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UDタクシーの通達がでました!ユニバーサルデザインタクシーによる運送の適切な実施の徹底について

2019年11月26日 バリアフリー

 

11月19日付けで、国土交通省自動車局旅客課長から全国ハイヤー・タクシー連合会(以下 全タク連)に対し、「ユニバーサルデザインタクシーによる運送の適切な実施の徹底について(国自旅第191号の2)」という通達が出ました。

DPIでは10月30日に実施した「全国一斉行動UDタクシー乗車運動」の結果をまとめ、11月14日に国交省に要望書を提出しましたが、今回の通達はこれを受けて出されたものです。

主な内容は下記4点

1.次のような行為は道路運送法に違反するので厳正に対処する。
 電動車いす利用者であることのみを理由として拒絶すること。
 スロープ等の設備や装置の操作方法がわからないことを理由として拒否すること。
 乗降車に時間がかかることを理由として拒絶すること
 研修を受けていなことを理由として、拒絶すること
 UDタクシーとして運用していなこと、スロープ等を積載していないことを理由として拒絶すること
 タクシー乗り場で、車いす使用者に乗車の可否を確認せず、空車のまま発進または乗降場所を通過すること。

2. UDタクシーとして運用していないことを主張してスロープ等を積載せずに運用することは事業改善命令の対象となる。

3. 横向き乗車を拒絶してはならない。⇒ 横向き乗車OKへ!
 車いすは道路輸送車両の保安基準上の座席に該当しないため、シートベルトの着用は義務ではない。
 車いすを自動車に固定しないとしても違反にはならない。

4. 実車を用いた研修を年間複数回受講すること
この他にも「全タク連傘下会員等のUDタクシーに関する研修の実施状況及び実施目標の設定状況を定期的に把握し、当課に情報共有されたい」とも書かれています。

11月14日に要望書を提出し、19日には通達が出されるという非常に迅速な対応を国交省はしてくださいました。感謝申し上げます。

今後は、もし乗車拒否があった場合はこの通達を伝えてください。そして、必ず事業者と運転手の名前を控えてタクシー協会や事業者に連絡してください。悪質な場合はDPIにご連絡ください。今回の2回目の通達は、全国一斉行動の成果です。ご協力いただいた全国のみなさまに改めて感謝申し上げます。

UDタクシーには、車両構造にも問題があります。車いす乗降を簡易化しドライバーの負担を減らすこと、大きな車いすが乗車できるようにすること等を車両の改善とともに、当事者の意見を反映した新しい車両の開発もメーカーに要請したいと考えています。

国交省には、UDタクシーの仕様を定めた「標準仕様ユニバーサルデザインタクシー認定要領」の見直し、UDタクシー乗車スペースの整備も要請しています。

接遇と車両が改善され、乗車スペースが整備され、誰もが利用できるUDタクシーが普及することを目指し、これからもDPIは取り組んでいきたいと考えております。全国で連携した取り組みに今後もご協力いただけますようお願い申し上げます。

※乗降できる場所は道路交通法に基づいた駐停車可能な場所になります

佐藤 聡(DPI日本会議事務局長)

以下、国土交通省自動車局旅客課長から全国ハイヤー・タクシー連合会への通達文


国自旅第191号の2
令和元年11月19日

一般社団法人全国福祉輸送サービス協会会長 殿

国土交通省自動車局旅客課長

ユニバーサルデザインタクシーによる運送の適切な実施の徹底について

 ユニバーサルデザインタクシー(以下「UDタクシー」という。)による運送の適切な実施については、「ユニバーサルデザインタクシーによる運送の適切な実施について」(平成30年11月8日国自旅第185号)により通知したところであるが、UDタクシーによる運送に係る不適切と思しき事案について情報が寄せられているところであり、下記事項について、UDタクシーの運送に携わる貴会傘下会員等に対し周知徹底を図られたい。
また、貴会傘下会員等のUDタクシーに関する研修の実施状況及び実施目標の設定状況を定期的に把握し、当課に情報共有されたい。

1.一般乗用旅客自動車運送事業者による次のような行為は、運送の引受け義務の対象から除外される正当な事由のある場合とは認められず、道路運送法(昭和26年法律第183号)第13条の規定に違反するものであることから、そうした行為の事実が確認された場合には、各地方運輸局等において厳正に対処する。

・UDタクシーであるにもかかわらず、電動車いすの利用者に対し、車いすの重量や幅など乗降の可否の判断に必要な情報の確認や旅客に対する説明をせず、電動車いす利用者であることのみを理由として、運送の引受けを拒絶(配車の拒絶を含む。以下同じ。)すること。

・UDタクシーであるにもかかわらず、車いすその他の用具を使用したまま乗車するためのスロープ等の設備や装置の繰作方法がわからないことを理由として、運送の引受けを拒絶すること。

・UDタクシーであるにもかかわらず、高齢者、障害者等の移動のための車いすその他の用具(以下「車いす等」という。)を使用したまま乗車することで乗降車に時間がかかることを理由として、運送の引受けを拒絶すること。

・UDタクシーであるにもかかわらず、車いす等を使用したまま乗車することに関する研修を受けていないことを理由として、運送の引受けを拒絶すること。

・UDタクシーであるにもかかわらず、UDタクシーとして運用していないこと又はスロープ等を積載していないことを理由として、車いす等を使用したまま乗車しようとする旅客に対する運送の引受けを拒絶すること。

・タクシー乗り場に客待ちのために入構した場合において、乗車順番待ちをしている旅客が車いす利用者である場合に、当該旅容の粟車意思や車いす等を使用したまま渠車することの可否を確認せずに空車のまま発進又は乗降場所を通過すること。

2.標準仕様ユニバーサルデザインタクシーとして認定されている車種について、UDタクシーとして運用していないと主張してスロープ等の設備を積載せずに、車両を一般乗用旅客自動車運送事業の用に供する行為については、高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する洗律(平成18年法律第91号)第8条第1項又は第2項の規定に反するのみならず、旅客の利便を阻害する行為であることから道路運送法第31条の事業改善の命令の対象となるので留意されたい。

3.一部の障がい者団体等から可否について指摘されている「車いす利用者がUDタクシーに乗車する際、車いすを車内で前向きに転回しないままで、車いすおよび車両に設置された3点式シートベルトを固定・装着せず、進行方向に対して横向きのまま乗車すること」については、UDタクシーの「車椅子を固定するための空間と設備」が道路運送車両の保安基準(昭和26年運輸省令第67号)上の「座席」には該当せず、当該乗車行為において道路交通法(昭和35年法律第105号)第71条の3第1項及び第2項に規定する座席ベルトの装着義務の対象に該当しないほか、当該空間と設備は「座席に準ずる装置」に該当し、同法第55条第1項の「乗車のために設備された場所」と解され、車いすを自動車に固定しないとしても同項違反とならない。このため、これらの同法の規定に違反するものとして道路運送法第13条第1項第4号の該当を主張して、当該乗車行為をしようとする車いす利用者に対し運送の引受けを拒絶することは認められないと解されるので留意されたい。

4.「ユニバーサルデザインタクシーによる運送の適切な実施について」(平成30年11月8日国自旅第185号)において要請した事項について、改めて各事業者において滑実な実施と従業員への周知の徹底を図られたい。
特に、車両導入時に実車を用いた車いす乗降の研修を受けても時間の経過とともに操作方法がわからなくなるなどの指摘があることも踏まえ、実車を用いた研修の年間複数回の受講を確保されたい。

以上

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