C7サミットにDPIヨーロッパ議長のジャンルーク・サイモンが参加しました!
2023年05月19日 国際協力/海外活動
本日から広島でG7サミットが開かれていますが、これに先立ち4月にC7サミットというのが開かれました。これは市民社会の会議で、ジェンダー平等、気候と環境、教育、保健、食料安全保障、農業、栄養、平和と安全、開発のための資金調達、税の公正など、さまざまな側面から不平等との闘いについて議論し、各国首脳に提言を表明するものです。
背景
Civil7(C7)はG7加盟国に拠点を置く市民社会組織および国際連帯のアクターが集まったエンゲージメント・グループです。市民社会組織は、幅広い国際ネットワークと交流を通じて、批判的かつ建設的な方法でG7議長国と連携し、そのプロセスに市民社会の立場を統合するために、十分な準備を行ってきました。
2022年11月27日、日本のG7市民社会コアリションの運営委員である中西由起子氏から指名を受けたDPIヨーロッパ議長である私、ジャン・ルーク・サイモンが、ドイツと日本の市民社会の調整役および他のステークホルダーによって形成されたC7運営委員会に参加しました。前もって5回のビデオ会議を行い、その後の4月11日から18日に、C7幹事会のメンバーたちと、東京および広島で会合を行っています。
この市民社会の代表者たちとのワーキング・セッションでは、市民社会のアクターがその運営と活動の中で、国連障害者権利条約(CRPD)の体系的な実施に関与していくためには多くの作業が必要であることを明らかにしていきました。
C7の活動にDPIが参加することで、そのリーダーたちの意識にCRPDを刻み込もうとした一方で、すべての人権への差別のないアクセスという要望を共有する、女性および少女、先住民、LGBTQの人々などの社会グループの代表者たちとの連帯を打ち立てるという要請を行いました。
DPIとそのメンバーは、市民社会の代表者たちとのこのような協議を通じて、道を切り開いて来たのです。
どのように関与したか
私が最初に取り組んだことは、C7の歴史と機能を明確に理解することでした。これまでG7とG20のサミットに関するグローバルな市民の調整の輪の中に、障害者の権利を代表した立場で参加した経験がなかったため、理解には手間がかかりました。
政治のリーダーたちに言うべきことや話し方を理解した次に取り組んだことは、市民社会組織の体制と事業活動が完全にインクルーシブになるように働きかけるための最善の方法を見つけることでした。
これはグローバルとローカルの両方のレベルで、インパクト分析を伴って、同時に取り組まなければならないプロセスでした。
C7コミュニケに記されているのと同様に、G7リーダー・コミュニケの最終版おいて、「ジェンダー、収入、年齢、エスニシティ、障害」の構造的な不公平による被害と、戦争および強制的な移住によって「著しい影響」を受ける脆弱なグループの中に、障害者を含めさせるようにしました。
2022年におけるもっとも注目すべき取り組みは、9月2日、G7とともに開催されたG7グローバル・インクルージョン・サミットに国際障害同盟(IDA)が障害者問題の代表として出席し、その声を上げたことでした。
IDAの出席は、はっきりとした形でC7には伝わっていませんでした。この歴史的な出来事は、市民社会でのあらゆるレベルでの調整に、障害のある専門家が参加する動機付けとその参加への支援につながるように、簡潔な報告にまとめられる必要があります。
成果
C7の使命と活動への明確な理解を欠いたままグループのメンバーとなったため、2022年12月から2023年4月までに行われた最初の4回のビデオ会議では、ついていくのが少し難しかったです。
また、航空券の予約とアクセシブルな宿泊先の確保がどうなるのか、不透明でした。特別なニーズのある人々への対応について日本のC7事務局の意識が乏しかったため、C7のホストによる調整を助けるための日本の障害者団体のサポートが、登録から帰国に至るまで必要でした。これについてDPI日本会議に感謝したいです。
東京と広島のアクセスはとてもよかったです。注目すべきは、街のいたるところに、たとえそこが小さな場所であっても、多くのエレベーターがあることでした。
交通機関については、特に新幹線のアクセスのレベルが高かったです。しかし、もっとも印象的だったのは、旅行者への態度でした。他者への配慮および支援サービスは、深い敬意の伴う質の高いものでした。
ヨーロッパの国々と共通することですが、電気製品、自動車、列車といった環境の中に示されている高い技術力と、そのような技術力の恩恵を受けていない日常生活用具の間にギャップがありました。これは「ハイテクゾーン」と呼ばれる国々に顕著な共通点です。
日本政府のサブシェルパ(首脳補佐官)についてですが、われわれ発表者はサブシェルパが言おうとしていることに対応しなければなりませんでした。これは難しいことでした。
私は、すべての人間にはその能力に関わらず平等な価値があることを話した後、その能力を制限されている人たちには参加がいかに大変で、時間がかかり、不必要に困難なことであるかの具体的な例を示して、インクルーシブな社会を作る上でCRPDの適用が最善の手段であることを強調しました。
CRPDの実施は障害者だけではなく、すべての市民に関わること、そして私たち障害者にとって良いことは、すべての人たちにとって良いことであることを、C7の参加者に示すことを目指しました。
今日のC7による核軍縮への取り組みを支持するために、広島でのC7会議分科会では、DPIが1982年にこの場所で行った平和宣言について報告しました。この共通の取り組みには非常に大きな意味があり、平和宣言の40年後にDPIがこの会議に加わり、C7の核軍縮への取り組みを完全に支持したのです。
訪日プログラム:
4月9-10日:パリから東京に移動
4月11日:C7リーダーと岸田首相の会合
4月12-14日:ワークショップおよびサブシェルパとの交流会
4月14日:DPI日本会議との夕食会
4月15日:東京から広島に新幹線で移動
4月16-17日:広島
4月18-19日:広島―東京―パリと移動
ジャン・ルーク・サイモン(DPIヨーロッパ議長)