障害者権利条約 初の対日審査(建設的対話)が終了しました。積極的な障害者施策の改善を強く期待します
2022年08月25日 障害者権利条約の完全実施
障害者権利条約の実施状況についての日本のはじめての建設的対話(審査)が終了しました。9月中には障害者権利委員会から日本政府へ総括所見(勧告)が出される見込みです。
2日間の建設的対話では、権利委員から的確な指摘と反論が相次ぎ、日本政府からの回答は、法律や制度の説明等が多く、実態に即した回答が非常に少なかったと感じました。
最後に日本の国別担当者であるキム・ミヨン副委員長から、以下のまとめの挨拶がありました。
日本政府に対して、条約の全面的な実施をするために、検討していただかねばならない重要な課題がいくつか指摘されました。
たとえば、障害者差別解消法において、救済の手続きが確立されていないこと、社会の全てにおいて障害者の本当のインクルージョンは非常に重要ですが合理的配慮のための法的な基盤がないこと、手話が公式言語として認知されていないこと、これは難聴者、聴覚障害者には非常に重要なことです。
また、日常生活の中で、暴力、虐待、搾取等女性や女の子が直面している問題、人権侵害があったこと等も含めてパリ原則に基づいた独立した監視システムがないことです。そして、選択議定書が批准されていないこと、法的能力が制限されている問題、性と生殖に対する権利も制限がされています。
これからいますぐ対応してほしいことを日本政府に対して強く求めることが我々の優先課題となります。障害者の生活の質を向上し、人権が実施されることがこれによって可能になるでしょう。
日本政府におかれましては、障害者をもつ日本の人々、市民社会組織、家族が人生を通じて障害者の権利のために情熱的に取り組んでおられますので、こういった人たちと継続的なコミュケーションを取ってほしいと思います。
こうすることによってのみ障害を持つ人々の人権及び基本的な自由が全面的に享受され、保障されることになるでしょう。アジア太平洋の平等と人権のための第2の10年において、日本は世界のリーダーであります。
そして日本が障害者権利条約の全面的な実施をすることによって、今後もリーダー的な国になり続けて頂きたいと思います。
日本政府に対しては、今後権利委員会から出される総括所見を真摯に受け止め、障害者団体等との継続的な話し合いを通じ、積極的な障害者施策の改善を強く期待します。
DPI日本会議は、障害者権利条約の完全実施に向けて、引き続き取り組みを進めて参ります。
建設的対話の様子は、国連webTVでアーカイブが公表されておりますので、ご覧ください。
■アーカイブ
1日目:8月22日(月)15:00-18:00(日本時間22:00-25:00)
2日目:8月23日(火)10:00-13:00(日本時間17:00-20:00)
この障害者権利条約の仕組みについてより詳しく知りたい方は以下のオンラインミニ講座などをご参照ください。
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