【報告】参議院国民生活・経済及び地方に関する調査会で佐藤事務局長が参考人として出席しました
2024年04月24日 バリアフリー
4月17日(水)に開催された「参議院国民生活・経済及び地方に関する調査会」に佐藤事務局長が参考人として呼ばれ、発言をしました。
調査会に随行した、つくば自立生活センターほにゃら(DPI加盟団体)の生井祐介さんが報告を書いてくれましたので、ご紹介します。
「誰もが取り残されず希望が持てる社会の構築」のうち、社会経済、地方及び国民生活に必要な施策(障がい者・ユニバーサルデザイン・地域交通への対応)について、専門家から意見を聞くということで開催されました。
参考人として呼ばれたのは、聴覚に障害のある伊藤芳浩さん(DPI特別常任委員・NPO法人インフォメーションギャップバスター理事長)、公共交通が専門の中川大先生(京都大学名誉教授)そして、バリアフリー・ユニバーサルデザインについて、佐藤さんが報告をしました。
まず20分ほど、佐藤さんからバリアフリー・ユニバーサルデザインの進展した点・進展していない点についてパワーポイントを使って説明がありました。
■進展した点
- 新幹線や特急の車いす席スペースの拡大
- 当事者参画によるユニバーサルデザインで建設した国立競技場について
■進展していない点
- 小規模店舗の入口の段差や店内の席が固定されていることによって車いすが入れない
- 劇場などでは車いす席が端にあり健常者のように十分に楽しめない
- スタジアムなどで車いす席が見やすい位置にあっても手すりの位置やサイトラインの確保が不十分なため視界が遮られる
- 電車で車両とホームに隙間があり駅員によるスロープ介助が必要な駅が、まだ数多くある
その後、佐藤さんに対して議員からの下記のような質問がありました。
Q.都市部と地方部の公共交通機関の格差の原因と対策についてご意見をいただきたい。
A.鉄道駅バリアフリー料金制度が始まり、地方の公共交通機関にも国からの補助金がより回るようになったので、今後に期待している。
Q.ライドシェアでは合理的配慮が提供されないのではないかと思い反対しているが、佐藤さんのライドシェアについての意見があれば教えて欲しい。
A.海外の状況を調べたところ、アメリカではライドシェアを行う事業者は、エリアごとに台数を決めてバリアフリーの車両を配置して運用している。日本でもそのように方策を決めて運用するのが良いのではないかと思う。
Q.美術館、博物館でのバリアフリーについて、どう感じているか?
A.公的な美術館・博物館はバリアフリーが進んでいるが、民間のものは、エレベーターやスロープがなく2階にあがれないところがある。一般的に、人気の展覧会のときは見学の人が多く遮られてしまい鑑賞できないことがあるので、車いすでも鑑賞しやすいルートや場所を作ってもらう必要があると思う。
Q.都市部のように資金がない地方の公共交通機関では、どのようにバリアフリー化を進めていけば良いか?
A.無人駅でもホームまで車いすで行けるようにバリアフリー化しておけば、車両にスロープを積んで運転手がスロープで車いすの乗降介助を行えば利用できる。お金をかけなくてもできるものはある。そんな工夫を考えて欲しい。
Q.小規模店舗のバリアフリーを推進するためのアイディアを教えて欲しい。
A.アメリカやコスタリカでは、法律で小規模店舗もバリアフリーを義務化している。日本も法律で義務化するのが良いが、事業者の負担を少なくするために、新築の時にバリアフリーにするような法律にして欲しい。
佐藤さんが報告した内容のみならずその議員が普段、疑問に思っていることなど質問は多岐にわたり、それを佐藤さんが事例を交えて丁寧に回答していました。
私は、今回初めて随行者として調査会に参加させていただきましたが、議事録作成のために、発言時には挙手をして会長から指名を受けてから発言するというルールがあることを初めて知りました。
またこの調査会は参議院独自の仕組みで、ここから議員立法、決議、政策提言などに展開していくそうなので、この場で、バリアフリー・ユニバーサルデザインについて議員に話を聞いてもらえたのは、今後の障害者運動を展開していく上で重要だと思いました。
この調査会の様子は、参議院のホームページから動画で視聴することができます。ぜひ、そちらもご覧ください。
報告:生井祐介(つくば自立生活センターほにゃら)
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