大阪市立三軒家西小学校へ学校見学に行ってきました!
2024年04月02日 インクルーシブ教育
3月12日(火)にDPI日本会議と東京大学大学院教育研究科との連携協定の一環として、大阪市立三軒家西小学校へ学校見学に行ってきました。
東京大学大学院教育研究科教授の小国義弘さん、他団体の皆さんと一緒に、DPI日本会議からは、教育部会部会長の西尾と事務局の岡部が参加しました。
三軒家西小学校は、1学年1クラス規模の小学校で、特別支援教室が無く、全員が同じ教室で学んでいます。この日は、三軒家西小学校の新たな取り組みとして「全校道徳」の授業が行われ、その後、校内の見学をさせていただきました。
まず、全校道徳の前に、今日見学に来ている大人たちから自己紹介をさせていただく時間がありました。
宮岡校長先生から、「好きな食べ物も教えてください!」と言われ、教育部会部会長の西尾は”コロッケ”、岡部は”ジャガイモ”と答えました。
大人になると好きな食べ物の話をする機会など滅多にないので、楽しい時間でした。そして、一人一人の自己紹介に「へぇ~!」「知ってる!!」など元気に反応してくれる生徒の皆さんに心が温かくなりました。
全校生徒が集まる体育館の場面を想像すると、学年ごとに整列している姿が一般的かと思いますが、三軒家西小学校では14グループの「縦割り班」に分かれて並んでいました。
列の先頭にはビブスを付けた6年生の”リーダー”がいます。この縦割り班は、かなり前からの取り組みだそうで、毎年4月に編成され、障害の有無に関係なく、全員が振り分けられます。
日ごろの清掃などもこの班ごとにおこなわれており、6年生になると各々が様々な場面でリーダーを務めることになるので、1~5年生はみんなリーダーに憧れています。他学年との交流が日常的にあることで、全員が顔見知りとなり、名前はもちろんのこと、特技や好きな物まで把握しているそうです。
全校道徳のテーマは、「こんな学校をつくりたい!!」。子どもたちは班ごとに、大人は大人だけの班を作って話し合いをしました。時間が足りなくなるほど、それぞれの班で活発に意見を出し合いました。
その後、班の代表が出された意見を全体に向けて報告します。リーダーが堂々と発言する姿、それをニコニコワイワイしながら聞く姿、リーダーの姿にキラキラした憧れの目線を送る姿、どれもすごく印象的でした。
子どもたちのグループが終了後、大人たちのグループも報告しました。ホワイトボードは、いろんな意見でいっぱいに埋め尽くされました。
子どもの意見と大人の意見を出し合い、そのどれもが否定されずに受け止められ、その上で自分の意見を改めて考えてみることが大切だということで、全校道徳終了後、各教室に戻った生徒の皆さんは改めて自分の意見を自分の言葉でまとめました。
このような取り組みは、インクルーシブ社会を目指す上でとても重要なことだと思います。
全校道徳で出された意見は、どうやったら実現することが出来るのか、実現するためには何が必要なのか、生徒の皆さんが自ら考えて行動できるよう、全校道徳は継続していきたいとのことでした。こういった経験の積み重ねが、とても大切なのだと感じました。
貴重な機会を提供してくださった、宮岡校長先生をはじめ三軒家西小学校の皆さまありがとうございました。心から御礼申し上げます。
報告:岡部夏実(事務局長補佐)