10月20日(金)UDタクシー乗車運動が全国で実施されました~沖縄県の取組み報告~
2023年12月07日 バリアフリー
△タクシー会社へ電話をかけるイルカのメンバー
10月20日(金)、UDタクシー乗車運動が全国で実施されました。
「いつでもどこにでも行ける移動手段」としてUDタクシーの必要性を知ってもらう目的で、この乗車運動は4年前にも行われています。
自立生活センター・イルカがある沖縄県は車社会です。車いすでも乗れるノンステップバスが普及してきているとはいえ、自家用車を持たない人たちにとってタクシーの必要性はとてもとても高い地域なんですね。
沖縄では自立生活センター・イルカ、北部自立生活センター希輝々(沖縄本島)、自立生活センターまんた(宮古島)、自立生活センター南十字星(石垣島)で各地域の乗車運動に取り組みました。
イルカでは当事者メンバー3人で本島の各タクシー会社に配車の電話をかけていきましたが、ウェブ上ではUDタクシー保有の表記がされていても「今空いている車両がない」、「運転手のUDタクシー研修を済ませていない」などの理由で次々と断られる状況。
中には「電動車いすで乗車する場合は必ず付き添いがいないと配車ができない規定」という条件を提示される一幕もあり、その条件に関してはこの後に出てくるハイヤー・タクシー協会との意見交換で適切でないことが判明しました。
配車が断られる中、「そもそもUDタクシーってなんでしょうか」という話から始まる会社もあり、1社も配車までたどり着けない残念な結果に終わりました。
後日この結果を沖縄県ハイヤー・タクシー協会へ報告し、現状の改善とそれに向けた取り組みについて意見交換する場を設けて頂きました。
- UDタクシーの必要性を業界全体へ浸透させてほしい事
- より良い環境を作るために、障害当事者と意見交換できる機会を作ってほしい事
この2点を重点に、UDタクシーの普及体制の改善を要請しました。
協会の方からは、
「現状を改善する為にはこういった当事者の方々の声がとても大きな力になる」という言葉から始まり、「運転手をはじめとした従業員の意識改革の為にも、是非当事者の方に研修へ関わって頂きたい」との返事を頂きました。
全国的に見ても前回の乗車運動と比べて乗車拒否のケースが増えているなど、UDタクシーの利用にはまだまだ壁が高い現実です。
▽今回の調査結果
それを事業者、乗客となる市民の方々に訴えかける機会としてこの乗車運動はとても意味のある物になったと感じています。ヘイタクシー!と道ばたで気軽に乗れることを目標に、引き続き全国の皆さんと地道に声をあげつづけたいと思います。
大城 亮(沖縄県自立生活センター・イルカ)