逆転勝訴！控訴人は全員勝訴！！～1型糖尿病裁判 大阪高裁判決のご報告～【上告されず、勝訴確定】
「主文 原判決を取り消す。支給停止の処分を取り消す」4月19日（金）、大阪高裁の大法廷で、本多久美子裁判長は控訴人勝訴の判決を言い渡しました。
この裁判は、1型糖尿病をもつ控訴人（一審では原告）8人が障害基礎年金支給停止の取り消しを求めて8年前から国と争っていたものです。（1人の原告は1審で支給停止が取り消されていました）。
本多久美子裁判長は、1型糖尿病について、インスリン注射が生涯必要で根治しないため血糖コントロールは重要だけれど極めて困難であると述べました。
控訴人が厳し過ぎると訴えていた認定基準は合理的としながら、3級該当性の上で、β細胞は再生しなくて体内に完全に消失していること、補食やインスリン投与など、コントロールの大変さを余儀なくされても低血糖などで生活に支障があること、慎重な配慮を余儀なくされていることなど、1型糖尿病の特徴を例にあげて、総合的に考慮すれば日常生活に著しい制限があるとしました。
報告会で、控訴人の滝谷さんは勝訴を喜びつつ「障害者の中には声を上げられない人もいる。すべての障害者に目を向けてほしい」と訴えました。
弁護団からは「みなさんのしんどさ、1型糖尿病のつらさが認められた」、「これから申請する人にも広がることを期待したい」、「重症低血糖にならないための努力、家族の支援、慎重な配慮など、裁判所は治療そのものの大変さを見た」と喜びの声があがりました。
また、「周囲の無知や偏見による日々のつらさは外からわからず、裁判官へ伝える工夫が必要だった」、「日常生活をさらす大変さ、訴訟の大変さは大きいのでそこまでできない人も救われる制度が必要」と、成人後の支援の必要性を訴えました。
上告の期限は、連休をはさんで5月7日（火）となりました。【5月8日追記：上告はされず、勝訴が確定しました。】
（東京の元原告 西田えみ子）
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