第4回「インクルーシブ教育を担う若手障害者の育成研修」参加のみなさんから感想をいただきました!(その2)
2021年03月12日 インクルーシブ教育
2月11日(木)、ZOOMにて若手の障害者を対象とした第4回インクルーシブ教育を担う若手障害者の育成研修を行いました。
この研修の目的は、参加者のみなさんひとりひとりが、自らの学校生活を振り返りながら、インクルーシブ教育の理解を深め、それぞれの地域で、インクルーシブ教育をすすめるための活動を担っていく障害当事者の育成を図ることです。
本研修に参加くださった皆さんから感想をいただきましたので、3回に分けてご紹介します!今回は2回目です。
新坂真子/障害者自立応援センターYAH!DOみやざき
今回初めて参加させていただきました。
それぞれの体験談を聞いて感じたこととして、学校側の意識や対応で行きたい学校に通える人、通えない人と大きく差が出るのだと思いました。
これまでの考えは、支援学校に転校した自分は苦しい環境から逃げてしまったと思っていたがそのような環境があることがインクルーシブ教育に結びつかないと感じました。
地域学校から支援学校へと転校すると、情報がどんどん少なくなりCILに関する事等を知る機会が少なくなるのではないかと思いました。自分達ができる活動として、地域学校へ講演・交流授業の企画を持ち寄って関わりを持てればインクルージョンな社会になるのではと思いました。
今回たくさんの事を学ばせてもらいましたが、まだまだインクルーシブ教育について勉強不足なので、もっとこのような研修会に参加したいと思います。
川端 舞/つくば自立生活センターほにゃら
インクルーシブ教育研修会に参加したのは2回目でした。以前参加した時も自分の学校時代のことを発表しましたが、今回、改めて発表する機会をもらって、以前より自分の過去を客観的に振り返られるようになったことに気づきました。
ずっと地域の学校に通い、大変なことも嫌なこともたくさんあったけれど、少なくとも高校時代は楽しかったこともあったと思えるようになりました。それは、高校卒業してから、偶然にも高校時代の同級生と親しくする機会が重なり、高校時代、周りの同級生がどんなことを考えていたのかを知ることで、当時の自分が悩んでいたことを、障害があるゆえの事なのか、それとも他の同級生も悩んでいたことなのか、分けて考えられるようになったからだと思います。
すると、高校時代の自分が悩んでいたことのほとんどが、障害のない高校生も悩むことなのかもしれないと思えるようになりました。それは、おそらく高校時代は周囲の教員も同級生も、私を他の生徒と同じように扱ってくれていたからなのでしょう。
一方、中学時代までの自分が悩んでいたことは、学校にいるとき、介助員等がずっとそばについていると、同級生との関係を作りづらかったなど、今回、他の参加者から話していた経験とも重なり、障害があるがゆえの悩みが多かったことを改めて確認できました。それは、通常学校の中で障害児が他の生徒と同じように扱われない、お客様扱いされることが原因でしょう。
また、今回、特別支援学校に通った経験がある人の話を聞けたこともよかったです。特別支援学校は同級生が少なく、人間関係が広まらないと聞いていましたが、実際に特別支援学校に通った当事者の経験を聞くことで、以前より具体的にイメージすることができました。
単に理論的にインクルーシブ教育を推進するだけでなく、実際に通常学校や特別支援学校に通っていた当事者が自分の経験を話すことで、インクルーシブ教育の良さや課題がより鮮明になるでしょう。私も自分の経験をインクルーシブ教育推進に活かしていけるように、自分の学校生活の中でよかったことと、もっとこうしてほしかったと思うことを、より客観的に話せるようになりたいです。
学校のバリアフリーが義務化された今、それを追い風にできるように、法律等の勉強もしながら、インクルーシブ教育推進のために自分ができることを確実にやっていきたいです。
中野まこ/自立生活センター十彩
私は愛知県豊田市にある自立生活センター十彩に所属し活動しています。さらに愛知県の複数の障害者団体で構成される会では教育部会に所属し、インクルーシブ教育推進に向けて愛知県教育委員会との交渉を続けています。
JILインクルーシブ教育PTにも携わらせていただいており、多角的にインクルーシブ教育について学びたいと思い、初めて「インクルーシブ教育を担う若手障害者の育成研修」に参加させていただきました。
研修では、受講生のこれまで受けてきた教育について聞き合う時間が設けられました。私は、地元山口県の地域の幼稚園、小学校、中学校、県内の特別支援学校高等部での学びを経て、愛知県の日本福祉大学を卒業しております。
その中での嬉しかったこと、つらかったことなどのエピソードを言語化したり、他の受講生の経験を伺ったりすることで、私が感じているインクルーシブ教育の在り方に関しての課題を改めて認識することができました。
①特別支援教育の目的
学校教育法にある特別支援教育の目的には「障害の克服」とあり、医学モデルの考え方が根強い現状があります。障害者権利条約にある障害の社会モデルの考え方が教育にも反映されなければ、合理的配慮を求めることが「特別扱い」とされ権利として保障されないままだと考えられます。法律や制度を変えることは簡単ではありませんが、声を上げ続けていくことが必要だと感じました。
②教員(介助員等)との距離感
私の小学校、中学校時代は、加配の教員がつき、身の回りの介助をしてくれていました。常に私のそばにいることから、当時を思い返すと同級生との距離ができていたように思います。介助員等を対象とした研修を通じて、介入の方法を学ぶ機会をつくることがさらに求められると感じました。
③教員の多様性
私自身教員免許を持っており、教員を目指していました。インクルーシブ教育は多様な教育的ニーズをもつ子どもがいることを前提としたものです。子どもが多様であれば、学校で働く教職員も多様であるべきだと感じます。
障害のある子どもにとってロールモデルになることも考えられます。障害のある教職員の雇用がなかなか進んでいない現状を改善していかなければいけません。公立小中学校のバリアフリー義務化を契機に、働く場としての学校の在り方も突き詰めていきたいです。
今回の研修で学んだことを生かして活動を続けていきます。
その3に続きます!
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