SDGs自発的国家レビュー(VNR)に向けたステークホルダー会議に参加:障害者の声をSDGsに反映させるために
2025年04月09日 国際/海外活動
2025年3月21日、外務省講堂とオンラインのハイブリッド形式で、「持続可能な開発目標(SDGs)に関する自発的国家レビュー(Voluntary National Review:VNR)実施に向けたステークホルダー会議」が開催され、DPI日本会議からは堀場、光岡が対面にて参加しました。VNRは世界各国がSDGsの進捗状況に関する自主的報告を行う定期的なレビューで、自国がSDGs実施における進捗状況を確認し、報告するものです。
日本は今年7月に開催される持続可能な開発のための国連ハイレベル政治フォーラム(HLPF)において、4年ぶり3回目のVNRを報告する予定です。このVNR実施に向け、市民社会や有識者、民間企業、政府職員等の関係者が集まるSDGs推進円卓会議を中心とした関係者、約150名(オンライン含む)が参加しました。
会議は全体会と分科会の2部構成で、全体会ではSDGs 推進本部事務局とSDGs 推進円卓会議民間構成員から政府が作成したVNR報告書案について説明が行われ、その後、SDGs実施指針において定めた5つの重点事項、①持続可能な経済・社会システムの構築、②「誰一人取り残さない」包摂社会の実現、③地球規模課題への取組強化、④国際社会との連携・協働/平和の持続と持続可能な開発の一体的推進に分かれて、VNR報告書案の内容をはじめ、日本の貢献のあり方、国内外での発信の仕方や、SDGs達成に向けた取組をいかに進展させていくかについて意見交換が行われました。
私たちは②「誰一人取り残さない」包摂社会の実現の分科会に参加しました。VNR報告書案では障害分野についての言及が少なく、「障害者基本計画」の策定による、共生社会の実現や障害者の社会参加、東京オリンピック・パラリンピックを契機としたバリアフリー化の進展といった内容でした。これについて、バリアフリー推進については、都心と地方とのギャップ、UDタクシーなどの乗車拒否といった問題があること、障害者差別の相談窓口が内閣府に設置されたが、運用面においてさらなる拡充が必要であること、インクルーシブ教育の推進は不十分であることなど、権利条約総括所見で指摘されている点について発言しました。
またジェンダーや教育、就労、情報アクセシビリティなど、横断的な分野に渡って障害者の声が反映されるべきであり、障害者の自己決定に基づく地域での自立生活を含め、障害者を取り残さないことが、SDGsの目指す「すべての人々の人権を尊重すること」につながることを強調しました。
今後、3月19日から4月18日の間、VNRに対するパブリック・コメントの募集を経て、VNR報告書が完成されます。ぜひ、みなさんもSDGsの最終年である2030年に向けて、障害分野からの意見を発出し、動向にもご注目ください。
▽参考:SDGsに関する自発的国家レビュー(VNR)報告書案(PDF)
報告:光岡芳宏(DPI日本会議国際協力部会、ヒューマンケア協会)
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