5月30日(木)第12回バリアフリー法及び関連施策のあり方検討会が開かれました! ~バリアフリー法の見直し、第4次基本方針についての議論が始まります~
2024年06月04日 バリアフリー
5月30日(木)に第12回バリアフリー法及び関連施策のあり方検討会が開かれました。
2020年に改正されたバリアフリー法も来年で5年が経過し、バリアフリー整備目標を定めた第3次基本方針も2025年で終了します。
この検討会は法の運用状況と第4次基本方針について議論するために設けられました。来年の夏にかけて4回開かれる予定で、非常に重要な検討会となります
構成員:学識経験者9人、障害者団体等18人、事業者団体等15人
主要課題と主な論点
- これまで当事者や有識者から頂いた意見のうち、(ⅰ)現在の社会経済情勢の変化に対応が必要なもの、(ⅱ)整備目標の進展が芳しくないもの、(ⅲ)当事者からのニーズが高いもの(数多くの意見を頂いたもの)に着目し、主要課題・論点を抽出
- これらのうち、内容に親和性があり併せて検討することが望ましいものについては同一の課題として分類
- これらの抽出・分類の結果、以下のとおり、3つの主要課題を整理するとともに、各課題について主な論点(案)を整理
主要課題①:地域特性を踏まえたバリアフリーまちづくりのあり方
主要課題②:心のバリアフリー・目に見えない障害への対応の更なる推進のあり方
主要課題③:バリアフリー分野のICT活用・当事者参画の更なる推進のあり方
検討の進め方
- 意見交換を円滑かつ効果的に進めるため、①障害当事者、②自治体及び事業者、③有識者の3者より個別にご意見等を伺うこととしてはどうか
- 次回の10月までに、当事者パート、自治体・事業者パート、有識者パートの3グループに分かれて話し合う
スケジュール
4回開催予定で、来年の8月くらいに最終取りまとめの予定です。(第12回 5/30(木)論点提示、第13回 10月、各項目への検討の方向性、第14回 3月、中間取りまとめ案、第15回 5月、最終取りまとめ案)
検討会での主な意見
- 社会的障壁の除去という考えで環境整備とICTどうするか考えてほしい。
- 盲導犬の受け入れ拒否がなくならない。事業者は周知していると言うが、どういう風に周知されているのか教えてほしい。
- 地方の小型店舗のバリアフリー整備を国としてすすめてほしい。
- 車いす使用者駐車施設(3.5m幅)は車いす使用者のみとしてもらったが、望ましいだけで拘束力ない。具体的な検討会も開いていただきたい。
- 障害者権利条約の考えに立ち返ることを意識して議論を進めてほしい。
- 学校のバリアフリーや高速バスのバリアフリー化を進めてほしい。
- 法律の名称は、移動等円滑化となっているが、移動上及び施設の利用上となっているので、両方重要。施設利用の重要性が見えにくくなっている。
- 差別解消法で合理的配慮の提供義務化された。これを前提として議論を進めることが前提。心のバリアフリーという名称は有効ではないのではないか。権利の保障の観点から理解するのが大事。
- デフリンピックに向けて世界から来る障害者が安心できるバリアフリー整備を進めてほしい。
- みどりの窓口が減っている。障害者割引は自販機では購入できない。
- ICTは苦手な人にもわかりやすく。
- インクルーシブ教育が大事。
- 空港でのバリアフリーチェックは情報の共有が大切。いつも待たされる。チェックインカウンターと保安検査場での情報共有が大事。
- UDタクシーの新たに設けられた準1の基準だと天井が低い。電動車椅子が乗れないことがある。電動車いすが乗れない車両が増えてしまうのではないか。
- 建物の中のバリアフリー化はどう進めるのか。
DPIからの意見
①基本方針の項目の見直しが必要
たとえば、飛行機や空港等は、殆どの項目が100%近く整備されている。しかし、実際に利用する上で問題がないかと言うと、バッテリーチェックに長時間かかるなど、決して利用しやすいとは言えない。
2年前に隅田川の遊覧船「ホタルナ」に乗ったが、車いすでは船のメインとなる前方のスペースと展望デッキは行けず、船の後ろ部分しかいけなかった。点数をつけると30点くらい。
これでもバリアフリー化されたと判断されている。基準(指標)が間違っている。100%達成と言われても、実態は大きく及ばない。基準見直しが必要。
②学校のバリアフリー
2020年の法改正で公立小中学校のバリアフリーが義務化された。文科省では5年間の計画を作ってくれたが、進捗状況はあまりよくない。学校のバリアフリーに関してはどのように検討を進めていくのか。この検討会の元に学校のバリアフリーについての分科会のようなものを置いて検討してほしい。
③その他
主要課題の進め方はグループに分けて議論するのは賛成。障害当事者のWGは、1つではなく、ニーズごとに分けたほうがいい。また、広範囲にわたって意見があるので、文章でも提出できるようにしてほしい。
冒頭で榊総合政策局長の挨拶で、「当事者、関係者の意見を政策に反映し、スパイラルアップ重要が考えている。みなさまの声を丁寧に聞いてさらなるバリアフリー化に取り組みたい」という前向きな発言がありました。
さらなるバリアフリー化を推進するために、障害当事者の意見を丁寧に聞いて、施策に反映してほしいと思います。
▽第12回「バリアフリー法及び関連施策のあり方に関する検討会」当日資料のダウンロード(PDF)
報告:佐藤 聡(事務局長)
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