JICAアフリカ障害者リーダー研修2018レポート【タイ中編】
2018年08月28日 国際協力/海外活動
JICA「アフリカ地域 障害者のエンパワメントを通じた自立生活促進」研修(通称、アフリカ障害者リーダー研修)の一環として、タイ、バンコクにあるDPIアジア・太平洋ブロック(DPI-AP)の協力の元、行われた最後の一週間のプログラムの概要を前・中・後編の3回に分けてお伝えしています。中編は、7/22の街中アクセス(バリアフリー)チェックと7/23の講義の模様です。
7月22日(日)はアクセスチェックの日、王宮と交通機関がどの程度バリアフリーかを体験しに出かけました。前日に、明日は王宮(寺院)に行くので服装は手足を出し過ぎないように、ノースリーブと短パンはだめですと現地のスタッフから注意がありました。
まず、ワットプラケオ(王宮)訪問です。話術のたくみなガイドさんが英語で王宮の建物やエメラルド仏など仏像の由来を説明してくれました。建物のほとんどが階段のあるテラスに囲まれている形のため、車いす利用の研修員は残念ながら段差のため内部に入ることはできませんでしたが、研修員は皆、黄金に輝く建物や仏像などの記念写真をたくさん撮っていました。
午後は2004年に開通した地下鉄MRTを訪問し、説明を受けながら実際に移動しました。地下鉄への乗車は段差がなくスムースに行えましたが、車イス用トイレが手動であるなど、課題があることが伺えました。
その後、1999年に開通した高架鉄道スカイトレイン(BTS)に試乗、途中、土砂降りの雨に降られました。スカイトレイン駅には四方に路上からの階段があり、歩行者は利用できますが、車いす利用者が利用できるエレベータがたいていの駅に1か所にしかないため、道路を横断しなければスカイトレインを利用することができず、大きな課題だと聞きました。
翌日はホテルで一日講義を受けました。保健省の担当から障害者施策の概要、タイでの交通バリアフリーの活動をしている「アクセシビリティは自由(Accessibility Is Freedom)(タイ語)」のサバさんからバンコクにおける交通アクセシビリティーの発展と現状、一昨日訪問したノンタブリCILの所長からタイにおける自立生活センターの歴史について話を聞きました。
タイでは雇用サポートを受ける障害者と活動サポートを受ける障害者という形で施策が二分化されており、前者は雇用促進法の対象となり、後者はには障害年金が支払われているそうです。各種サービスを受けるためには障害者カードを入手する必要があるが、山岳部に住んでいるため国籍がない人などは障害者カードも持てず、雇用・福祉サービスから排除されているという問題があると聞きました。
【タイ後編】へつづく。