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【参加報告】車椅子使用者用駐車施設等のあり方に関する検討に向けた意見交換会に参加しました

2021年03月15日 バリアフリー

障害者用駐車場

 3月11日に車椅子使用者用駐車施設等のあり方に関する検討に向けた国土交通省主催の意見交換会がオンラインで開催され、佐藤事務局長が参加しました。

 車椅子使用者用駐車施設等については、これまでもバリアフリー法や地方公共団体における独自の取組等により、駐車区画の整備や適正利用の推進がなされてきたところですが、現在多くの駐車場では車椅子使用者用の広いスペースに一般車両が駐車されているために利用できない問題が日常的に起きています。

 それらの問題を解決するため、駐車施設等の整備、適正利用のための制度、啓発等のハード・ソフト両面での取り組みを検討する会が立ち上がりました。参加者は学識経験者、当事者団体、事業者団体、地方公共団体等で構成され、事務局は国土交通省が務めています。

 今回の意見交換会では主に下記の内容について取り上げられました。

(1) 車椅子使用者用駐車施設等のあり方に関する検討について(案)

(2) 車椅子使用者用駐車施設等の設置基準等について

(3) 車椅子使用者用駐車施設等の適正利用について

DPIからは下記の4点を課題として要望しました。

①根本的な解決には罰則が必要

 車椅子ユーザーが運転する場合は、横に広さがないと乗り降りできない。そのために幅広の車椅子駐車スペースを設けてもらっているが、一般の人が駐めている。空いているから駐めてもいいだろうと考えていると思うが、あなたがそこに駐めたら私たちは駐めるところがないのですよ、他の駐車スペースが空いていても横が狭いからとめられないのですよ、というのがわかっていない。

 違反駐車を人々の意識だけで減らすのは限界があり期待できない。アメリカでは一般の駐車違反の罰則は75ドルだが、身体障害者用スペースへの不正駐車の罰則は500ドルだと聞いた。そのため、どんなに駐車場が混んでいても車椅子スペースはいつも空いている。素晴らしいと思う。日本も罰則を設けないと根本的な解決にはならないと思う。

②駐車スペースは複数化を

 車椅子スペースは施設の入り口の便利なところにあるが、車椅子の人は遠くても問題ない人もいる。歩くのが大変で近くに欲しい人と、遠くてもいいから横幅の広いスペースが必要な人と両方がいる。近い場所と離れた場所の複数個所に車椅子用の駐車スペースを設けて欲しい。

③パーキングパーミット制度の場合は車椅子スペースの増設も必要

 パーキングパーミット制度は対象者が増えるから、車椅子スペースの増設も合わせて必要。いまの基準のままでは足りなくなる。基準の見直しも必要ではないか。

④対象者を決めてマニュアル化する

 どういう人たちが停めて良い人たちなのか、対象を決めることが必要。共有するためのマニュアルが必要だと思う。

 その他の委員からは下記のような意見が出ていました。(一部抜粋)

事業者側からは下記のような意見が出ていました。(一部抜粋)

 また海外の事例として、アメリカでは高齢者、障害者への許可証を発行し、パトカーがショッピングセンター等を巡回して違反者には罰金を科していることや、韓国では一般市民が違反駐車をスマホ等で撮影して通報できる制度があり、違反者は罰金を支払わないと次回の免許更新ができなくなる、といったものが紹介されていました。これらはいずれも違反駐車が減ったという効果が見られるとの事で、私個人的にも罰則の必要性を感じました。

 今回の意見交換会では当事者側だけでなく事業者側の発言も多かったため、現状や課題もたくさん知ることが出来ました。今回は準備会というような位置づけで、次年度から本格的に検討会がスタートするということです。

報告:バリアフリー部会 工藤登志子

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