アメリカ報告第十一弾☆REACH!
2017年08月07日 国際協力/海外活動
こんばんは、DPI笠柳です。テキサス報告第3弾です。
昨日は「REACH」という自立生活センターを訪問してきました。今回の訪問については、NCILの役員でもあるREACHのジュリーさんに多大なご協力をいただきました。
▽REACHホームページ
午前中に「相模原障害者施設殺傷事件」の犠牲者の方に対する追悼セレモニーを、REACHの皆さんのご協力のもと行いました。ジュリーさんから「19名の命が忘れられないように、たたえられるように」と温かい言葉を頂いて、皆さんと「19の軌跡 英語ver」を一緒に歌いました。事件が風化されないようアメリカでもこうしたセレモニーを開いてくださったことにとても感動しました。
日本メンバーを代表して、ほにゃらの斉藤さんからは「大変感謝します。この事件を風化させてはいけない、障害を持っていても生きていていいんだと社会にこれからもアピールをしていく」とお伝えしました。19の軌跡の演奏はJILの冨川さん(通称トミー)のギターの生演奏でした。(トミー素敵でした!)。
▽19の軌跡 英語version(youtube)
午後はREACHの活動や、テキサスのCILの実状などについて、お話を伺いました。アメリカのCILの活動については、法律でやらなくてはいけない事がきちんと明記されているそうです。
1つ目は情報提供(車いすや運転するためのハンドコントロールなど機器の情報提供。必要であれば他の機関の紹介。地域での講演など)
2つ目はピアカウンセリングやピアサポート
3つ目はILP(自立生活プログラム)の提供、ワークショップは幅広く様々な種類がある。
4つ目はアドボカシー。様々な相談に応じる。環境についても話し合う。例えば企業に車いす用の駐車場がなかった場合、マネージャーと交渉して話し合う・・・等
印象的だったお話として「障害者になるととたんに何もできない人という扱いになることが多く、自分でもそう思ってしまう。まず人として障害を負う前、負わない前と自分は変わらないという理解をすることが大切。障害に誇りを持って生きていくことが大切。そして、自分の人生を主体的に生きるという覚悟をすること。私たちがあなたたちの人生をコントロールするのではなく、自分の人生を自分でコントロールするという事を理解すること」というお話で、この言葉を自分自身に刻むとともに、アメリカでも障害を持つと、日本と同じように何もできない人というレッテルを張られてしまうのかと小さな驚きがありました。
日本のCILとテキサスのCILで大きく違うところは、テキサスCILは介助派遣の事業は行っていないので、国又は州からの補助金が収入の大半で、そのお金で運営している所です。なぜ介助派遣事業を行わないのかと質問をしたところ、先日の報告にも書きましたが、テキサスの介助者の給料は1時間8ドルと全米2番目に低いため、介助派遣をしても収益にはならず、遠方だと交通費もかかってくるので、当事者が近くで介助者を探すか、家族にお願いをするか、また民間の人材紹介会社のようなところで介助者を探してくるのが実情だということでした。
また国、州からの補助金の弊害として、勤務時間中に決められた活動以外ができないので、運動に関わることがあまりできなくなるとのことでした。
先週、ワシントンでメディケイドの削減などに反対するマーチに参加をしましたが、予算削減の余波は、テキサスのCILにも大きな影響を及ぼしていて、国、州の予算をカットされると、補助金でセンターを運営しているCILの存続自体が難しくなるとのことでした。改めてアメリカの苦しい実情を痛感しました。
今日はREACHのスタッフの皆さんにテキサスのダラス市内を案内してもらって、観光してきました。ものすごい暑さで相変わらず、外に出ればオーブン、中に入れば冷蔵庫でしたが(笑)、おかげでダラスを満喫することができました。(観光は、ダラス世界水族館、ジョン・F・ケネディーが暗殺された場所などに連れて行ってもらいました)
以上でアメリカからの報告は終了となります。
色々な場所へ行って、色々な人に出会って、色々な話を聞いて、本当に内容の濃いアメリカツアーでした。今回のADAツアーへ温かいご寄付を下さった方々、Tシャツを購入してくださった方々、その他様々なご支援を頂いた方々へ、改めて御礼申し上げます。帰国後に報告会をまた行いますので、詳細が決まりましたら、またこちらでお知らせします。
ありがとうございました!!