沖縄県教育委員会へ行ってきました
小学校教員による「邪魔だと思う人は手を挙げて」 抗議並びに要望(報告:沖縄県自立生活センター・イルカ)
2020年10月27日 インクルーシブ教育
10月5日(月)にDPI日本会議もこの事件に対して抗議及び要望書を出しましたが、DPI日本会議加盟団体の沖縄県自立生活センター・イルカが沖縄県教育委員会に対して、この事件に対する抗議を行い、事務局の早坂さんに報告を書いて頂きました。
自立生活センター・イルカからは、桃原鈴子、同事務局長ツァイスーファン、早坂、前川が出席しました。
私たちの想いを訴えました
抗議並びに要望文書の読み上げをし、抗議並びに要望文書の手交、最後に意見交換を行いました。
まず、私達からは
・大人自体が分離教育の中で育っている、障害者は施設や特別な場所にいくのが当たり前
・この休んだ子の親御さんの報告がなければこの問題が表に出てくることはなかった。
・先生たちが困っていることをどう改善していくか、個人や市町村の教育委員会任せにしないでほしい。
という事を訴えました。
義務教育課 目取真康司課長からは
・3月までは学校長としてたくさん特別支援学級に通う子どもたちと過ごしてきた。
・インクルーシブ教育について思いもあり子どもたち、保護者も含めて一生懸命取り組んでいたつもり。とくに交流学級等々の取り組み、支援員を増やしていったりとかしながらやっていたつもりだった。
・学校というところは障害を持つ子どもたちを含め、安心安全がまず第一。
・今回の事を教育を司る者の一人として大変申し訳なく思っており、様々な機会を通して、これまで以上にインクルーシブ教育への理解を深めると共に、人権意識の向上を図りたい
と返答がありました。
改めて学校教育の現状などについて話しました
・知的障害の子が、特別支援学校のバスに乗るためにバス停でまっていると、通常学校の子どもが「バーカ、おまえ達の学校バカがいっぱいだよね」などと言っている。日常茶飯事にそういうことが起こっている。
・一昨年行った調査で、支援学級の先生が悩んでいるということが明らかになった。支援学級の先生は学校の一員として他の先生ともタッグを組んでチームワークの中で教育を行っていきたいが、壁を感じると。邪魔な子は支援学級へという意識を感じるという。先生自身が差別を感じている。
・特別支援学校から地元の学校に3日間だけ交流に来た事例で何の合理的配慮、環境調整もない中で聴覚障害の子が、何を言っているかわからない授業を、じっと我慢して受けており、他の子どもたちとも話が出来ず、ただただ孤独を感じていた。
・小学校に授業を見に行ったときに、特別支援の教員が後ろの席のたぶん発達障害の子の手をたたいていた。
これは、本来あるべきインクルーシブ教育ではありません。様々な問題が現場で起きているので、無かったかのようにすることはやめて、ちゃんと受け止めて向き合っていかないと先は無いと思っています。
教育畑の真ん中の人が初めて聞くということがショックだし、インクルーシブ教育のふりをして、実際は分離の現状。同じ学校だけれども、実際は分離となっている。全員の研修が必要で、特別支援学級の先生だけの責任ではないと思っています。
その後、下記要望を出しました
・不登校になった子どもたちの現状も把握しながら、なぜその問題が現場で起こっているのかを調べてください。
・今回の事件は氷山の一角の一角。必ず現場を見に行ってください。
・今日の文書への回答を文書でください(2週間以内)
学校現場での虐待事例が出た際の相談窓口と解決する部署に対する質問に、教育庁からは
・学校で何か教員が同様の事例を起こした際には学校人事課かそれぞれの教育事務所に相談することができる。
・文書の回答については部署内で検討する
ということでした。
その後、相談窓口と解決部署について「障害児の場合」等の別窓口が示されるなど、統一が図られておらず、すったもんだが続きました。当初30分の予定だったが、20分ほど延長し、意見交換がされました。各課長クラスでの対応となり、教育長にもしっかり共有するように伝え、終了しました。
最後に
翌日、抗議行動についての新聞記事を見た方から、「よく言ってくれた」という電話がありました。
改めて、私たちは障害の有無で子どもたちを分離することがどれだけ負の連鎖として未来に悪影響を与えるのかを思い知らされました。そしてそのことへの教育委員会の危機感の欠如に毅然と立ち向かわねばなりません。
理不尽な人権侵害に対し声を上げた人のサポート体制があまりにない中で、当事者の立場で声を上げられる団体として今後もあり続けたいと思います。
引き続き全国のご支援ご協力よろしくお願いいたします。
報告:自立生活センター・イルカ 早坂(DPI加盟団体)
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