国交省「第9回移動等円滑化評価会議」が開催されました!~2021年度バリアフリー化の進展状況、当事者目線に立ったバリアフリー環境の課題等に関する中間的な整理案等~
2023年04月05日 バリアフリー
3月28日(火)に第9回移動等円滑化評価会議が開催されました。この会議は2018年のバリアフリー法改正で設置されたもので、障害当事者が評価を行う検討会です。半期に1回開かれており、今回は以下の5つの報告がありました。
- 移動等円滑化の進展状況について
- 移動等円滑化評価会議における主なご意見と国土交通省等の対応状況
- 当事者目線に立ったバリアフリー環境の課題等に関する中間的な整理案について
- ろう学校との共創による誰もが安心して利用できる駅を目指した取組
- その他
1.移動等円滑化の進展状況について
国交省は2025年までのバリアフリー整備目標を定め、毎年バリアフリーの整備状況を調べて公表しております。例年秋に公表されていたのですが、項目が増えたために今回は少し遅れて3月3日に公表されました。2021年度末(2022年3月時点)の報告です。
注目点は、今回から空港アクセスバスと、UDタクシー(約17%)の項目ができたことです。空港アクセスバスは長らく「移動等円滑化基準適用除外車両」としてバリアフリー化を免除されてきました。2020年のバリアフリー法改正で見直され、2021年から導入が始まりました。対象となる路線は、1日の利用者が2000人以上で鉄道路線のない空港です。約27空港が対象となっています。導入状況は約38%となっています。
UDタクシーは、全国平均約17%です。都道府県ごとに見ると、一番多いのは東京で50.2%、次は愛知で22.2%、10%を超えているのは13道府県のみと低調です。
鉄道は段差解消されているのは全国平均で51.6%。1日の利用客3千人以上の駅は95.4%、3千人未満は27.7%といずれも伸びておりますが、都市部と地方の格差は大きいです。ちなみに東京都は95.3%、大阪府84.7%、愛知県75.4%となっています。
詳細は以下の国交省のHPから見られます。
3.当事者目線に立ったバリアフリー環境の課題等に関する中間的な整理案について
国交省がこれから取り組むべき課題を整理しています。昨年、2駅ほど一緒に調査にまわりましたが、鉄道駅の課題を整理しています。今回は中間整理案でしたが、今年度取りまとめられる予定です。
4.ろう学校との共創による誰もが安心して利用できる駅を目指した取組
「エキマトペ」という、ろう学校、JR東日本、富士通、大日本印刷が協力してやったプロジェクトが紹介されました。ホームにモニターを設置して、電車がくる音を文字で案内するというものです。巣鴨駅と上野駅で実証実験がされてもう終わっているのですが、興味深い取り組みでした。
5.その他 公立小中学校等施設のバリアフリー化に関する取り組み(文科省)
その他には、国交省の最近の取り組みがいくつか報告されました。注目は2023年度にバリアフリートイレと車いす使用者駐車施設の最低基準の引き上げ(現在1以上)、劇場・観覧場等の車椅子席の義務基準を策定することが報告されました。
また、文科省からは学校のバリアフリー化の状況が報告されています。2022年度でバリアフリートイレは校舎で70.4%、屋内運動場で41.9%、エレベーターは校舎29%、屋内運動場70.5%となっています。
▽移動等円滑化評価会議の資料は国交省のHPからダウンロードできます(外部リンク)
報告:佐藤 聡(事務局長)
こんな記事も読まれています
現在位置:ホーム > 新着情報 > 国交省「第9回移動等円滑化評価会議」が開催されました!~2021年度バリアフリー化の進展状況、当事者目線に立ったバリアフリー環境の課題等に関する中間的な整理案等~