南アフリカ共和国に行ってきました!Vol.3
2018年06月18日 国際協力/海外活動
南アフリカ共和国に行ってきました!Vol.3です!
過去の報告はこちらご覧下さい!(Vol.1、Vol.2)
5月10日(木)
この日は今回の南アフリカ訪問のハイライト!盛りだくさんな一日でした。
午前中は、ソウェト自立生活センターにおいて、ハウテン州社会開発州大臣のコザさんをはじめ自立生活センターのメンバーやJICA関係者、駐南ア日本大使館関係者、多くのハウテン州の関係行政官の参席のもと、日本からのリフトカー贈呈イベントが行われましたリフトカーは東京の世田谷にある「NPO法人世田谷ミニキャブ区民の会」さまから譲っていただいたものです。
コザ州大臣と平野議長が軽く朝食をとりながら歓談するところから始まり(ホテルの朝食を食べ過ぎて私たちはルイボスティーだけでした(笑))、10時から地元のテレビ局や新聞社に対して、コザ州大臣と平野議長によるマスコミ向けのメディア・ブリーフィングが行われました。
まず、州大臣から、DPIやJICAとの事業にふれ謝意を示すとともに、「障害者にとって公共交通へのアクセスは自立と地域への完全参画のキーとなります。これは障害と共に生きる人たちに値すべき尊厳を保障し、ハウテン州政府として、私たちがハウテン州の人々の生活の質のこの肯定的な変化の一部になれることをとてもうれしく思っています」とスピーチを行いました。
続いてDPIの平野議長は「このリフトカーはソウェトに新しい風を吹かせるでしょう」と冒頭で述べ、事業の進展とこうした自立生活やアクセシビリティの確保がハウテン州全体に、さらには南アフリカ全体に広がることに期待を述べました。
そして最後に日本の障害者団体が行っている障害者権利条約推進キャンペーンであるイエローリボンキャンペーンを紹介し、南アフリカの障害者ともいっしょになって平等な社会を作りましょう、とメッセージを終えました。その後、マスコミとの質疑を終えてリフトカーの贈呈を行いました。宮本氏がリフトカーの設備等について説明をし、ソウェト自立生活センターのメンバーが試乗しました。
写真:10日午前①。メディアブリーフィングが始まる前のブレイク。我が議長とハウテン州州大臣(民族衣装を着ている方))
写真:10日午前②。メディアブリーフィングで、平野議長とハウテン州大臣の会見
写真:10日午前②メディアブリーフィングで平野議長がメッセージを。
写真:10日午前③平野議長、盛上さん、JICA東京の服部さんで記念撮影
写真:10日午前③。ブリーフィングが終わって記者会見の様子①
写真:10日午前③。記者会見無事に終えて。平野議長の後ろに崔議長補佐。
写真:10日午前④。リフトカーの引き渡し。集副大臣などに宮本さんがブリーフィング。
写真:10日午前④。日本からのリフトカーと州大臣。
写真:10日午前⑤の車両の引き渡しが終わり、ソウェトのメンバーと。
午後は、ヨハネスブルグ最高級のホテルの一つであるサニーサイドパークホテルに移り、昼食をとった後、ハウテン州の社会開発局、住宅局、道路交通局の課長さんたちやDPI日本会議のメンバー、JICAのメンバーと3時間ほどテクニカルミーティングを行いました。DPIからは宮本氏がプレゼンテーションを行いました。
写真:10日⑤午後。宮本さんのプレゼンテーション。
夜は、EMOYENI Conferenceという歴史的な建物で住州大臣主催のパーティにおよばれしました。ハウテン州知事も当初はいらっしゃる予定でしたが急用で来られませんでした。ハウテン州の関係者以外にJICA南アフリカ事務所の関所長もいらっしゃいました。ハウテン州の関係者との仕事はこの日で終わり。「お疲れさま~」ということで、課長さんたちと南アフリカ料理とワイン飲んで楽しんだのは言うまでもない(私は(笑))。宮本一家も総出で参加しました!
5月11日(金)
この日は午前中はJICA南アフリカ事務所への最終報告の準備を行い、午後は首都プレトリアのJICA南ア事務所にて報告を行いました。中間年ということで質疑等を行いました。ムジ氏の逝去、インフラ整備の遅れなどの様々な外部要因、突発的な困難を抱えながらも、これだけの進展を見せているということで、順調に事業が進展しているという評価ができるのではないか、ということでまとまりました。
5月12日(土)
この日はオフ。最後の夜の日です。ハウテン州の障害者担当部署の副課長のマリスカさんのご自宅にプライベートでお招きいただきました。議長と盛上さんはエンジョイしていました(某氏は体調を崩してホテルでお休み)。そのあとは、宮本邸で最後の?晩餐。南アフリカ風のバーベキュー+タイ料理バーティ!宮本さん、タムさん、何から何まで本当にお疲れさまでした!
【まとめ】
さて、今回の南ア訪問、第2フェーズの進捗状況以外にも次(第3フェーズ?)を見据えることができたという点で成果が大きかったのではないかと思います。
障害者権利条約第19条が規定する障害者が自立生活をしながら地域社会に完全参加する権利の実現というのは、障害当事者のエンパワメント、介助制度づくり、アクセシビリティの確保だけでなく、その地域において、障害のない人と平等な選択の確保を行いながら、障害者が住むことができる住宅の確保、障害の有る人も含めたみんなが通える学校づくり、障害者が働ける仕事の開発や職場づくり、などの包括的な地域づくりが必要になってきます。
第1フェーズが自立生活センターを作り介助制度を定着させること、第2フェーズがアクセシビリティへのとりくみ、であれば、第3フェーズはこれまでの取り組みをさらに進めながら障害のない人と共に育ちクラス地域社会づくりということで教育や雇用などについての取り組みが求められるかなと思いました。
日本でいえば東京都に当たるハウテン州とDPI日本会議、JICAが相互の連携を強化しながら事業がここまで進んできたのは、現地のメンバーの努力に負うところが大変大きいというのも率直に感じました(宮本さん、タムさん、本当にお疲れさま)。DPI日本会議のこうした取り組みがいわゆる発展途上国の障害者の自立に大きな力になっていることを広く社会にさらに伝えたいと思いました。
ソウェトで、中途で障害者になって5年前までは家の中に引きこもっていた方が、自立生活センターができて介助者をつけて活動するようになって、見違えるように生き生きと生活している姿を実際に見ると、この事業の意義は計り知れないものがあるなと思いました。ここまで来たら第3フェーズは大展開かな(笑)(記事を書いた者の私見です。DPI日本会議の公式見解ではありません(笑))。
以上です。