インクルーシブ教育合宿の参加者の皆さんから感想をいただきました!(その2)
2022年03月29日 インクルーシブ教育
2月27日(日)にオンラインで開催された教育合宿の参加者の皆さんよりご感想をいただきましたので、ご紹介します!
2年続けて参加させていただきました。1回目とはまた違った観点から研修を受けることが出来ました。昨年とは違うそれぞれの体験談を聞いて衝撃を受けつつ、誰もが学びやすい学校にしていくことの大事さを改めて感じ考えるいい機会でした。
そして、改めて学校生活を振り返ると合理的配慮受けてなかったんだという思いと合理的配慮の必要性をもっと教育関係者に伝えていかなきゃと思いました。
今回参加して自身の考えも変わったように思います。これまでの考えは、支援学校に転校した自分は苦しい環境から逃げてしまったと思っていたが、学校側の意識や対応で自分が行きたい学校に通うことができる、通う権利があること。地域学校から支援学校へと転校すると、今までできなかった、機会がなかったことを経験して世界は広がるが社会との接点が薄れるように感じていました。
自分自身は支援学校時にCILと繋がるきっかけがあったことによって、自立への道が行きやすかったです。なので、自分達ができる活動として、地域学校へ講演・交流授業の企画を持ち寄って関わりを持てればインクルージョンな社会になるのではと思いました。現在は少しずつ、インクルーシブという言葉は広がってますが、言葉だけが先走っているように思います。
今回もたくさんの事を学ばせてもらいましたが、まだまだインクルーシブ教育について勉強不足なので、もっとこのような研修会に参加したいと思います。私たちの体験を活かしてこれからの子供たちの教育現場がより良くなっていくように全国各地で様々なことに取り組んでいきたいです。
(障害者自立応援センターYAH!DOみやざき 新坂真子)
今回、初めて参加させて頂きました。
わたしは重度の聴覚障害がありますが、地域の学校の通常級に通いました。小学生の時は支援員にノートテイクをしてもらい、中学からは口の動きを読み取って話の内容を理解するという口話法をつかって学習を進めました。私の入った学校はすべて聴覚障害のある子を受け入れたことがないところだったため、必要なニーズは最初からすべて自分から伝える必要がありました。当時小学生で自分の障害のことすらよく分からなかった私は必要なニーズを伝えることが出来ていなかったように感じます。
特に、小学生くらいの年齢だと私のように必要なニーズが自分で理解できていない可能性が大きいので、学校側もしくは教員側から、その子供にとって必要だと考えられるサポートを提示することも大切な役割になるはずです。教員に対するインクルーシブ教育の理解も重要だと気づきました。
仲間たちの体験談をきいて、どの障害でも通常級で学習するにあたり、特別な支援や配慮がないことが多く、本人の努力に任されることが多いと感じました。
聴覚障害児はコミュニケーションが難しいことからそもそも担任の先生とのコミュニケーションがとりづらいことも大きな問題になっていると思います。その事から、聴覚障害児のインクルーシブ教育はソフト面が重要になってくると改めて気づきました。
現在、医療・研究が進んでいることで、軽度難聴の子供や、人工内耳をつけた子供が増えていく中で、聴覚障害がありながら通常級に通う子供が増えることが予想されます。車椅子を利用する子供にとって、エレベーターを設備すること、多目的トイレの設置などが重要であると同様に、聴覚障害児の場合は、その子供が第一言語としている(希望している)言葉で学べる環境作りが最初の課題になると思っています。聴覚障害児のインクルーシブ教育についても今後自分のセンターで考えていきたいと思います。
(自立生活センターSTEPえどがわ 中曽根鈴音)
「インクルーシブ教育を担う若手障害者の育成研修」は昨年から続いて2回目の参加でした。愛知県での取り組みや、JILとしての全国的な活動の参考になればと思い、今回も参加させていただきました。
私自身、小中学校は通常学校、高校は特別支援学校で学びました。中学校時代、自分の存在価値は「勉強ができること」だと思わされていたため、大人になった今、自分の中にある能力主義や優生思想に囚われていると気づきました。
「勉強ができなければ特別支援学級に戻るかもしれない」という感情は、特別支援学級=能力のない人が行くところという差別的な認識をしており、また特別支援学校時代に「障害のある自分でもできることがあるんだ」と自分よりも重度の障害のある友達とかかわる中で芽生えた感情は、障害の軽重を比べて自分の価値を見出していたということなのだと思います。
参加者のこれまでの学校生活に対する思いや、尾上さんのご講演を伺って、現在の日本の教育のあり方(できる/できないで評価され分けられる、同一教科書の使用、一斉授業の実施、合理的配慮は特別扱いであるという誤った認識など)がおかしいと改めて感じました。
これは、障害のある子どもだけでなく、すべての子どもにとって苦しい学校教育になってしまいます。インクルーシブ教育は、障害のある子どもだけを対象としているのではなく、すべての子どもを対象としています。貧困家庭やひとり親家庭で育った子ども、外国にルーツのある子ども、LGBTQ当事者など、様々な背景を持つ子どもがいるということを前提に、学校教育のあり方を変えていかなければいけないと思います。
そのためにも、様々な困難や問題を個人の責任とせず、周りの環境を変えて解決していく「社会モデル」の考え方が教育現場に浸透していくことが必要だと考えます。
障害のある子どもを含む多様な子どもたちが、ただ一緒に過ごすだけでなく、一人ひとりに応じた必要なサポートを受けながら、クラスの一員として様々な学びや経験を保障されるインクルーシブ教育の重要性を改めて表するとともに、インクルーシブ教育から日本の教育のあり方を変えていきたいと強く思います。
(自立生活センター十彩 中野まこ)