものについてはできる限り反映してまいりたいと考えておりまして、現在、更正医療の活用のために必要な条件の整備、あるいは障害のある方に配慮した給付手続きの簡素化など、受給者の方々の負担の軽減が図られるよう努めているところでございますが、今後とも鋭意努力してまいりたいと考えております。
柿木議員
ただいまの答弁、あるいは私が申し上げた事項の中でですね、この事業の見直しについては、様々な課題もありますし、そうした影響というのが、大変懸念されるところであります。
従って、そうしたことにですね、何らかの対応をしていく必要があると考えますので、知事の方にですね、改めてこの問題については伺ってまいりたいと思いますので、委員長さんにおかれましては、お取り計らいの方をよろしくお願いいたします。