「欠格条項」で失職は違憲(10月1日付「欠格条項」に関する報道)
2021年10月07日 欠格条項をなくす
10月1日付の「欠格条項」に関する報道になります。
(まとめ:障害者欠格条項をなくす会事務局 臼井久実子さん)
〈NHKニュース〉成年後見制度を利用「欠格条項」で失職は違憲 岐阜地裁(外部リンク)
(部分引用)
軽度の知的障害がある岐阜県の30代の男性は、警備員の仕事をしていた4年前、成年後見制度の利用を始めましたが、当時の警備業法に規定されていた制度の利用者を警備の仕事に従事させてはならないとする「欠格条項」のために退職を余儀なくされたことから国に損害賠償を求める訴えを起こしていました。
〈朝日新聞〉就業制限の欠格条項、違憲 成年後見利用し失職、賠償命令 岐阜地裁判決(外部リンク)
(抜粋)
成年後見制度利用者の欠格条項は、2019年に削除する一括法が成立し、警備業法を含む約180の法律が改正されている。原告弁護団によると、男性が退職を余儀なくされた当時の欠格条項を違憲とする判決は初めてという。(中略)
判決で鈴木裁判長は、成年後見制度に代わる前の「禁治産制度」だった1982年に警備業法に欠格条項が加わった当時から、憲法が保障する「職業選択の自由」に違反する状態だったと指摘。「制度を利用した人を一律に警備業務から排除することは立法府の合理的な裁量の範囲内にあるとはいえない」とし、憲法が定める「職業選択の自由」と「法の下の平等」に反するとの判断を示した。
そのうえで、国の責任について、2010年に関係省庁が参加する成年後見制度の研究会が「資格制限の必要性を慎重に検討する必要がある」という検討結果を示した時期以降、「規定を改廃しないままにしてきた立法不作為は国家賠償法上の違法行為に該当する」として、賠償を認めた。
※紙面には、国学院大学の佐藤彰一教授のコメント、
原告男性の談話、弁護団長の談話も掲載されています。
〈読売新聞〉「欠格条項」理由に雇用契約を終了、国に10万円の賠償命令…憲法22条などに違反(外部リンク)
(リード)
成年後見制度利用者の就業を制限する警備業法の「欠格条項」は、職業選択の自由を保障した憲法に違反するなどとして、警備会社の退職を余儀なくされた岐阜県内の30歳代男性が、国に100万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が1日、岐阜地裁であった。鈴木陽一郎裁判長は「職業選択の自由を保障する憲法22条1項などに違反する」として、国に10万円の支払いを命じた。
〈共同通信〉成年後見利用で失職は違憲 岐阜地裁、国に賠償命令(外部リンク)
(リード)
成年後見制度利用者の就業を認めないとしていた17年当時の警備業法の規定は職業選択の自由を保障した憲法に違反するなどとして、岐阜県の元警備員の30代男性が国に100万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、岐阜地裁(鈴木陽一郎裁判長)は1日、規定を違憲とし国に10万円の支払いを命じた。
※共同通信配信で東京新聞など各地方紙に掲載
〈日本経済新聞〉成年後見利用で失職は違憲 岐阜地裁、国に賠償命令(外部リンク)
(部分引用)
鈴木陽一郎裁判長は判決理由で、業務を適正に行う能力があった男性が退職せざるを得なかったのは、警備業法の規定によるものだと指摘。その上で、成年後見制度の利用者を一律に警備業務から排除することは、立法府の合理的な裁量の範囲内にあるとは言えないと判断した。
また、厚生労働省や法務省などによる研究会が10年「資格制限は必要性を慎重に検討するべきだ」と指摘していたのに、国会は対応しなかったとして「立法不作為は国家賠償法上の違法行為に当たる」と判断した。
〈毎日新聞〉成年後見で退職違憲 「抗議、認められた」弁護団が評価/岐阜(外部リンク)
(リード)
「思い切った判断をしていただいた」――。成年後見制度の利用を理由に警備会社を退職せざるを得なくなった県内の30代男性が国に100万円の損害賠償を求めた訴訟で、警備業法の規定は違憲として国に10万円の支払いを命じた1日の岐阜地裁判決。原告側弁護団は会見で判決の意義を強調し、「障害者差別をなくす試みは続く」と力を込めた。
以上