LEVC Japan TX(ロンドンタクシー)発表会に参加してきました
2020年01月14日 バリアフリー
2020年1月10日(金)、LEVC (London Electric Vehicle Company) Japanの新型車両であるTXの発表会に参加してきました。
この車両は通称ロンドンタクシーと呼ばれ、車両にスロープが装着されており車いすのままで乗車できます。車内には運転席の他に6人分の座席があり、車いすのままで乗車する場合は前列3人分の座席を折り畳む事でスペースを確保します。スロープは車両の床下から引き出すタイプで、耐荷重は250kgまでとなっています。
前モデルのTX4に比べて耐荷重が上がり、頑丈になったとのことです。また、TX4では地面から床面までの高さが37cmでしたが、新型車両は31.5cmと低床化したため、歩行者にとってもより乗りやすくなりました。
実際に私が普段使っている電動車いす(前後の長さ120cm、横幅62cm、地面から頭までの高さ120cm、体重や荷物も含めた車両の重さ200kg)で試乗させて頂いた感想は下記の通りです。
・スロープを引き出すだけなので乗り込む際の準備に時間がかからない。
・車内は広く、足元にスペースがあるため前向きに回転しやすい。
・窓が大きく、車いすの高さからでも外の景色が良く見える。天井がガラスになっているため空も見える。
・車いすを固定するベルトのアジャスターが大きめの作りになっており、運転手が作業しやすい。
・車いす一台の他に1〜2人が同乗できるため一緒に移動を楽しめる。
写真:海外製の電動車いすで前向き乗車している様子
写真:車内の様子。広々としており、運転手と助手席の後ろの足元にスペースがあり、車いすで回転しやすい。また、手すりなどに見やすい黄色が使われている。
写真:ドア側の座席を回転させ、座りながら乗り込む事ができる。スロープを畳むとステップになる
写真:荷台と助手席。助手席は座席としては使わず車いすを固定するベルト等が収納されている
ドア側の座席は外側に回転させる事ができ、先に座席に座ってから車内に乗り込む事が出来ます。その際、スロープは畳んでステップになります。
また、視覚障害の方でもわかりやすいように車内の手すり、座席、ドアなどに見やすい黄色が使われていたり、ドア付近に点字案内があった他、聴覚障害の方が音声を聞き取りやすくするのを助けるヒヤリングループのステッカーも貼られていて、誰にとっても使いやすい車両だと感じました。
LEVC Japanによると、この車両は2018年1月から生産を開始し、2019年12月の時点で3000台以上を生産済みとの事です。
今後はタクシー業界だけでなく、ホテルの送迎車やハイヤー、観光地での案内車として等、幅広い場面で活躍出来ると期待しているとの事でした。
私自身、今回試乗させて頂いてとても快適でした。また、LEVC社が組織として誰もが使いやすい車両を目指して開発されたというところがとても嬉しかったです。ぜひ今後乗れる機会がたくさん増えると良いなと思いました。
工藤 登志子(DPIバリアフリー部会、STEPえどがわ)