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第8回移動等円滑化評価会議 参加報告~当事者目線にたったバリアフリー評価指標のあり方の検討についてなどが議論されました~

2022年09月30日 バリアフリー

ビル群を下から見上げたイメージ

9月29日(木)、第8回移動等円滑化評価会議が開催され、佐藤事務局長が出席しました。今回も新型コロナウイルスの感染予防の観点から、オンライン形式で行われました。

移動等円滑化評価会議の概要

平成30年の改正バリアフリー法において、高齢者、障害者等の当事者等が参画する会議を設置し、定期的にバリアフリー化の進展状況を把握し評価することが定められました。これまでに書面開催も含めて7回開催されており、今回が8回目となります。

構成員は関係行政機関及び高齢者、障害者等、地方公共団体、施設設置管理者その他の関係者で構成されています。また、本省での評価会議の下に全国10の地方運輸局に「地域分科会」「特性に応じたテーマ別意見交換会」が設置されています。

過去の評価会議はこちら

▽新しい評価指標の取り組みが始まります!第7回移動等円滑化評価会議(国交省)報告

▽新しい評価指標の取り組み始まる!(第6回移動等円滑化評価会議)

▽第5回移動等円滑化評価会議 参加報告

▽第4回第4回移動等円滑化評価会議 参加報告

今回の議事

① 当事者目線にたったバリアフリー評価指標のあり方の検討について
② 移動等円滑化評価会議における主なご意見と国土交通省等の対応状況
③ その他

会議の冒頭、総合政策局長より挨拶があり、前回から新たな取り組みとして始まった「当事者目線にたったバリアフリー評価指標のあり方の検討」について説明があり、使いやすさ等の意見を当事者目線で検討することは重要で今後期待しているとの発言がありました。また、秋山座長からはそれらを評価した結果、新しく出た課題をどう進めるのか探っていきたいと話されていました。

①当事者目線にたったバリアフリー評価指標のあり方の検討について

この項目は、第7回の評価会議で委員から出た要望によって新たに始まった取り組みです。今年度は都内2か所の駅について5月と8月に障害当事者も参加して現地調査を行いました。そして、その結果としてトイレの複数化やエレベーターの大型化等、先進的な取組がされている箇所を優良事例として取りまとめました。また、委員からの意見として、以下の内容が紹介されていました。

委員からの主な意見(一部抜粋)

また、国交省から評価指標の位置付けとして、新たに以下の3点が示されました。

① 現行のバリアフリー基準やガイドラインの内容への反映

② 設計段階等における当事者参画のあり方等の検討

③ 基本方針に基づく次期バリアフリー整備目標への反映

バリアフリー基準への反映や当事者参画を進めることは非常に重要なので、ぜひ実現してほしいと思います。

今後の課題として、佐藤事務局長は「当事者目線に立ったバリアフリー評価指標は非常に重要。オリパラで基準はできたがまだまだ足りない。今後、駅の改修の際など評価会議メンバーが視察、評価を行う取り組みをモデル事業として全国に広めて欲しい。すぐには難しいと思うが、雪など地域ごとの特徴も踏まえて各地の課題に取り組んで欲しい。」と要望していました。

他の委員からは、下記のような意見が出ていました。(一部抜粋)

これらの意見に対して、関係省庁からは全て重要な意見と話し、今後どのように進めていくか相談しながら検討したいとの前向きな返答がありました。また、「当事者参画については早い段階から参画して進めることは重要で、当事者や事業者の声を集めるプロセス自体が大事。施設が出来た後のチェックよりも設計段階からの指標がより望ましい。」と話されていて、前向きな意見交換の場となりました。

②移動等円滑化評価会議における主なご意見と国土交通省等の対応状況、③その他

これまでの評価会議で委員から出た意見への返答と国交省等での対応状況をまとめた資料の説明があり、その後に委員からの質問や意見交換が行われました。佐藤事務局長からは、「各鉄道事業者で鉄道駅のバリアフリー料金制度が始まり期待している。それに合わせて段差と隙間の解消、トイレの複数化、バリアフリールートの複数化などの基準を今後検討していって欲しい。

また、評価会議を地方分科会のメンバーが傍聴したいと言っている。次回以降傍聴できるように検討して欲しい。」と要望しました。これを受けて国交省の田中課長より、次回以降の評価会議は傍聴できるように検討するとの前向きな返答がありました。

他の委員から出た主な意見は下記の通りです。(一部抜粋)

会議を傍聴した感想

今回の評価会議では、過去の評価会議で出た意見がきっかけで始まった新しい取り組みが紹介されるなど、評価会議を複数回継続開催したことによる成果が見られました。

また、委員からの問題提起は地方部の整備が遅れていることへの指摘や無人化に伴うウェブ対応へのアクセスのしやすさ等、これまでの継続課題に加えて新たに出てきた課題に関するものが多かったのが印象的でした。

それぞれの課題を管轄する関係省庁も多岐にわたり、省庁の垣根を超えた連携が必要だと感じました。

本会議の資料や議事録は後日国交省のウェブページにて公開される予定です。

報告: 工藤登志子(バリアフリー部会長補佐)


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