コロナに負けず「新型コロナウイルス予防対策に関するワークショップ」を各地で開催、TV出演もしました
(-貧困地域の障害者を対象にしたHIV/AIDS予防の啓発事業 (ブラジル『たんぽぽプロジェクト』事後調査)-)
2021年09月08日 国際協力/海外活動
5月21日からスタートしたブラジル北東部・レシフェ市を拠点とした「たんぽぽプロジェクト」の事後調査、今回は「コロナ予防対策支援」も含めて活動しています。
コロナの影響で予定していた支援物資の調達(アルコール・マスクなど)が大幅に遅れたり、国際送金も通常以上に時間がかかってしまっていることから、9月30日まで事業を延長していただきました。
たんぽぽプロジェクトチームは物資を待っている間も、チームで研修をしたり、専門家から研修を受けたり、また日本ともオンラインで繋いで研修をしたりして準備をし、ついに8月中旬には物資も揃い、地域でのワークショップを開始しました。
たんぽぽプロジェクトの活動は地域の団体や自治体からも注目を集めていて、視覚障害者の団体からもワークショップを依頼されたり、レシフェ市からもコロナ・HIV/AIDS両方のワークショップを依頼されています。
最近、ニュース番組に手話通訳を付ける取り組みを始めたローカルテレビ局からもたんぽぽメンバーが呼ばれ、「ろう者の情報アクセス」についてインタビューを受けました。
目次
新型コロナウイルス予防対策に関するワークショップを行いました
以前に実施したHIV/AIDS感染症予防啓発事業のノウハウを生かして、新型コロナウイルスの予防対策に関しても「字の読むのが難しい」「手話での情報が欲しい」もしくは「手話もあまりよくわからない」地域の人に感染予防に必要な知識を伝えるためのワークシップを行っています。
わかり易く絵を使ったプレゼンテーションや、パンフレットの配布、そしてアルコール・マスクの購入が難しい貧困層の人にもプロジェクトのロゴが入ったバッグに予防物資を入れて配布しています。
1.8月21日 カーボ市
2.8月27日レシフェ市ACEH
3.8月28日午前 Ass. Cego
地域の視覚障害者の団体からも要請を受けてワークシップを行いました。たんぽぽチームの作成した予防啓発パンフレットを点字印刷し、ろう者と通訳者が協力して情報を伝えました。
たんぽぽチームはHIV/AIDS感染症予防事業の時から、障害種別の異なる障害者団体とも交流を深めて日頃から情報交換をしています。
4.8月28日午後 オリンダ市
5.9月4日HIV-AIDS予防啓発ワークショップ(レシフェ市からの依頼)
地域からの要望に応えて、コロナ予防だけでなく、HIV/AIDSの予防啓発活動も続けています。レシフェ市から今月は3回HIV/AIDS予防感染啓発のワークシップを依頼されています。
この日はLGBTグループ対象のワークシップを実施しました。 たんぽぽチームもメンバーの2名がLGBT当事者であるため、LGBTムーブメントの中での障害当事者としてのアドボカシーも積極的に行っています。
たんぽぽプロジェクトのパンフレット、オリジナルバッグ、マスクなど作成し、配布しています。
▽ワークショップの様子(プロジェクトたんぽぽチャンネル、外部リンク:youtube)
プロジェクト代表・ジヨバーニがTVへ出演しました!
ベルナンブコ州のTVニュースにたんぽぽプロジェクト代表・ジヨバーニが出演しました!ろう者に必要なアクセスについて話しました。
つい最近、ニュース放送に手話通訳を付ける取り組みを始めたローカルテレビ局がたんぽぽメンバーをインタビューしました。情報保障の必要性、特にニュースでオンタイムでろう者も情報を得られることの重要性を話しました。(通訳もたんぽぽプロジェクトの通訳者・ハファエラさん)
ろうの当事者の方をお招きし、勉強会を行いました
8月14日土曜日、ろう者で自立した社会人モデルとしてJICA沖縄にお勤めてされている阿原(あはら)さんへ講師をお願いし、オンラインチャットを行いました。
まだまだ社会経験が少ないたんぽぽメンバーは「ろう者も社会の中で、仕事をしていける!」ということをこのプロジェクトの活動を通して学んだようです。
こういった情報交換の場を通して、ろう当事者同士の出会いは「ロールモデル」としても貴重です。
活動の展開と共に自分たちの世界も広がるということを一緒に経験出来たらいいなと思っています。
コロナ禍において、更に当事者同士の関わりとエンパワメントの実現が困難になっていますが、今回このような機会にJICA沖縄からご参加いただけたのは大変意義がありました。
阿原さんはブラジル手話とアメリカ手話・国際手話を駆使して、よーくメンバー一人ひとりの話を聞いて(見て)くださいました。ありがとうございました。
JICAとの打合せも定期的に行っています
JICA東京・ブラジル事務所・たんぽぽメンバー・DPI日本会議たんぽぽプロジェクト担当者の「顔合わせ」を行いました。
JICA東京は市民参加協力第二課から諸永課長、小林班長、大井様、そして当プロジェクト担当の篠崎様、ブラジル事務所からは門屋次長、間瀬様、稗田様、エリカ様が参加してくださり、たんぽぽメンバーから事業終了後の現地の様子、特に最近のコロナ禍での障害者の状況などをお話し、これからどのように活動を展開していくか?ということをお話ししました。
再度JICAブラジル事務所との打ち合わせを8月31日に行いました。
今度はブラジルメンバーだけで(ブラジル手話とポルトガル語通訳)会議をしました。
JICAブラジル事務所も以前の事業から担当者もすっかり変わっていますが、変わらず応援してくださっています。もっとSNSなどでのPR・宣伝を頑張るようにアドバイスをいただきました。
最後に
今回の事業は日本から応援にも駆け付けられないので、全て現地でたんぽぽメンバーで進めていかねばなりません。コロナ禍で物資の到着が大幅に遅れるなど、冷や汗をかく様々なトラブルもありますが、たんぽぽメンバー全員頑張って活動しています!
今後もう少し詳しいブラジル状況を「手話ビデオ」も交えてご報告したいと思っています。
どうぞ皆さん、引き続き応援よろしくお願いします!
▽「プロジェクトたんぽぽ」Facebookぺージはこちら(外部リンク)
報告:盛上真美(調査チーム調整員)
こんな記事も読まれています
現在位置:ホーム > 新着情報 > コロナに負けず「新型コロナウイルス予防対策に関するワークショップ」を各地で開催、TV出演もしました(-貧困地域の障害者を対象にしたHIV/AIDS予防の啓発事業 (ブラジル『たんぽぽプロジェクト』事後調査)-)