第4回「インクルーシブ教育を担う若手障害者の育成研修(ZOOM形式)」報告
2021年03月02日 インクルーシブ教育
2月11日、ZOOMにて若手の障害者を対象とした第4回インクルーシブ教育を担う若手障害者の育成研修を行いました。
この研修の目的は、参加者のみなさんひとりひとりが、自らの学校生活を振り返りながら、インクルーシブ教育の理解を深め、それぞれの地域で、インクルーシブ教育をすすめるための活動を担っていく障害当事者の育成を図ることです。
今回は、北海道から鹿児島、宮崎まで幅広い地域から12名の参加となりました。参加者全員から「自身の学校生活を振り返る」として持ち時間8分という短い時間ではありましたが、「学校生活で印象に残っている嬉しかったこと」や「学校生活で苦労したことをどうやって切り抜けたか」という内容を語っていただきました。
参加者12名の12通りの経験があり、その中でも“10代のデリケートで友達との距離感をつかむのに苦労した”一方で、“障害関係なく1人のクラスメートとしてけんかしたり、ふざけたりする関係だった”という経験談がありました。似たようなことで悩んでいたこと、人間関係で試行錯誤しながら対等の関係を築くことのコツをつかんでいる人もいて話を聴いてとても興味深かったです。
また付き添いの人の関係性について、問題提起されていた方もいてこの問題は根深く残っているのだなと感じました。
参加者の話の後に、4グループに分かれて経験談を受けてのディスカッションを行いました。どのグループも活発的な議論が展開され、とても有意義な時間となりました。
そのあとDPI日本会議の崔より、「日本のインクルーシブ教育と海外のインクルーシブ教育の違い」「教育における差別解消法」「障害者権利条約」のお話をしました。参加者が発表した内容を踏まえた話だったため、法制度の話をより身近に感じる機会となりました。
最後に全体で、今後インクルーシブ教育を進めるためにはどうしたらよいのかを話し合いました。参加者からは、「教職員養成課程において、障害当事者による研修を取り入れるのはどうか」「現在自分が行っている地域の学校での講演でインクルーシブ教育を広めていく」「バリアフリー法改正で加わった学校のバリアフリー整備をきっかけに運動を展開していきたい」など、たくさん意見が集まりました。
皆さんの意見を含めて、今後の活動に生かしていけたらと思っています。今回は、当事者の視点でフレッシュな意見がありました。似たような経験をした若い人が意見交換できる場は貴重だと考えます。このご縁を今後も大切にしていきたいです。
また各地域で実践したインクルーシブ教育の取り組みについて話し合うことが出来たら幸いです。皆さん、参加していただきありがとうございました。
堀 楓香