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韓国バリアフリーレポート① ソウル地下鉄 ほぼすべての駅で段差と隙間が解消されている!

2023年08月16日 バリアフリー

車両の中の車いすスペースに車いすユーザーが並んでいるところ

8月7-11日に韓国で「釜山世界障害者会議(BWDC2023)」が開催され、私も参加してきました。前回、韓国に行ったのは2007年でしたので16年ぶりだったのですが、ソウルや釜山の地下鉄のバリアフリー整備が劇的に進展しており、とっても驚きました。

もはや、東京の地下鉄は完全に負けています。素晴らしいなと思ったところを2回に分けて、ソウル地下鉄、KTX(韓国の新幹線)をレポートします。

ソウル地下鉄

私は5号線、1号線、2号線に乗りましたが、ほぼすべての駅にエレベーターとホームドアが設置されていました。特に感動したのは、ホームと車両との段差と隙間が解消されていることです。ホームドアの設置に併せてホームの段差解消工事もやったそうです。

乗降口のホーム全体が斜めに嵩上げされており、車両との段差と隙間が解消されていました。東京では解消されている駅は非常に少なく、特定の乗降口だけの部分嵩上げも多いので、ここは圧倒的に負けています。

ホームの様子
東京メトロ南北線や神戸のポートライナーのように天井まで完全に仕切られているホームドアです。

ホームの様子2
点字ブロックのあたりから右の乗降口に向かって少しスロープになっています。ホーム全体がこのように嵩上げされているので、車いすもどの乗降口からも単独乗降できます。

段差と隙間1

段差と隙間2

段差と隙間は非常に小さいです。車いすも携帯スロープなしで単独乗降できます。ホームが曲がっている駅では一部隙間が広いところがありましたが、殆どの駅で解消されていました。ここが東京の地下鉄に比べて圧倒的に優れているところです。

乗降口1
車両は、すべての車両には車いすスペースがなく、1編成に数か所でした。車いすスペースがある乗降口にはこのように車いすマークが床とホームドアに表示されていました。

車両内車いすスペース

車両の中の車いすスペースに3人の車いすユーザーが並んでいる様子

車両の中の車いすスペースは日本と同じようなつくりです。車いす2台が横向きに並べる広さです。(写真:左から佐藤、台湾のリンさん、パキスタンのシャフィックさん)

エレベーターサイン1
駅構内にはエレベーターのサインが掲示されていますが、●●mというように距離も一緒に書いてあり、これがとてもわかりやすかったです。

床サイン 床サイン
エレベーターがどこにあるか床にもサインが書いてあり、安心して進めることができました。

エレベータ― 地上のエレベーター外観

エレベーターのサイズは日本でいうと大体13-15人位の大きさで、手動車いすなら3台乗車できました。日本では11人乗りで頑張っても2台しか乗れないので、ここもソウルの勝ちです。

複数設置されているエレベーター
改札階から地上に出るエレベーターは複数設置されているところが結構ありました。この写真でいうと、手前右に1つあり、横断歩道を渡った道路の向こう側にもう1つエレベーターがあります。釜山の地下鉄はもっと進んでいて複数ルート確保された駅が90%だそうです。これも圧倒的に韓国の勝ちです!

地上のエレベーターサイン

エレベーターサインのアップ
地上から地下に降りる階段にはこのように車いすマークが貼っています。この横に地図があり、エレベーターがどこにあるか表示しているのです。エレベーターの場所がわからなくても、階段に行けばこの地図が貼ってあるので、どこにあるかすぐわかります。これは日本ではほとんどなくて、非常にありがたかったです。素晴らしい取り組み!

まとめ

ソウル地下鉄が東京の地下鉄に比べて素晴らしいのは、①ほぼすべての駅にホームドア設置、②ホーム全体の段差と隙間が解消されている、③エレベーターのサイズが大きく、複数設置、④案内表示の充実 です。

2007年に行ったときはエレベーターのない駅がほとんどでしたので、僅か10数年で劇的に進化していました。東京は一気に抜き去られ、いまや韓国の方がずっと優れています。

特にホームの段差と隙間の解消は、台湾の地下鉄、韓国の地下鉄で実現できており、日本が大きく負けているところです(大阪メトロや仙台地下鉄東西線はすばらしいですが)。

東京はバリアフリーな街になったと思っていましたが、韓国の方がいたるところで進んでいました。世界はどんどん進展しており、日本ももっともっと頑張って運動していかなければ!と感じました。

報告:佐藤 聡(事務局長)


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