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第7回インクルーシブ教育を担う若手障害者の育成研修を開催しました!

2024年03月08日 インクルーシブ教育

教育研修の参加者のスクリーンショット

2024年2月17日(土)に「インクルーシブ教育を担う若手障害者の育成研修」をオンラインで行いました。

この研修は、今後教育運動を担うべき若い障害者が、自らが受けてきた教育を振り返ることや、今までの運動の流れを知ることにより、障害者権利条約に基づいたインクルーシブ教育を進めていく主体となる意識を高めることを目的に今回で7回目を迎えました。

まず、最初に、参加者の滝さんから自身の学校生活を振り返っての発表をしていただきました。

小学校から地域の学校に通われた滝さんですが、親が4月になると毎年担任の先生に親が挨拶に行き、障害のことを伝えに行くのが嫌だったこと、小学6年生でいじめにあったことで、自分の存在意義が揺らぎ、身体を動かすことが消極的になったこと、その後進学した中学校などでは、見た目で障害があることがわからないために、同級生から甘えているのではないかと言われ、同級生に言い返すことができず悔しい思いをしてきたことなどが語られるとともに、大学で、社会福祉を学ぶなかで、障害の社会モデルの考え方を知ることができ、ご自身がエンパワメントされたことをお話していただきました。

ご自身の学校生活を振り返った後は、崔さんより、障害の社会モデル・人権モデルとインクルーシブ教育」について、ミニ講義を行いました。

今回の参加者である滝さんはこれまでにも崔さんの講演をたくさん聞いており、終始和やかなに講義が進められましたが、崔さんからは、障害の医学モデルや社会モデル、人権モデルを自分の体験を織り交ぜながら伝えていくことが重要ではないかというエールを送られていました。

講義後は、教育部会のメンバーも参加者の一人としてそれぞれが、ご自身の学校生活での経験や体験を語りあい、インクルーシブ教育やインクルーシブ社会の実現に向けて私たちができることについて思いを共有しあいました。

今回の若手障害者の育成研修は、参加者が1名と少なかったのですが、主催者・参加者の枠組みや世代を超えて、インクルーシブ教育の現状と課題、そして展望を熱く語り合うことができた中身の濃い内容となりました。

研修に参加していただいた滝さんはもとより、研修に関わっていただいたすべてのみなさまありがとうございました。

報告:杉田 宏(DPI特別常任委員)

参加者感想

私にとって教育の分野の運動を行うことはとても興味深いことであり、しかし同時にとても怖いものでもあります。

私は生まれつき脳性麻痺がありますが、親から障害があることを伝えられず、健常児として普通学校に通っていました。

体育や美術など周りの人と同じようにできず、また何度もいじめを経験したので普通学校に通ったことをどこか肯定的にとらえられていない自分がいました。

しかし、自立生活運動と出会い、たくさんの障害当事者の語りを聞くことによって、普通学校に通いたくても通えなかった仲間や、親から離れられた入所施設で苦しんでいた仲間と出会いました。

どこにいてもしんどい思いをしなければならない、障害とは何だろうと考えるようになりました。

今回インクルーシブ教育を担う若手障害者の育成研修に参加したのは、年齢が35歳以下ということで今年が最後の年であり怖さもありましたが、参加してみることにしました。

学生時代を振り返り、人前で話す機会はあまりないのですが、今回の研修で少し自分の話ができたことが良かったです。

青い芝の会で活動されている方や普通学校に通うために裁判を行った人などの話を聞け、知らないことばかりで勉強になりました。また、似たような思いをしていた方の話を聞くことができ、とてもよい機会になりました。

今後の目標として、障害者権利条約のいう「社会モデル」・「人権モデル」を分かりやすく伝えていきたい、という思いがあります。

私は大学生の時に「社会モデル」という考え方に出会い、自分の障害や今までの経験を受け入れることができました。そして、それを発展させたものとして人権モデル。

どんな人でも人権を大切にされる権利の主体であるという考え方をこれから社会にいる人に向かって発信していけたらと思います。

障害だけではなくLGBTQや外国人、貧困など社会にはさまざまな差があり、苦しんでいる仲間・子どもたちがいると思います。

そんな仲間に「誰にでも人権があり、そのままで大丈夫だよ」と伝えられるように努力していきたいと思います。参加の機会をいただきありがとうございました。

滝 由依(AJU車いすセンター)


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