重度訪問介護サービスにおける利用制限問題に対する私達の考え方
2020年03月26日 地域生活
DPI日本会議では、かねてから重度訪問介護等による通勤・通学、就労・就学中の利用制限となっている、厚生労働省告示第523号の見直しを求めて参りました。
厚生労働省では昨年(令和元年)、障害者雇用促進法の改正時の付帯決議及び重度訪問介護利用者である船後・木村両参議院議員の要請等を受け、省内で「障害者雇用・福祉連携強化プロジェク卜チーム」を立ち上げ、障害者の就労支援に関する、雇用と福祉の一体的展開の推進に係る諸課題の一つとして、「通勤や職場等における支援の在り方」についても総合的に対応策が検討されました。
その結果、法改正は今後の継続検討とし、来年度(令和2年度)予算案の閣議決定に伴い、来年度からの新しい取り組み(障害者雇用助成金制度と地域生活支援事業の組み合わせによる対応)が発表されました。
この取り組み内容は少しでもこの問題の解決に向かおうとする姿勢は見られるものの、実質的に機能するには課題が多く、根本的解決にも程遠いことから、DPI日本会議では各政党ヒアリング、厚生労働省と意見交換などを重ねています。
こうした経過を踏まえ、この問題に対するDPI日本会議の基本的考え方を以下に記します。
記
1. 重度訪問介護、行動援護、同行援護による通勤・通学、就労・就学中の利用制限は、障害者の社会参加を阻害する社会的障壁であり、撤廃する方向で見直しをすすめること。
2.今後の見直しのロードマップを示し、障害当事者参画による検討会を設置すること。
3.社会全体で支える観点から、他のサービスと同様に障害福祉予算(税財源)で行って問題はないと考えるが、障害者差別解消法の施行に伴う事業者や教育機関による「合理的配慮」との関係を課題とする指摘が障害者部会でなされていたこと等を勘案し、複数財源による基金方式も選択肢の1つであると考える。
ただし、サービスを利用する場所や、その目的別に財源が変わることで、事業者、介助者を変更せざるを得ないような運用は認められない。
今後、以上の基本的考え方を踏まえた議論が進み、この問題の解決に向けて大きな前進があることを期待しています。