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車椅子ユーザー泣かせで知られる「特急しおかぜ」が生まれ変わった? ~四国の旅を快適に~

2024年08月28日 バリアフリー

特急しおかぜの車いす席に座る柴田さん

DPI加盟団体のCIL星空の柴田明寿さん、井谷重人さんがJR四国の「特急しおかぜ」のバリアフリー調査レポートを書いてくれました。とても充実したレポートになっておりますので、是非ご覧ください!


2023年12月、JR四国の8000系のS編成がリニューアルし、今年8月にはL編成がリニューアルしました。8000系新型車両には新しく「車椅子フリースペース」という名称で初めて座席のないスペースができたので早速調査をしてきました。

しおかぜ

車いすに乗る柴田さん

これまでの8000系は車椅子スペースといっても、座席が1席だけ外されているだけだったので、車椅子で通路を半分以上塞いでしまい、乗客が通るたびに「すみません」という言葉が出ていました。

特急しおかぜの平面図

手書きで書いた車いす席がある5号車の詳細な寸法図

しかし、今回の新型車両5号車は、入り口を入ると左側の縦2列、横3列分と右側の縦1列、横2列分の座席がなく、車椅子3席分のスペースが設けられていました。3席それぞれ大きさは違うものの、大型の車椅子でも十分に入れて、リクライニングを倒しても問題ありませんでした。

横から見た車いす席にいる柴田さん

正面から見た車いす席にいる柴田さん

椅子の後ろについている車いす固定ベルト

車椅子3台乗ると少し通路は狭くなるかもしれませんが、調査の日は自分だけだったのでこれまでになく快適に過ごすことができました。コンセントも各座席にあり、人工呼吸器の電源確保もできます。窓も大きくなって車椅子の高さでも瀬戸内海を眺めことができした。

外のきれいな景色と電源コンセント

5号車には多目的トイレがありますが、大型の車椅子では入ることができませんでした。

車いすトイレのドアを開けた状態の写真

車いすトイレ内部の寸法図

今回はまだ8000系の新型と旧型が混合で走っているので詳しい時間は当日にならないとわからなかったですが、2027年度にはすべての8000系車両は新型に変わっていく予定です。

少し残念だったのが、車椅子1席は指定席になっているのにネット予約ができないこと、そしてみどりの窓口の電話がとても繋がりにくい事でした。今後は新幹線と同じようにネット予約ができたら良いと思います。

もう一つ、2014年から運行開始をしている8600系の調査もしてきました。

8600系に乗る柴田さん

この車両にも車椅子席が設けられていて、左側の縦2列、横1列分と右側の縦1列、横1列分の座席がなく、車椅子1席分のスペースがありました。左側部分は大型の車椅子でも入ることができ、リクライニングも倒すことができました。

車いす席

車いす席に座る柴田さん

車いす席の寸法図

この車両には、「空気ばね式車体傾斜」という方式でカーブにあわせて車体を傾斜させて揺れを軽減させることができます。乗ってみた感じも8000系よりかは揺れが少ないかなと思いました。窓も大きくて外が見やすかったです。

多目的トイレはまたもや大型の車椅子では入ることができませんでした。

多目的トイレのドアを開けた状態の写真

多目的トイレに入る柴田さん、奥行きが足りなくてドアが閉まらない

車いすトイレの寸法図
時刻表については、8600系は1種類しかないので前日でも教えてもらえます。

今回は往復で違う車両に乗りましたが、以前よりも快適に乗ることができることが分かりました。今まで全国の方にJRはお勧めしていませんでしたが、これだけ快適に乗れるのであればお勧めしていきたいと思います。

まだまだ改善点もあるので、これからも丁寧に要望していきたいと思います。

報告:CIL星空 柴田明寿・井谷重人


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