3月14日熊本地裁での優生裁判期日の報告(藤原久美子さんの意見陳述)
2022年03月25日 権利擁護
2022年3月14日(月)は熊本地裁での優生裁判の期日でした。
既に、大阪高裁、東京高裁での原告勝訴の判決が出た後でしたので、これまでの重苦しい空気が、大いに希望が持てる状況に一変してからの期日となりました。
今回は、DPI日本会議の常任委員であり、DPI女性障害者ネットワーク代表の藤原久美子さんが、意見陳述に立ちました。事前に裁判所に提出していた意見書に基づき、東俊裕弁護士、福井春菜弁護士が、藤原さんに質問する形式で進められました。
DPI女性ネットのこれまでの活動、藤原さん自身の障害を持つ女性、妊婦、母親としての体験を通じて、優生保護法時代、そして優生保護法から母体保護法に変わっても、優生思想が根深く社会や人の心を蝕んできた状況について質問があり、藤原さんと弁護団は、改めて除斥の壁が意味を持たないことを、淡々とかつ説得力ある陳述の展開で裁判官に訴えました。
傍聴者の中には、まさに藤原さんと同じ経験を持つ女性もおられ、涙無くして陳述を聞けないという状況でした。東俊裕弁護士のパートナーの優子さんもその一人でした。
夫婦共に障害があり、二人の子どもを産み育てる中で、どれだけ多くの差別や理不尽に直面してこられたかは想像に難くありません。
門前集会や報告会において、原告の渡辺数美さんも「大阪高裁、東京高裁の思いがけない判決に大変喜んでいる。私の人生をズタズタにした国に『一矢報いたい』という思いに、除斥の壁が立ちはだかっていたが、これで希望を持って裁判に臨むことができる」と決意を新たにしておられました。
意見書、意見陳述については、後日、可能な範囲でHPに掲載したいと思いますので、しばらくお待ちください。
尚、次回の期日は6月13日(月)13時半からで、原告の渡辺数美さんがいよいよ陳述に立ちます。
報告:平野みどり(DPI日本会議、優生保護法被害者とともに歩む熊本の会)