「臓器の移植に関する法律」の運用に関する指針(ガイドライン)の一部改正について厚生労働省がパブリックコメントを募集中(1月13日まで)
政府は、臓器移植法第2条「臓器提供の意思の尊重」の運用見直しに関する指針改正案を2024年12月13日に公示し、厚生労働省がパブリックコメント(意見募集、2025年1月13日まで受け付け)を募集しています。
パブリックコメントの提出方法(政府推奨の方法)は、電子政府の総合窓口(e-Gov)の意見提出フォームにて、「「臓器の移植に関する法律」の運用に関する指針(ガイドライン)の一部改正案に関する意見」と明記のうえ、2025年1月13日0時0分までに提出することです(詳しくは文末のサイトをご覧ください)。
今回の指針(ガイドライン)改正案および詳しい提出方法については、以下をご覧ください。
この動きに対し、DPI日本会議は、12月16日、臓器移植法第2条「臓器提供の意思の尊重」の運用見直しに関する指針改正案に反対する声明を発表しました。
本改正案で、DPI日本会議が特に問題としている部分
「15 歳以上で有効な意思表示が困難となる障害を有する者からの臓器摘出は見合わせることとしていた記載を削除する。」
これは、自分の生命が終わるときに、あるいは、死んだ後で、自分の身体の一部(臓器)を取り出して他の人の身体に入れる(移植する)ということについて、「いやだ」「しない」など否定の気持ちを明らかにしていないかぎり、家族の合意があれば、自分の臓器を他の人に移植することが可能になる、つまり本人に臓器提供の意思があるとみなすというものです。
2009 年 「臓器移植法」改正(2010年7月施行)により、日本の臓器提供意思の確認方式は、本人の意思が不明な場合は家族の承諾で臓器提供が可能になりました(推定同意方式)。また15歳未満の脳死臓器提供も可能となりました。
さらに、前回の改定(2022年4月「臓器の移植に関する法律」の運用に関する指針(ガイドライン)の一部改正)において、15歳以下の有効な意思表示が困難となる障害を有する者も、臓器を提供しないという意思表示がある場合以外には、家族の書面による承諾があれば、臓器提供が可能となっています。
今回の案が改定されれば、前回の改定ではまだ除外されていた15歳以上の有効な意思表示が困難となる障害を有する者も、臓器を提供しないという意思表示をしない限り、臓器を提供する意思があるとみなされるようになります。
しかし、「有効な意思表示が困難となる障害を有する」人は、臓器を提供しないという意思表示を行うことが困難であったり、自分の臓器を提供したくないという意思表示をする必要があるということも知らなかったりする人が多いのではないでしょうか。
さらに、どのような人たちがどのような場合に「有効な意思表示が困難となる障害を有する」かどうか、その人たちの支援された意思決定を誰がどのように行うのか、支援付き意思決定の仕組みや財源はどうなるのか、改定を行う前に当事者や周りの人の参画のもと議論を尽くし確認しなければならないことがまだまだあります。
ぜひ皆さんのご意見をパブリックコメントにお寄せください。
パブリックコメントの提出方法(3つの方法があります)
〇件名に「「臓器の移植に関する法律」の運用に関する指針(ガイドライン)の一部改正案に関する意見」と明記すること
〇オンラインフォーム、Eメール、郵便の3つのうちいずれかで提出すること
(1) 電子政府の総合窓口(e-Gov)の意見提出フォームを使用
(2) 電子メールアドレス: ishokuchousa※mhlw.go.jp(※→@(半角)に変換)
厚生労働省健康・生活衛生局難病対策課移植医療対策推進室宛て
(3) 郵送: 〒100-8916 東京都千代田区霞が関1-2-2
厚生労働省健康・生活衛生局難病対策課移植医療対策推進室宛て
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