重度訪問介護等を含む支援付き一般就労の実現を求めていきます(10・27超党派「障害者の安定雇用・安心就労の促進をめざす議員連盟(インクルーシブ雇用議連)」勉強会報告)
2020年11月10日 雇用労働、所得保障
10月27日(火)に超党派「障害者の安定雇用・安心就労の促進をめざす議員連盟(「以下、インクルーシブ雇用議連」とする。)」勉強会が衆議院第2議員会館にて開催されました。市民側も参加し、DPI日本会議から岡本常任が参加しました。
冒頭、議連の川崎会長(自民党)より、現場が困難にあるなかで少しずつ社会の機能が戻り経済も動き出している。昨日より臨時国会が開催され、インクルーシブ雇用議連で様々な課題がある中で来年に向けてどのように解決し、政策提言につなげていくか勉強していきたい。一方で、厚労省に対し、地方に目を向けるように指示。都道府県と政令指定都市、市町村の役割など一体性を見て欲しい」などと挨拶がありました。
主な議題
- 「障害者統計の充実」に関する進捗状況
- 厚労省内「障害者雇用・福祉連携強化PT」の検討状況
- 障害者就業・生活支援センターの実践から福祉・雇用施策の一体的転換の必要性について
地域生活支援事業で10月から始まる介助と通勤の助成制度について
厚労省内障害就労支援に関するPTから統計の進捗状況の報告がありました。地域生活支援事業の新制度の説明はありませんでしたが、舩後議員(れいわ新選組)からの質問で、地域生活支援事業で10月から始まる介助と通勤の助成制度と総合支援法の重度訪問介護、移動支援との兼ね合わせを今後の実施状況を踏まえてどのように検討されるのか質問がありましたが、新事業は14の自治体で実施されます。
被雇用者と自営業者が対象ですが、財源構成が違います。公務員は対象になっていないのです。舩後先生は現在も重訪の対象になっておらず、参議院事務局が費用負担しています。通勤や就業中の介護に重度訪問介護を適用するかどうかは別の大きな問題として捉えているが、検討を具体的に進めているというわけではないと、厳しい回答が印象的でした。
好評だった全就ネットの藤尾さんによる「障害者就業・生活支援センターの実践から福祉施策と雇用施策の一体的展開の必要性を学ぶ」勉強会では、良い問題提起で、川崎会長からも厚労省に対し、厳しく指示が飛びました。
最後に
今回、厚労省から「2040年を展望した社会保障働き方改革の検討について」というペーパーが配られ、障害者の就労支援に関する当面の方向性として就労アセスメントの充実、専門人材の確保など具体的な提案がありました。
特に障害当事者や労使を含む雇用福祉施策双方の関係者を交え、さらに詳細な検討が必要と当事者参画の方向性が入ったこと。目玉として、「雇用施策担当である職業安定局(障害者雇用分科会)と福祉施策担当である障害保健福祉部(障害者部会)」による合同検討会の立ち上げという方向性を打ち出したことは、大変評価したいです。
一方で、舩後議員の質問で触れた「雇用施策と福祉施策の連携による重度障害者等の就労支援が10月よりスタートしていますが、地域生活支援事業ということで14自治体しか実施する予定がなく、都内では、多摩市と新宿区が手を挙げていますが、具体的な状況が分かっていません。
来年度の予算要求では、地域生活支援促進事業で提案されるなど今後に期待していますが、私たちが求めているのは、重度訪問介護等を活用した就労であるので、残り2回のインクルーシブ雇用議連の勉強会で、DPIとしても就労の分野におけるクロスディスアビリティー、重度訪問介護等を含む支援付き一般就労の道を何としてでも勝ち取る契機としていきたいです。
報告:DPI常任委員 労働部会 岡本直樹(CILふちゅう)
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