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DPIの平和メッセージを通して、8月は平和について考えましょう

2022年08月05日 国際協力/海外活動

原爆ドームの前を通る障害当事者ら

8月は平和について考える時です。

8月6日は広島に、8月9日は長崎に原爆が投下された「原爆の日」、8月15日は日本が敗戦した「終戦記念日」です。

DPI世界評議員が1982年6月に東京で評議会が開かれたのを機に、広島を訪れ、原爆資料館を見学し、平和宣言を行いました。

また1985年にバハマで開催された第2回DPI世界会議には、広島の被爆者の語り部として平和の大切さを訴え続けた沼田鈴子さんにも参加していただき、壇上から障害者と戦争について考える機会をつくりました。

平和メッセージの草案は、自らも南アフリカでアパルトヘイト反対運動を行い投獄までされた障害学の権威であり、第一期の世界評議員ビック・フィンケルステインが草案を担当した格調高いものです。


平和メッセージ

DPI(障害者インターナショナル)

1982年6月 広島にて

世界中の障害者は、最も深い個人的な経験を通して、生命と身体を死と破壊の雲でおおう戦争のおそろしさを知っています。一国の人びとを破滅に追いやり、永久に消えることのない悲劇の傷跡を人間の脳裏に焼きつけ、子供たちの夢と希望を打ち砕き傷つける現代の兵器の威力を、この広島平和記念公園ほど雄弁に物語る場所はありません。

この地球上に存在する5億の障害者は、絶対的な生命の尊厳の獲得を切に望んでいます。戦争が引き起こす障害の発生と生命の終焉は、ぜひとも避けなければなりません。しかしながら、戦争の危険はますます加速度を増しています。

人類は、 自らのオ能を自らのニーズを満たすために使用することから、 より多くの狂暴な破壊手段を開発することに向けています。

幾世代にもわたってつちかわれてきた、人間のあらゆるオ能をふりしぼって生まれた人類労働力の産物が、人類にとって、 まったく無益な兵器の大量生産に使われています。

個人相互の協力と人類の組織力が、人間の破壊を唯―の目的とする、巨大な軍産複合体の設立に浪費されています。

このような悲惨がいつまで続くのでしょうか。

私たちは、全世界の障害者を代表して、この広島において、軍備競争に対し断固として非難の意を表明します。

私たちは、世界的な軍縮運動の最前線に立ち、他の人びとともに手をたずさえて、正しい立場を獲得していくこと決意します。

障害者インターナショナルは、以下のことを表明します。

*私たち皆が、平和を求める世界的な運動に加わりましょう。

*全世界の経済が、現在の戦争経済から平和経済へと転換されるよう、各国政府に要請しましょう。

*現在戦争に注ぎ込まれている6000億ドルを、社会的に有益な計画に転換するよう主張しましょう。

*荒廃をもたらす力を内蔵するこの危険な時代にあって、世界の指導者が、人類の資源と生産性と才能の活用方法を、兵器の生産から、生きるための手段を生みたすように変えるための大事業に取り組むことを要求しましょう。

障害者インターナショナルは、「世界平和請願書」を、すべての国連加盟国に送付し署名を求めることによって、 この平和運動の推進をすべての人びとに訴えます。

中西由起子(副議長)


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