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【報告】京都新聞による滋賀県に対する優生保護法被害者の情報公開請求訴訟 大阪高裁控訴審判決について

2024年05月27日 権利擁護

黒塗りの文書
△写真提供:京都新聞

優生保護法下の強制不妊手術にかかわる公文書の公開を求めて京都新聞が提訴した大阪高裁控訴審判決が5月9日(木)にありました。

この裁判は、京都新聞社が滋賀県に情報開示を求めた強制不妊手術にかかわる公文書に対し、滋賀県がほとんど黒塗りされた公文書の開示を行なったため、改めて滋賀県情報公開条例に基づき不服審査請求し、滋賀県公文書管理・情報公開・個人情報保護審議会にて被害者と保護義務者の名前と住所、審査を申請した医師の名前以外はおおよそ開示が妥当とした449か所の内、被害者個人を特定する恐れがあるとして347か所を、滋賀県が再び非開示としたことから、提訴されたものです。

大阪高裁控訴審判決は、一審の大津地裁判決(2023年3月24日(金))と同じく、手術を受けた被害者の行動傾向や発病後の行動、治療経過などの一部開示と出生や異性関係、遺伝情報、就労状況などの非開示とした判決をほぼ全面的に維持するものとなりました。

大阪高裁が一審判決と同じく、滋賀県が非開示とした347カ所中225カ所の開示と61カ所の部分開示を求めたことは大きな成果ではありますが、現在の司法での判断の壁、情報公開への現状に課題を残すものとなりました。

5月20日(月)、滋賀県が大阪高裁判決を不服として上告したことを受けて、京都新聞社も23日(木)に上告し、最高裁での審理に委ねることとなります。

優生保護法による強制不妊手術を受けた被害者の方が高齢となりお亡くなりになられる中で、一刻も早い全面解決に向けて、今も根強く残る優生思想への警鐘とすべく、国の過ちを正す一助となる強制不妊手術にかかわる公文書の開示を認め、謝罪と補償が求められるよう、最高裁には被害者の方の人権と尊厳が保障される、公正中立な判断を願います。

村田惠子(DPI常任委員・全国頸髄損傷者連絡会)


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