新型リフト付きリムジンバスのお披露目会に参加してきました
2018年11月20日 バリアフリー
11月14日(水)、東京シティエアターミナル(以下T-CAT)にて、新型リフト付きリムジンバスのお披露目会が開催され、DPIバリアフリー部会メンバーが参加してきました。
この新型バスは今年8月にも視察させて頂きましたが、その後東京空港交通株式会社が車両を導入し、今年12月より運行開始となることが決定しました。
▽【視察の様子が掲載されました:2018/11/15日本経済新聞】
車椅子エレベーター付きリムジンバス 五輪・パラ備え
車内にエレベーターが設置されているタイプは世界初との事で、これまでの車外にリフトが飛び出すタイプに比べて操作が簡単、スペースが少なくて済む、バスを着ける場所の自由度が高まる等の利便性が高まりました。
また、先に車内に乗り込んでからリフトが昇降するため、雨風に触れなくて済む他、周囲の視線を気にしなくて済む、昇降時の恐怖心が無くなるといった乗客側の心理的なメリットもあります。
写真:先に車内に乗り込んでからリフトが昇降します。方向転換する際に足がぶつからないように貨物スペースの壁が開いており足を奥まで入れることが出来ます。
開発を行った三菱ふそうトラック・バス株式会社相談役の鈴木氏は、貨物スペースを確保するというハードルが高かったが、「安心・安全・快適」をモットーに開発を進めてきたと話し、検証に関わった人々への感謝を述べていました。
東京空港交通株式会社の増井社長は、会社のモットーである「Friendly for all(全ての人に優しい)」を実現するためにバリアフリーも積極的に進めて行きたいと話されていました。
実際に同社では2016年にリフト付きリムジンバスを2台、今年2台を導入しており、現在更に4台を追加発注しているとの事です。
そして来年には10台体制で運行し、2020年春には20台以上を導入、主要な路線を繋ぐところの運行を拡大したいと意気込んでおられました。
写真:挨拶を述べる増井社長
国土交通審議官の藤田氏は今年5月に成立した改正バリアフリー法で基本理念が設けられたことに触れ、今回のような取り組みが「共生社会の実現」のための起爆剤になって欲しい、社会全体のUD(ユニバーサルデザイン)化の進展を後押し出来るように願っていると話されていました。
今回もバスに乗車させて頂きましたが、視察時に要望させて頂いたリフト内部の前後を確認するための鏡や貨物スペースの照明、車いすの固定方法等が改良されており、以前よりもスムーズに乗り込むことが出来ました。
写真:リフト内の前後に鏡が取り付けられ、床には目印の線が引かれていました。貨物スペースの照明も明るくなり、足元が見やすくなりました。
写真:乗り込む際にはスロープは右寄せにした方が方向転換しやすいとの当事者からの声によって設置位置が改善されていました。スロープは今後もより良いものを検討していくとの事でした。
写真:ハンドル型の4輪電動車いす(スズキ社のタウンカート)は、多少のコツと乗務員のサポートが必要ですが、乗車することが出来ました。
今回新型リフト付きリムジンバスに乗ってみて、従来型よりも更に安全性や快適さが改善されていたことを嬉しく思いました。
運行本数も年々増加しており、より利用しやすくなっていることを実感しました。
現在は毎月1名程度の車いす使用者が利用されているとの事でしたが、今後はさらにニーズが高まっていくと予想されます。
増井社長は、東京だけでなく地方のバリアフリー整備にも繋がるようにノウハウを伝えていきたいとおっしゃっており、熱意を感じました。私たちも当事者として協力させて頂きながら、一緒にユニバーサル社会を作っていきたいと思います。
(DPI日本会議バリアフリー部会/自立生活センターSTEPえどがわ 工藤登志子)