トップページ > 活動報告 > 北海道の医療費助成制度を考える連絡会 > (7)北海道議会の傍聴報告
[北海道議会・本会議](平成16年3月13日)
民主党・道民連合 木村峰行議員の一般質問
内容:道単独医療費助成制度の見直しについて(質疑について抜粋)
木村議員
道民の中でも弱い立場に置かれている方々、とりわけ、身体に障害を持っている方々をはじめ、母子家庭や乳幼児、高齢者への負担を増やすことは、きわめて慎重に行なうべきと考えますが、その点どうお考えかお聞かせください。
山口副知事
この事業は、経済的に弱い立場に置かれている重度心身障害者や母子家庭、高齢者の方々、さらには疾病にかかりやすく受診する機会の多い乳幼児を対象に健康の保持と福祉の増進を図る目的で実施しているものでありますが、制度創設以来、時々の社会経済情勢の変化に対応しながら必要な見直しを行い今日に至っているもの。
この度の見直しは、昨今の急速な高齢化や国の医療保険制度の改正に伴う事業費の増大、少子化対策などの新たなニーズへの対応が求められる中で将来にわたり制度の安定的な運営を図っていくためのものであり、見直しに当たっては、3歳未満児や低所得者の自己負担を現行どおり据え置くなど必要な受診を妨げることのないよう最大限の配慮を行なったところ。
木村議員
この度の見直しでは、重度心身障害者医療給付事業をはじめ乳幼児医療、母子家庭医療の3事業について大幅な自己負担の増加を強いるものである。さらに、老人医療費給付特別対策事業については、対象年齢を1歳ずつ段階的に引き上げて廃止するとの方針である。
道の試算では、この見直しによって約22万人に新たな負担が生じるとのことであるが、これは障害者やお年寄りなどの生活実態を無視した一方的な福祉の切り捨てではないか。
今回の見直し内容を見る限り、当事者の声を聞いたとは思われない。
再度当事者の生の声を聞き、是正措置を求めたいと思うが知事の思いやりのある答弁をいただきたい。
山口副知事
この度の見直し案については、市町村に提示した後、直ちに障害者団体など関係する団体を順次訪問して説明を行なうなど理解を求めてきたところ。
また、説明会や勉強会などの場を設けていただいた団体については、担当者が出向き見直しの具体的内容などを説明するとともに、障害のある方などのご意見を承ってきているところ。
その結果、関係団体からご要望のあった事項のうち、更正医療の活用に必要な条件の整備や給付手続きの簡素化など対応可能なものについてはできる限りの反映するよう努めているところ。
道としては、引き続き関係者の理解を求めていくほか、見直し後においても見直しに伴う影響など制度の運用状況を把握するとともに、更正医療や育成医療など、他の公費負担医療制度の適切な活用を含め、受給者の方々の健康の保持と福祉の増進が図られるよう市町村はじめ関係機関と連携して取り組んでまいりたいと考えている。
木村議員【再質問】
見直しそのものが、一律一割負担を強いるということは、それぞれ対象者の実態を踏まえた見直しとは認められない。例えば、重度心身障害者医療給付事業について、所得制限に段階を設定するなど工夫すべきと思うが再答弁を求める。
又、その他の制度についても「一割負担」の見直しを求め再答弁を求める。
山口副知事
今回の見直しでは、医療保険制度の中で、患者負担が最も低く設定されている老人保健法に準拠して、原則1割の自己負担を求めることとしたものであるが、三歳未満児や低所得者については原稿どおりに据え置くなど、できる限りの配慮を行なったところ。
道としては、この事業を将来にわたって安定的に運営していくために避けて通ることのできない見直しであると考えており、今後とも関係者の理解を得るよう努力してまいりますのでご理解を願う。