自民党ユニバーサル社会推進議員連盟に出席してきました!
2021年03月03日 権利擁護
2月22日(月)、衆議院第一議員会館にて、自由民主党ユニバーサル社会推進議員連盟(以下UD議連)が開催されました。このUD議連はユニバーサル社会の実現に向けて関係省庁の進捗状況を報告し、障害者団体からの要望を聞くもので、当事者側が関係省庁と直接やり取りを行える重要な機会です。年に2回程度開催されており、今回は15の関係省庁と10の障害者団体等が出席し、DPI日本会議からは佐藤事務局長が参加しました。
冒頭に石破茂会長からの挨拶があり、バリアフリー社会の重要性について説明がありました。また、今国会で改正が予定されている障害者差別解消法にも触れ、差別解消法を実行力のあるものにすることがわが国の共生社会を実現する原動力になるとおっしゃっていました。
関係省庁の取り組みについては、令和2年度補正予算、令和3年度予算案についての説明があり、さらに内閣府から障害者差別解消法についての説明がありました。
団体からの要望では、DPIから下記の内容について要望しました。
・ 障害者差別解消法の施行期日を1年にして頂きたい。
・ 差別を受けた人がどこへ相談すれば良いのかわかりづらいため、ワンストップ窓口を設けて頂きたい。
・ 電話リレーサービスをクレジットカードや銀行の本人確認でも使えるようにして頂きたい。
→これに対して金融庁からは現在業界団体と意見交換して要請しているとの回答がありました。
他の団体からは主に下記のような要望が出ていました。(一部抜粋)
・ 視覚障害者がオンライン会議に参加する際に画面共有などを読み取れず困っている。今後、システム導入時には視覚障害の当事者も入れて検討して頂きたい。
・ 教育・教材のICT化、教職員への訓練体制を充実させて頂きたい。
・ 障害者差別解消法、虐待禁止法の早急な見直しを行い、実効性のあるものにして頂きたい。
・ 手話言語法を早急に制定して頂きたい。
・ コロナワクチンの正しい情報を聴覚障害者も受け取れるようにして頂きたい。
・ 手話フォンを全国の身近な場所に普及させて頂きたい。
・ パーキングパーミット制度について。地方でルールが別々のため、国で統一して頂きたい。
・ UDタクシーは大型の電動車いすでも前向き乗車できるよう車両の開発を行って頂きたい。
・ 学校のバリアフリー化は既存の建物も義務化して頂きたい。
・ 精神障害者への交通割引制度を導入して頂きたい。
・ 音や光、ピクトグラムの充実や、クールダウン・カームダウン室(落ち着ける場所)が全国に広がるようにして頂きたい。
・ 津久井やまゆり園の障害者殺傷事件を風化させないようにして頂きたい。
・ 色覚異常の人が自衛隊の採用で差別させることのないように対象を検討して頂きたい。
出席した議員の方々からは下記の意見が出ていました。(一部抜粋)
・ 地方自治体と連携をしながらバリアフリーを進めていかなければならない。
・ パラリンピックはバリアフリーを進める。多様性と調和を広めレガシーとなるように取り組んでいきたい。
・ 障害者の労働賃金の引き上げも考えていきたい。
・ デジタル化によって情報格差が広がることのないように当事者の意見を取り入れていかなければならない。
今回は障害者差別解消法の見直しと早期の施行を求める要望が多数の団体から出ていたことが印象的でした。また、議事進行を務めた盛山正仁事務局長からは読書バリアフリー法や電子リレー法の予算関係の追加資料や報告を求める場面もありました。
関係省庁からはそれぞれの要望に対しての回答を頂くことができ、真摯に取り組んでいこうという姿勢を見ることが出来ました。UD議連がきっかけでこれまでも様々なバリアフリー整備が具体的に進んできましたが、今後もさらなる取り組みに期待しています。
報告:DPIバリアフリー部会 工藤登志子