いまこそ、障害者基本法改正を! DPI試案VOL.1!
2017年10月11日 権利擁護
障害者基本法は、日本における障害者施策の理念を定め、その方向性を示す羅針盤のようなものです。本法は、2011年に大幅改正が行われたものの、女性障害者の複合差別、精神障害者への特だし規定がないといった課題も残ったままであり、また、法の附則に、施行後3年後の見直しが規定されていますが、棚ざらしの状況が続いています。そこで、新たな改正によって障害者基本法に盛り込むべきもの整理し、まずは、DPI日本会議としての改正試案VOL.1を作成しました。これは、今年6月の京都全国集会でご報告したものになります。
さらなるバージョンアップを行うため、みなさんからのご意見をお待ちしております。ご意見は「office@dpi-japan.org」まで。
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障害者基本法改正に向けて、DPI日本会議試案 | ||
第一章 総則 | ||
第一条 | ||
現行条文 | DPI試案 | 提案理由・コメント等 |
(目的) | (目的) | DPIコメント |
この法律は、全ての国民が、障害の有無にかかわらず、等しく基本的人権を享有するかけがえのない個人として尊重されるものであるとの理念にのつとり、全ての国民が、障害の有無によつて分け隔てられることなく、相互に人格と個性を尊重し合いながら共生する社会を実現するため、障害者の自立及び社会参加の支援等のための施策に関し、基本原則を定め、及び国、地方公共団体等の責務を明らかにするとともに、障害者の自立及び社会参加の支援等のための施策の基本となる事項を定めること等により、障害者の自立及び社会参加の支援等のための施策を総合的かつ計画的に推進することを目的とする。 | この法律は、全ての国民が、障害の有無にかかわらず、等しく基本的人権を享有するかけがえのない個人として尊重されるものであるとの理念にのつとり、全ての国民が、障害の有無によつて分け隔てられることなく、相互に人格と個性を尊重し合いながら共生する社会を実現するため、障害者の自立及び社会参加の支援等のための施策に関し、国連障害者の権利に関する条約の規定を踏まえながら、基本原則を定め、及び国、地方公共団体等の責務を明らかにするとともに、障害者の自立及び社会参加の支援等のための施策の基本となる事項を定めること等により、障害者の自立及び社会参加の支援等のための施策を総合的かつ計画的に推進することを目的とする。 | 条約批准後初めての改正なので、条約の規定を遵守する旨を目的に入れる事が必要。 |
第二条 | ||
現行条文 | DPI試案 | 提案理由・コメント等 |
(定義) | (定義) | DPIコメント |
この法律において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。 | (略) | 第二次意見 P8 現行の基本法上の「継続的に」・・・「周期的」又は「断続的」に発生する日常生活・・・重要である。 H23.6.15衆内閣委員会村木政府参考人 この「継続的に」ということの意味の中には、断続的なもの、周期的なものも含んで、幅広くとらえるものというふうに考えている」 国会答弁で確認済みかつ、総合支援法の支援区分でも周期的・断続的なものが考慮された仕組みになっているので、個別法の実態を反映する主旨での改正を求めてはどうか。” |
一 | 一 | |
障害者 身体障害、知的障害、精神障害(発達障害を含む。)その他の心身の機能の障害(以下「障害」と総称する。)がある者であつて、障害及び社会的障壁により継続的に日常生活又は社会生活に相当な制限を受ける状態にあるものをいう。 | 障害者 身体障害、知的障害、精神障害(発達障害を含む。)その他の心身の機能の障害(以下「障害」と総称する。)がある者であつて、障害及び社会的障壁により継続的 (周期的・断続的なものを含む)に日常生活又は社会生活に相当な制限を受ける状態にあるものをいう。 | |
二 | ||
社会的障壁 障害がある者にとつて日常生活又は社会生活を営む上で障壁となるような社会における事物、制度、慣行、観念その他一切のものをいう。 | (略) |
第三条 | ||
現行条文 | DPI試案 | 提案理由・コメント等 |
(地域社会における共生等) | (地域社会における共生等) | DPIコメント |
第一条に規定する社会の実現は、全ての障害者が、障害者でない者と等しく、基本的人権を享有する 個人としてその尊厳が重んぜられ、その尊厳にふさわしい生活を保障される権利を有することを前提としつつ、次に掲げる事項を旨として図られなければならない。 | (略) | 第二次意見 P12「障害の有無にかかわらず、何人も法の下に平等であるはずであり、障害に基づいて政治的、経済的、社会的、文化的、市民的関係を含むあらゆる分野において差別されることがあってはならず、また、あらゆる活動への機会が均等に保障されなければならない。」とあるように、機会均等が保障されないことそのものを差別として禁止されているため、「可能な限り」では権利条約の規定に反する。 権利条約2条では、手話が言語の一つであると定義し、国際的にはヨーロッパ諸国や韓国など多数の国で、手話言語法(それに準ずるもの)が制定されている。また、80以上の自治体で手話言語条例が制定されていることから、基本法でも理念を書き込むべきである。 |
一 | ||
全て障害者は、社会を構成する一員として社会、経済、文化その他あらゆる分野の活動に参加する機会が確保されること。 | ||
二 | 二 | |
全て障害者は、可能な限り、どこで誰と生活するかについての選択の機会が確保され、地域社会において他の人々と共生することを妨げられないこと。 | 全て障害者は、可能な限り、どこで誰と生活するかについての選択の機会が確保され、地域社会において他の人々と共生することを妨げられないこと。 | |
三 | 三 | |
全て障害者は、可能な限り、言語(手話を含む。)その他の意思疎通のための手段についての選択の 機会が確保されるとともに、情報の取得又は利用のための手段についての選択の機会の拡大が図られること。 | 全て障害者は、可能な限り、言語(手話を含む。)その他の意思疎通のための手段についての選択の機会が確保されるとともに、情報の取得又は利用のための手段についての選択の機会の拡大が図られること。また言語として手話の普及が図られること。 |
第四条 | ||
現行条文 | DPI試案 | 提案理由・コメント等 |
(差別の禁止) | (差別の禁止) | DPIコメント |
何人も、障害者に対して、障害を理由として、差別することその他の権利利益を侵害する行為をしてはならない。 | 何人も、障害者に対して、障害を理由として、差別することその他の権利利益を侵害する行為をしてはならない。 | 障害者権利条約第2条ではあらゆる形態の差別を禁止している。いわゆる関連差別や間接差別も第1項が禁止する差別に含まれるべきである。第2項、関連差別については障害者雇用促進法の差別指針より、いわゆる間接差別については2012年9月に出された内閣府障害者政策委員会差別禁止部会意見を引用、第3項で虐待とハラスメントを挿入 |
2 | ||
前項の差別には、車いす、補助犬その他の支援器具等の利用、介助者の付添い等の社会的不利を補う手段の利用等を理由とする不当な不利益取扱い、並びに、外形的には中立の基準、規則、慣行であってもそれが適用されることにより結果的には他者に比較し不利益が生じる場合も含まれる。 | ||
3 | ||
前項の権利侵害には、障害者に対する虐待並びに障害を理由とした侮蔑やいじめ等精神的・身体的苦痛を与えることも含まれる。 | ||
2 | ||
社会的障壁の除去は、それを必要としている障害者が現に存し、かつ、その実施に伴う負担が過重でないときは、それを怠ることによつて前項の規定に違反することとならないよう、その実施について必要かつ合理的な配慮がされなければならない。 | 社会的障壁の除去は、それを必要としている障害者が現に存し、かつ、その実施に伴う負担が過重でないときは、それを怠ることによつて前項の規定に違反することとならないよう、その実施について必要かつ合理的な配慮がされなければならない。 | |
3 | ||
国は、第一項の規定に違反する行為の防止に関する啓発及び知識の普及を図るため、当該行為の防止を図るために必要となる情報の収集、整理及び提供を行うものとする。 | 国は、第一項の規定に違反する行為の防止に関する啓発及び知識の普及を図るため、当該行為の防止を図るために必要となる情報の収集、整理及び提供を行うものとする。 |
第●条(新設) | ||
現行条文 | DPI試案 | 提案理由・コメント等 |
(新設) | (障害のある女性) | DPIコメント |
第1条に規定する社会の実現のために、障害のある女性は障害に加えて女性であることにより障害者差別と性差別を複合的に被っていることから、その実態を把握し差別解消にむけた適切な措置をとらなければならない。 | 障害者権利条約第6条の規定にのっとり、基本法で明確に障害女性の複合差別についての規定が基本原則として必要だと考える。 ・法の基本原則(3条から5条の間)に条文を追加する。 基本原則は、国、自治体、事業者、 市民全てにとっての原則なので、主語をいれないことに留意。 基本法を改正しないと差別解消法改正にもつながりにくい。 日本政府報告に「次回報告提案までの間に改善に努めたい」 とある。そのためにも障害者基本法改正が必要である。(参考)差別解消法の附帯決議 1 また、同条約(権利条約)の趣旨に沿うよう、 障害女性や障害児に対する複合的な差別の現状を認識し、 障害女性や障害児の人権の擁護を図ること。 (2013年6月18日参議院 内閣委員会、第1条の部分引用) |
第●条(新設) | ||
現行条文 | DPI試案 | 提案理由・コメント等 |
(新設) | (ユニバーサルデザインの普及促進) | DPIコメント |
国及び地方公共団体は、障害者、高齢者等にとっても利用しやすい環境、施設、製品、計画及びサービスの設計等が整備され、又は製造されるよう、ユニバーサルデザインを普及促進し、社会のあらゆる場面でユニバーサル社会の形成を促進するために必要な措置を講ずるものとすること。 | ・差別解消法第5条「環境整備」を踏まえて書き込んだ。 ・条約2条とUD社会形成法案の理念を盛り込む。 ・災害時も含めて「社会のあらゆる場面で」を入れる。 |
第●条(新設) | ||
現行条文 | DPI試案 | 提案理由・コメント等 |
(新設) | (統計及びデータ収集) | DPIコメント |
国及び地方公共団体は、政策を立案し、及び実施することを可能とするため、障害の程度・種別、性別、年齢、居住する場所、所得など生活の実態などの情報(統計資料及び研究資料を含む。)を収集しなければならない。また、これらの統計がすべての障害者にとって利用しやすいものでなければならない。 | 性別、障害種別、年齢など実態調査の項目見直し。 権利条約第三十一条 統計及び資料の収集 1 締約国は、この条約を実効的なものとするための政策を立案し、及び実施することを可能とするための適当な情報(統計資料及び研究資料を含む。)を収集することを約束する。この情報を収集し、及び保持する過程においては、次のことを満たさなければならない。 (a) 障害者の秘密の保持及びプライバシーの尊重を確保するため、法令に定める保障措置(資料の保護に関する法令を含む。)を遵守すること。 (b) 人権及び基本的自由を保護するための国際的に受け入れられた規範並びに統計の収集及び利用に関する倫理上の原則を遵守すること。 2 この条の規定に従って収集された情報は、適宜分類されるものとし、この条約に基づく締約国の義務の履行の評価に役立てるために、並びに障害者がその権利を行使する際に直面する障壁を特定し、及び当該障壁に対処するために利用される。 |
第五条 | ||
現行条文 | DPI試案 | 提案理由・コメント等 |
(国際的協調) | (国際的協調) | DPIコメント |
第一条に規定する社会の実現は、そのための施策が国際社会における取組と密接な関係を有していることに鑑み、国際的協調の下に図られなければならない。 | 第一条に規定する社会の実現は、そのための施策が国際社会における取組と密接な関係を有していることに鑑み、国際的協調の下に図られなければならない。国際的協調は他国や国際機関、障害者団体などとの連携のもとに行われなければならない。 |
第六条 | ||
現行条文 | DPI試案 | 提案理由・コメント等 |
(国及び地方公共団体の責務) | (国及び地方公共団体の責務) | DPIコメント |
国及び地方公共団体は、第一条に規定する社会の実現を図るため、前三条に定める基本原則(以下「基本原則」という。)にのつとり、障害者の自立及び社会参加の支援等のための施策を総合的かつ計画的に実施する責務を有する。 | 国及び地方公共団体は、第一条に規定する社会の実現を図るため、前三条に定める基本原則(以下「基本原則」という。)にのつとり、障害者の自立及び社会参加の支援等のための施策を総合的かつ計画的に実施する責務を有する。 | 前三条(第三条)条文が増えることで変更の可能性あり |
第七条 | ||
現行条文 | DPI試案 | 提案理由・コメント等 |
(国民の理解) | (国民の理解) | DPIコメント |
国及び地方公共団体は、基本原則に関する国民の理解を深めるよう必要な施策を講じなければならない。 | 変更なし |
第八条 | ||
現行条文 | DPI試案 | 提案理由・コメント等 |
(国民の責務) | (国民の責務) | DPIコメント |
国民は、基本原則にのつとり、第一条に規定する社会の実現に寄与するよう努めなければならない。 | 変更なし |
第九条 | ||
現行条文 | DPI試案 | 提案理由・コメント等 |
(障害者週間) | (障害者週間) | DPIコメント |
国民の間に広く基本原則に関する関心と理解を深めるとともに、障害者が社会、経済、文化その他あらゆる分野の活動に参加することを促進するため、障害者週間を設ける。 | (略) | |
2 | 2 | |
障害者週間は、十二月三日から十二月九日までの一週間とする。 | 障害者週間は、国際障害者の日である十二月三日から十二月九日までの一週間とする。 | |
3 | ||
国及び地方公共団体は、障害者の自立及び社会参加の支援等に関する活動を行う民間の団体等と相互に緊密な連携協力を図りながら、障害者週間の趣旨にふさわしい事業を実施するよう努めなければならない。 |
第十条 | ||
現行条文 | DPI試案 | 提案理由・コメント等 |
(施策の基本方針) | (施策の基本方針) | DPIコメント |
障害者の自立及び社会参加の支援等のための施策は、障害者の性別、年齢、障害の状態及び生活の実態に応じて、かつ、有機的連携の下に総合的に、策定され、及び実施されなければならない。 | (略) | 第二次意見 P10「すべての障害者は、障害のない人と平等に自己選択と自己決定の権利を有する。自己決定にあたって、必要な社会的体験の機会がなかったり、支援する立場にある者から選択肢が示されないなど、十分な情報を含む判断材料が提供されないことや、独力で決定することだけが自己決定とされ、支援の必要性が軽視されたり、必要な支援を提供もせずに、本人が決めたことだからとして責任を転嫁されること等もある。」というように障害者本人の意見が軽視されたり、家族や周囲の支援者の意向が本人の希望そのものとされてしまう傾向が強いため、まずは本人への情報提供を十分に行い、本人との意思疎通が可能な方法で本人の意見を聴き取ることを前提とするべき。 意見を聞く際には、必要に応じて意思決定支援をキチンと行いながら聞くことが必要なため。 昨年相模原市で発生した、障害者殺傷事件にて、事件現場となった「やまゆり園」の建て替えの是非を検討するにあたって、当初は障害者本人の今後の生活に対する希望等の聴き取りや社会資源や生活の在り様についての十分な情報提供が行われなかった。 |
2 | 2 | |
国及び地方公共団体は、障害者の自立及び社会参加の支援等のための施策を講ずるに当たっては、障害者その他の関係者の意見を聴き、その意見を尊重するよう努めなければならない。 | 国及び地方公共団体は、障害者の自立及び社会参加の支援等のための施策を講ずるに当たっては、障害者及びその他の関係者の意見を聴き(障害者に対する意思決定支援も含む)、その意見を尊重 |
第十一条 | ||
現行条文 | DPI試案 | 提案理由・コメント等 |
(障害者基本計画等) | (障害者基本計画等) | DPIコメント |
政府は、障害者の自立及び社会参加の支援等のための施策の総合的かつ計画的な推進を図るため、障害者のための施策に関する基本的な計画(以下「障 害者基本計画」という。)を策定しなければならない。 | 変更なし | |
2 | ||
都道府県は、障害者基本計画を基本とするとともに、当該都道府県における障害者の状況等を踏まえ、当該都道府県における障害者のための施策に関する基本的な計画(以下「都道府県障害者計画」という。)を策定しなければならない。 | ||
3 | ||
市町村は、障害者基本計画及び都道府県障害者計画を基本とするとともに、当該市町村における障害者の状況等を踏まえ、当該市町村における障害者のための施策に関する基本的な計画(以下「市町村障害者計画」という。)を策定しなければならない。 | ||
4 | ||
内閣総理大臣は、関係行政機関の長に協議するとともに、障害者政策委員会の意見を聴いて、障害者基本計画の案を作成し、閣議の決定を求めなければならない。 | ||
5 | ||
都道府県は、都道府県障害者計画を策定するに当たつては、第三十六条第一項の合議制の機関の意見を聴かなければならない。 | ||
6 | ||
市町村は、市町村障害者計画を策定するに当たつては、第三十六条第四項の合議制の機関を設置している場合にあつてはその意見を、その他の場合にあつては障害者その他の関係者の意見を聴かなければならない。 | ||
7 | ||
政府は、障害者基本計画を策定したときは、これを国会に報告するとともに、その要旨を公表しなければならない。 | ||
8 | ||
第二項又は第三項の規定により都道府県障害者計画又は市町村障害者計画が策定されたときは、都道府県知事又は市町村長は、これを当該都道府県の議会又は当該市町村の議会に報告するとともに、その要旨を公表しなければならない。 | ||
9 | ||
第四項及び第七項の規定は障害者基本計画の変更について、第五項及び前項の規定は都道府県障害者計画の変更について、第六項及び前項の規定は市町村障害者計画の変更について準用する。 |
第十二条 | ||
現行条文 | DPI試案 | 提案理由・コメント等 |
(法制上の措置等) | (法制上の措置等) | DPIコメント |
政府は、この法律の目的を達成するため、必要な法制上及び財政上の措置を講じなければならない。 | 変更なし |
第十三条 | ||
現行条文 | DPI試案 | 提案理由・コメント等 |
(年次報告) | (年次報告) | DPIコメント |
政府は、毎年、国会に、障害者のために講じた施策の概況に関する報告書を提出しなければならない。 | 変更なし |
障害者基本法改正に向けて、DPI日本会議試案 | ||
第二章 障害者の自立及び社会参加の支援等のための基本的施策 | ||
第十四条 | ||
現行条文 | DPI試案 | 提案理由・コメント等 |
(医療、介護等) | (地域生活支援、医療、介護等) | DPIコメント |
国及び地方公共団体は、障害者が生活機能を回復し、取得し、又は維持するために必要な医療の給付及びリハビリテーションの提供を行うよう必要な施策を講じなければならない。 | (略) | タイトルは権利条約19条を意識したものへ変更。 無償又は負担しやすい費用は権利条約25条を踏まえたもの。 |
2 | ||
国及び地方公共団体は、前項に規定する医療及びリハビリテーションの研究、開発及び普及を促進しなければならない。 | ||
3 | ||
国及び地方公共団体は、障害者が、その性別、年齢、障害の状態及び生活の実態に応じ、医療、介護、保健、生活支援その他自立のための適切な支援を受けられるよう必要な施策を講じなければならない。 | ||
4 | ||
国及び地方公共団体は、第一項及び前項に規定する施策を講ずるために必要な専門的技術職員その他の専門的知識又は技能を有する職員を育成するよう努めなければならない。 | ||
5 | 5 | |
国及び地方公共団体は、医療若しくは介護の給付又はリハビリテーションの提供を行うに当たっては、障害者が、可能な限りその身近な場所においてこれらを受けられるよう必要な施策を講ずるものとするほか、その人権を十分に尊重しなければならない。 | 国及び地方公共団体は、地域生活を可能とする支援(医療若しくは介護の給付又はリハビリテーションの提供等)を行うに当たつては、障害者が、可能な限りその身近な場所において無償又は負担しやすい費用でこれらを受けられるよう必要な施策を講ずるものとするほか、その人権を十分に尊重しなければならない。 | |
6 | (略) | |
国及び地方公共団体は、福祉用具及び身体障害者補助犬の給付又は貸与その他障害者が日常生活及び社会生活を営むのに必要な施策を講じなければならない。 | ||
7 | ||
国及び地方公共団体は、前項に規定する施策を講ずるために必要な福祉用具の研究及び開発、身体障害者補助犬の育成等を促進しなければならない。 |
第●条(新設) | ||
現行条文 | DPI試案 | 提案理由・コメント等 |
(新設) | (権利擁護) | DPIコメント |
国及び地方公共団体は、障害者への意思決定支援、障害者及びその家族、その他の関係者に対する相談体制の整備その他の障害者の権利利益の保護等のための施策が適切に行われ、制度が広く利用されるようにしなければならない。 | ||
2 | ||
国及び地方公共団体は、障害者及びその家族、その他の関係者からの各種の相談に総合的に応ずることができるようにするため、関係機関相互の有機的連携の下に必要な相談体制の整備を図るとともに、障害者や障害者の家族に対し、障害者や障害者の家族が互いに支え合うための活動の支援、その他の支援を適切に行うものとする。 |
第●条(新設) | ||
現行条文 | DPI試案 | 提案理由・コメント等 |
(新設) | (意思決定支援) | DPIコメント |
国及び地方公共団体は、意思決定において支援が必要な障害者が日常生活や社会生活において自らの意思が反映された生活を送ることが可能となるように、障害者を支援する者(以下「支援者」と言う。)が行う支援及び仕組みを確保しなければならない。この仕組については家族、友人、支援者、法定代理人等の見解に加え、第三者の客観的な判断が可能となる仕組みとする。 | 意思疎通及び情報コミュニケーション支援は、22条(情報の利用におけるバリアフリー化等)に含むものとする。 | |
2 | ||
意思決定支援を行うにあたっては、あらゆる可能性を考慮し、障害者本人が参加し主体的に関与できる環境を整え、内容についてよく説明し、情報をわかりやすく伝えなければならない。 |
第●条 | ||
現行条文 | DPI試案 | 提案理由・コメント等 |
(新設) | (精神障害者) | DPIコメント |
国及び地方公共団体は、精神障害者の非自発的入院などの強制的措置を無くし、精神病床数の削減その他地域移行に関する措置を計画的に推進し、家族に過重な責任を負わせることなく、地域社会において必要な支援を受けながら自立した生活を送れるよう通院及び在宅医療のための体制整備を含め必要な施策を講じなければならない。 |
第十五条 | ||
現行条文 | DPI試案 | 提案理由・コメント等 |
(年金等) | (年金等) | DPIコメント |
国及び地方公共団体は、障害者の自立及び生活の安定に資するため、年金、手当等の制度に関し必要な施策を講じなければならない。 | 現段階では、変更なし | ・所得保障として年金額の改定に関する議論の再開をもとめる。 ・無年金障害者救済法の附則で課題とされている在日外国人障害者等の無年金障害者の救済をもとめる。 |
第十六条 | ||
現行条文 | DPI試案 | 提案理由・コメント等 |
(教育) | (教育) | DPIコメント |
国及び地方公共団体は、障害者が、その年齢及び能力に応じ、かつ、その特性を踏まえた十分な教育が受けられるようにするため、可能な限り障害者である児童及び生徒が障害者でない児童及び生徒と共に教育を受けられるよう配慮しつつ、教育の内容及び方法の改善及び充実を図る等必要な施策を講じなければならない。 | 国及び地方公共団体は、障害者が、その年齢 |
・インクルーシブの理念を明確化するために「可能な限り」は削除し、ともに学ぶことを原則化。 ・高等教育、生涯教育については、権利条約24条を参考。 ・条約に合わせて「高等教育等」を位置づける。大学での障害学生はもちろん、公民館行事(社会教育)での手話通訳の提供など、条文が教育政策を網羅させる。 |
2 | 2 | |
国及び地方公共団体は、前項の目的を達成するため、障害者である児童及び生徒並びにその保護者に対し十分な情報の提供を行うとともに、可能な限りその意向を尊重しなければならない。 | 国及び地方公共団体は、前項の目的を達成するため、障害者である児童及び生徒並びにその保護者に対し十分な情報の提供を行うとともに、 |
|
3 | (略) | |
国及び地方公共団体は、障害者である児童及び生徒と障害者でない児童及び生徒との交流及び共同学習を積極的に進めることによつて、その相互理解を促進しなければならない。 | ||
4 | ||
国及び地方公共団体は、障害者の教育に関し、調査及び研究並びに人材の確保及び資質の向上、適切な教材等の提供、学校施設の整備その他の環境の整備を促進しなければならない。 | ||
5 | ||
国及び地方公共団体は、障害者が、差別なしに高等教育、職業訓練、成人教育及び生涯学習を受けられるよう必要な措置を講じなければならない。 |
第十七条 | ||
現行条文 | DPI試案 | 提案理由・コメント等 |
(療育) | (療育) | DPIコメント |
国及び地方公共団体は、障害者である子どもが可能な限りその身近な場所において療育その他これに関連する支援を受けられるよう必要な施策を講じなければならない。 | 国及び地方公共団体は、障害者である子どもが可能な限りその生活する身近な場所において療育その他これに関連する支援を受けられるよう必要な施策を講じなければならない。 | |
2 | ||
国及び地方公共団体は、療育に関し、研究、開発及び普及の促進、専門的知識又は技能を有する職員の育成その他の環境の整備を促進しなければならない。 |
第十八条 | ||
現行条文 | DPI試案 | 提案理由・コメント等 |
(職業相談等) | (職業相談等) | DPIコメント |
国及び地方公共団体は、障害者の職業選択の自由を尊重しつつ、障害者がその能力に応じて適切な職業に従事することができるようにするため、障害者の多様な就業の機会を確保するよう努めるとともに、個々の障害者の特性に配慮した職業相談、職業指導、職業訓練及び職業紹介の実施その他必要な施策を講じなければならない。 | 変更なし | |
2 | ||
国及び地方公共団体は、障害者の多様な就業の機会の確保を図るため、前項に規定する施策に関する調査及び研究を促進しなければならない。 | ||
3 | ||
国及び地方公共団体は、障害者の地域社会における作業活動の場及び障害者の職業訓練のための施設の拡充を図るため、これに必要な費用の助成その他必要な施策を講じなければならない。 |
第十九条 | ||
現行条文 | DPI試案 | 提案理由・コメント等 |
(雇用の促進等) | (雇用の促進等) | DPIコメント |
国及び地方公共団体は、国及び地方公共団体並びに事業者における障害者の雇用を促進するため、障害者の優先雇用その他の施策を講じなければならない。 | 国及び地方公共団体は、国及び地方公共団体並びに事業者における障害者の雇用を促進するため、障害者の優先雇用、障害者の特性に応じた必要な配慮と労働条件等の確保その他の施策を講じなければならない。 | ・障害者権利条約第27条、障害者雇用促進法第36条の規定を反映する。 ・事業主の適正な雇用管理については、差別禁止と合理的配慮について法改正により義務化されたことから条文を修正する。 |
2 | 2 | |
事業主は、障害者の雇用に関し、その有する能力を正当に評価し、適切な雇用の機会を確保するとともに、個々の障害者の特性に応じた適正な雇用管理を行うことによりその雇用の安定を図るよう努めなければならない。 | 事業主は、障害者の雇用に関し、その有する能力を正当に評価し、適切な雇用の機会を確保するとともに、個々の障害者の特性に応じた適正な雇用管理を行うことによりその雇用の安定を図るよう努めらなければならない。 | |
3 | ||
国及び地方公共団体は、障害者を雇用する事業主に対して、障害者の雇用のための経済的負担を軽減し、もつてその雇用の促進及び継続を図るため、障害者が雇用されるのに伴い必要となる施設又は設備の整備等に要する費用の助成その他必要な施策を講じなければならない。 |
第二十条 | ||
現行条文 | DPI試案 | 提案理由・コメント等 |
(住宅の確保) | (住宅の確保) | DPIコメント |
国及び地方公共団体は、障害者が地域社会において安定した生活を営むことができるようにするため、障害者のための住宅を確保し、及び障害者の日常生活に適するような住宅の整備を促進するよう必要な施策を講じなければならない。 | 国及び地方公共団体は、障害者が地域社会においてどこで誰と暮らすかを選択し、安定した生活を営むことができるようにするため、障害者のための特性に配慮した住宅を確保、整備し、及び障害者の日常生活に適するような住宅の整備居住支援を促進するよう必要な施策を講じなければならない。 | 住宅の確保と整備については、これまでの条文でも触れられているが、地域によって家賃が高く、低所得者も多い障害者にとっては住みたい地域に住めないということも少なくない。また、民間の賃貸住宅を借りようとしても、不動産業者やアパートの大家が部屋を貸してくれないといった事例もよく聞くため、あらたに居住支援の促進を入れる必要があると考える。 政策的にも先般、厚労省と国交省による「福祉・住宅行政の連携強化のための連絡協議会」が設置、開催されており、生活困窮者、高齢者、障害者、子育て家庭等のうち生活や住宅に配慮を要する方々の住まいの確保などを進めるための連携強化も進められようとしている。こうした実態を反映する視点でも居住支援の促進を条文に含める必要があるのではないか。 居住支援は、借り上げ住宅の提供や家賃補助等の支援を言う。 |
第二十一条 | ||
現行条文 | DPI試案 | 提案理由・コメント等 |
(公共的施設のバリアフリー化) | (公共的施設のバリアフリー化) | DPIコメント |
国及び地方公共団体は、障害者の利用の便宜を図ることによつて障害者の自立及び社会参加を支援するため、自ら設置する官公庁施設、交通施設(車両、船舶、航空機等の移動施設を含む。次項において同じ。)その他の公共的施設について、障害者が円滑に利用できるような施設の構造及び設備の整備等の計画的推進を図らなければならない。 | 国及び地方公共団体は、障害者の利用の便宜を図ることによつて障害の有無によって分け隔てられることなく、差別なしに利用できるユニバーサルデザインに基づく環境整備を図ることによつて障害者の自立及び社会参加を支援するため、自ら設置する官公庁施設、交通施設(車両、船舶、航空機等の 移動施設を含む。次項において同じ。)その他の公共的施設について、障害者が円滑に利用できるような施設の構造及び設備の整備等の計画的推進を図らなければならない。 | 現状を踏まえると、障害者と健常者を分けた整備が多いことから、「障害者の利用の便宜を図ることによつて障害の有無によって分け隔てられることなく、差別なしに利用できるユニバーサルデザインに基づく環境整備」と明記。 |
2 | ||
交通施設その他の公共的施設を設置する事業者は、障害者の利用の便宜を図ることによつて障害者の自立及び社会参加を支援するため、当該公共的施設について、障害者が円滑に利用できるような施設の構造及び設備の整備等の計画的推進に努めなければならない。 | ||
3 | ||
国及び地方公共団体は、前二項の規定により行われる公共的施設の構造及び設備の整備等が総合的かつ計画的に推進されるようにするため、必要な施策を講じなければならない。 | ||
4 | ||
国、地方公共団体及び公共的施設を設置する事業者は、自ら設置する公共的施設を利用する障害者の補助を行う身体障害者補助犬の同伴について障害者の利用の便宜を図らなければならない。 |
第二十二条 | ||
現行条文 | DPI試案 | 提案理由・コメント等 |
(情報の利用におけるバリアフリー化等) | (情報の利用におけるバリアフリー化等) | DPIコメント |
国及び地方公共団体は、障害者が円滑に情報を取得し及び利用し、その意思を表示し、並びに他人との意思疎通を図ることができるようにするため、障害者が利用しやすい電子計算機及びその関連装置その他情報通信機器の普及、電気通信及び放送の役務の利用に関する障害者の利便の増進、障害者に対して情報を提供する施設の整備、障害者の意思疎通を仲介する者の養成及び派遣等が図られるよう必要な施策を講じなければならない。 | 国及び地方公共団体は、差別なしに障害者が円滑に情報を取得し及び利用し、その意思を表示し、並びに他人との意思疎通を図ることができるようにするため、障害者が利用しやすい電子計算機及びその関連装置その他情報通信機器の普及、電気通信及び放送の役務の利用に関する障害者の利便の増進、障害者に対して情報を提供する施設の整備、障害者の意思疎通を仲介する者の養成及び派遣等が図られるよう必要な施策を講じなければならない。 | 「差別なしに」は差別解消法の理念、規定を踏まえて入れる。 「総合的に」は情報コミュニケーションに関する法制度を省庁横断的に総合的に推進するため。 障害者権利条約(2014年(平成26年)1月批准)の第三十条において、「障害者が、利用しやすい様式を通じて、テレビジョン番組、映画、演劇その他の文化的な活動を享受する機会を有すること」を確保するための「全ての適当な措置をとる」「締約国は、国際法に従い、知的財産権を保護する法律が、障害者が文化的な作品を享受する機会を妨げる不当な又は差別的な障壁とならないことを確保するための全ての適当な措置をとる」と定められており、「文字・活字文化振興法(2005年(平成17年)7月制定)」の第三条においても、「文字・活字文化の振興に関する施策の推進は、すべての国民が、その自主性を尊重されつつ、生涯にわたり、地域、校、家庭その他の様々な場において、居住する地域、身体的な条件その他の要因にかかわらず、等しく豊かな文字・活字文化の恵沢を享受できる環境を整備することを旨として、行われなければならない。」と定められている。これらの趣旨を障害者基本法にも明記すべきであると考える。 学校、家庭その他の様々な場において、居住する地域、身体的な条件その他の要因にかかわらず、等しく豊かな文字・活字文化の恵沢を享受できる環境を整備することを旨として、行われなければならない。」と定められている。これらの趣旨を障害者基本法にも明記すべきであると考える。 |
2 | ||
国及び地方公共団体は、災害その他非常の事態の場合に障害者に対しその安全を確保するため必要な情報が迅速かつ的確に伝えられるよう必要な施策を講ずるものとするほか、行政の情報化及び公共分野における情報通信技術の活用の推進に当たっては、障害者の利用の便宜が図られるよう特に配慮しなければならない。 | ||
3 | ||
電気通信及び放送その他の情報の提供に係る役務の提供並びに電子計算機及びその関連装置その他情報通信機器の製造等を行う事業者は、当該役務の提供又は当該機器の製造等に当たっては、障害者の利用の便宜を図るよう努めなければならない。 | ||
4 | ||
国や地方公共団体は、国際的な動向に配慮しつつ、すべての障害者が障害者でない人と等しく豊かな文字・活字文化の恵沢を享受できる環境を整備すること |
第二十三条 | ||
現行条文 | DPI試案 | 提案理由・コメント等 |
(相談等) | (相談等) | DPIコメント |
国及び地方公共団体は、障害者の意思決定の支援に配慮しつつ、障害者及びその家族その他の関係者に対する相談業務、成年後見制度その他の障害者の権利利益の保護等のための施策又は制度が、適切に行われ又は広く利用されるようにしなければならない。 | (略) | 障害者同士の相談(ピアカウンセリング等)の必要性を盛り込む。 |
2 | 2 | |
国及び地方公共団体は、障害者及びその家族その他の関係者からの各種の相談に総合的に応ずることができるようにするため、関係機関相互の有機的連携の下に必要な相談体制の整備を図るとともに、障害者の家族に対し、障害者の家族が互いに支え合うための活動の支援その他の支援を適切に行うものとする。 | 国及び地方公共団体は、障害者及びその家族その他の関係者からの各種の相談に総合的に応ずることができるようにするため、関係機関相互の有機的連携の下に必要な相談体制の整備を図るとともに、障害者及びその家族に対し、障害者同士やその家族が互いに支え合うための活動の支援その他の支援を適切に行うものとする。 |
第二十四条 | ||
現行条文 | DPI試案 | 提案理由・コメント等 |
(経済的負担の軽減) | (経済的負担の軽減) | DPIコメント |
国及び地方公共団体は、障害者及び障害者を扶養する者の経済的負担の軽減を図り、又は障害者の自立の促進を図るため、税制上の措置、公共的施設の利用料等の減免その他必要な施策を講じなければならない。 | 変更なし | ・精神障害者の交通費割引、重度心身障害者医療費助成制度の適用問題については、この条文を根拠として改善を求める。
・障害福祉サービスから介護保険サービスへの移行した場合の利用者負担の問題については、この条文を根拠として改善を求める。 |
第二十五条 | ||
現行条文 | DPI試案 | 提案理由・コメント等 |
(文化的諸条件の整備等) | (文化的諸条件の整備等) | DPIコメント |
国及び地方公共団体は、障害者が円滑に文化芸術活動、スポーツ又はレクリエーションを行うことができるようにするため、施設、設備その他の諸条件の整備、文化芸術、スポーツ等に関する活動の助成その他必要な施策を講じなければならない。 | 変更なし |
第二十六条 | ||
現行条文 | DPI試案 | 提案理由・コメント等 |
(防災及び防犯) | (防災及び防犯等) | DPIコメント |
国及び地方公共団体は、障害者が地域社会において安全にかつ安心して生活を営むことができるようにするため、障害者の性別、年齢、障害の状態及び生活の実態に応じて、防災及び防犯に関し必要な施策を講じなければならない。 | 国及び地方公共団体は、障害者が地域社会において差別なしに安全にかつ安心して生活を営むことができるようにするため、障害者の性別、年齢、障害の状態及び生活の実態に応じて、あらゆる災害を想定しつつ復興復旧等を含む防災及び防犯に関し必要な施策を講じなければならない。 | ・合理的配慮を踏まえた計画を作る。 ・仮設住宅、復興住宅等もユニバーサルデザイン化する。 インクルーシブ防災の実現、ただし、「インクルーシブ」という言葉は法律にならない。分け隔てられることがないに文言整理。 |
2 | ||
国及び地方公共団体は、防災に関する施策の立案(復興復旧等を含む)等について、障害者の意見を聞き、障害者の特性に応じた必要かつ合理的な配慮を的確に実施すること。ならびに基本原則にのっとり、障害の有無によって分け隔てられることのない地域づくりを原則とした復興復旧計画を策定すること。 |
第二十七条 | ||
現行条文 | DPI試案 | 提案理由・コメント等 |
(消費者としての障害者の保護) | (消費者としての障害者の保護) | DPIコメント |
国及び地方公共団体は、障害者の消費者としての利益の擁護及び増進が図られるようにするため、適切な方法による情報の提供その他必要な施策を講じなければならない。 | 国及び地方公共団体は、障害者の消費者としての利益の擁護及び増進が図られるようにするため、障害者の特性に応じた適切な方法による情報の提供その他必要な施策を講じなければならない。 | |
2 | 2 | |
事業者は、障害者の消費者としての利益の擁護及び増進が図られるようにするため、適切な方法による情報の提供等に努めなければならない。 | 事業者は、障害者の消費者としての利益の擁護及び増進が図られるようにするため、障害者の特性に応じた適切な方法による情報の提供等に努めなければならない。 |
第二十八条 | ||
現行条文 | DPI試案 | 提案理由・コメント等 |
(選挙等における配慮) | (選挙等における配慮) | DPIコメント |
国及び地方公共団体は、法律又は条例の定めるところにより行われる選挙、国民審査又は投票において、障害者が円滑に投票できるようにするため、投票所の施設又は設備の整備その他必要な施策を講じなければならない。 | (略) | 新設2項で、権利条約では選挙公報等の情報保障、投票のみならず、政治参加まで盛り込んでおり、それを踏まえて盛り込む。 |
2 | ||
国及び地方公共団体は、法律又は条例の定めるところにより行われる選挙において、障害者が、立候補の手続きや選挙活動等を行う上で、円滑に情報を取得し及び利用し、その意思を表示し並びに他人との意思疎通を図ることができるよう合理的な配慮等の適切な支援を受けられるようにするために、必要な施策を講ずるとともに、関係機関との連携を図らなければならない。 |
第二十九条 | ||
現行条文 | DPI試案 | 提案理由・コメント等 |
(司法手続における配慮等) | (司法手続における配慮等) | DPIコメント |
国又は地方公共団体は、障害者が、刑事事件若しくは少年の保護事件に関する手続その他これに準ずる手続の対象となつた場合又は裁判所における民事事件、家事事件若しくは行政事件に関する手続の当事者その他の関係人となつた場合において、障害者がその権利を円滑に行使できるようにするため、個々の障害者の特性に応じた意思疎通の手段を確保するよう配慮するとともに、関係職員に対する研修その他必要な施策を講じなければならない。 | 国又は地方公共団体は、障害者が、刑事事件若しくは少年の保護事件に関する手続その他これに準ずる手続の対象となつた場合又は裁判所における民事事件、家事事件若しくは行政事件に関する手続の当事者その他の関係人となつた場合において、障害者がその権利を円滑に行使できるようにするため、個々の障害者の特性に応じた意思疎通の手段を確保するよう配慮するとともに、司法の分野に携わるすべての者に対する研修その他必要な施策を関係機関と連携して講じなければならない。 | 裁判所(裁判官)等司法分野職員への研修を盛り込む必要がある。また、知的障害者や聴覚障害者に対する検察での取り調べについても、特性の理解や意思疎通支援が不十分な点も多いことから、法文に盛り込む。 |
第三十条 | ||
現行条文 | DPI試案 | 提案理由・コメント等 |
(国際協力) | (国際協力) | DPIコメント |
国は、障害者の自立及び社会参加の支援等のための施策を国際的協調の下に推進するため、外国政府、国際機関又は関係団体等との情報の交換その他必要な施策を講ずるように努めるものとする。 | 国は、障害者の自立及び社会参加の支援等のための施策を国際的協調の下に推進するため、外国政府、国際機関又は関係団体等との技術協力、情報の交換その他必要な施策を講ずるように努めるものとする | 「情報交換」が施策の中心であるかのような印象であることから、JICAが中心課題としている技術協力を重視すべきである。 |
障害者基本法改正に向けて、DPI日本会議試案 | ||
第三章 障害の原因となる傷病の予防に関する基本的施策 | ||
現行条文 | DPI試案 | 提案理由・コメント等 |
国及び地方公共団体は、障害の原因となる傷病及びその予防に関する調査及び研究を促進しなければならない。 | 変更なし | |
2 | ||
国及び地方公共団体は、障害の原因となる傷病の予防のため、必要な知識の普及、母子保健等の保健対策の強化、当該傷病の早期発見及び早期治療の推進その他必要な施策を講じなければならない。 | ||
3 | ||
国及び地方公共団体は、障害の原因となる難病等の予防及び治療が困難であることに鑑み、障害の原因となる難病等の調査及び研究を推進するとともに、難病等に係る障害者に対する施策をきめ細かく推進するよう努めなければならない。 |
第四章 障害者政策委員会等 | ||
第三十二条 | ||
現行条文 | DPI試案 | 提案理由・コメント等 |
(障害者政策委員会の設置) | (障害者政策委員会の設置) | DPIコメント |
内閣府に、障害者政策委員会(以下「政策委員会」という。)を置く。 | (略) | 新設2項四において、障害者政策委員会の所掌事務に障害者権利条約の監視機関の役割を明記した規定を挿入、さらに、行政府以外の最高裁判所長官、衆参議長などへ意見具申ができる規定を明記。 |
2 | ||
政策委員会は、次に掲げる事務をつかさどる。 | ||
一 | ||
障害者基本計画に関し、第十一条第四項(同条第九項において準用する場合を含む。)に規定する事項を処理すること。 | ||
二 | ||
前号に規定する事項に関し、調査審議し、必要があると認めるときは、内閣総理大臣又は関係各大臣に対し、意見を述べること。 | ||
三 | ||
障害者基本計画の実施状況を監視し、必要があると認めるときは、内閣総理大臣又は内閣総理大臣を通じて関係各大臣に勧告すること。 | ||
3 | ||
内閣総理大臣又は関係各大臣は、前項第三号の規定による勧告に基づき講じた施策について政策委員会に報告しなければならない。 | ||
四 | ||
その他障害者の権利に関する条約の規定の実施状況を監視し、必要があると認めるときは、関係機関の長に資料の提出、意見の表明、説明その他必要な協力を求めることができる。 | ||
(略) |
第三十三条 | ||
現行条文 | DPI試案 | 提案理由・コメント等 |
(政策委員会の組織及び運営) | (政策委員会の組織及び運営) | DPIコメント |
政策委員会は、委員三十人以内で組織する。 | (略) | 障害種別、性別に配慮した委員構成となるよう追記 |
2 | 2 | |
政策委員会の委員は、障害者、障害者の自立及び社会参加に関する事業に従事する者並びに学識経験のある者のうちから、内閣総理大臣が任命する。この場合において、委員の構成については、政策委員会が様々な障害者の意見を聴き障害者の実情を踏まえた調査審議を行うことができることとなるよう、配慮されなければならない。 | 政策委員会の委員は、障害者、障害者の自立及び社会参加に関する事業に従事する者並びに学識経験のある者のうちから、内閣総理大臣が任命する。この場合において、委員の構成については、政策委員会が様々な障害者の意見を聴き障害者の実情を踏まえた調査審議を行うことができることとなるよう、障害の多様性を踏まえた構成とし、障害者の参画においてはその種別や性別等に十分配慮されなければならない。 | |
3 | (略) | |
政策委員会の委員は、非常勤とする。 |
第三十四条 | ||
現行条文 | DPI試案 | 提案理由・コメント等 |
政策委員会は、その所掌事務を遂行するため必要があると認めるときは、関係行政機関の長に対し、資料の提出、意見の表明、説明その他必要な協力を求めることができる。 | 変更なし | |
2 | ||
政策委員会は、その所掌事務を遂行するため特に必要があると認めるときは、前項に規定する者以外の者に対しても、必要な協力を依頼することができる。 |
第三十五条 | ||
現行条文 | DPI試案 | 提案理由・コメント等 |
前二条に定めるもののほか、政策委員会の組織及び運営に関し必要な事項は、政令で定める。 | 変更なし | 国家行政組織法3条に規定する、府省の大臣などからの指揮や監督を受けず、独立して権限を行使することができる合議制の機関となるよう、条文を新設し、政策委員会の機能の強化できるよう改変する。 |
第三十六条 | ||
現行条文 | DPI試案 | 提案理由・コメント等 |
都道府県(地方自治法(昭和二十二年法律第六十七号)第二百五十二条の十九第一項の指定都市(以下「指定都市」という。)を含む。 以下同じ。)に、次に掲げる事務を処理するため、審議会その他の合議制の機関を置く。 | (略) | 法施行5年以上経過し、市町村も義務にすることが妥当と考えられる。
・所得保障として年金額の改定に関する議論の再開をもとめる。 |
一 | ||
都道府県障害者計画に関し、第十一条第五項(同条第九項において準用する場合を含む。)に規定する事項を処理すること。 | ||
二 | ||
当該都道府県における障害者に関する施策の総合的かつ計画的な推進について必要な事項を調査審議し、及びその施策の実施状況を監視すること。 | ||
三 | ||
当該都道府県における障害者に関する施策の推進について必要な関係行政機関相互の連絡調整を要する事項を調査審議すること。 | ||
2 | ||
前項の合議制の機関の委員の構成については、当該機関が様々な障害者の意見を聴き障害者の実情を踏まえた調査審議を行うことができることとなるよう、配慮されなければならない。 | ||
3 | ||
前項に定めるもののほか、第一項の合議制の機関の組織及び運営に関し必要な事項は、条例で定める。 | ||
4 | 4 | |
市町村(指定都市を除く。)は、条例で定めるところにより、次に掲げる事務を処理するため、審議会その他の合議制の機関を置くことができる。 | 市町村(指定都市を除く。)は、条例で定めるところにより、次に掲げる事務を処理するため、審議会その他の合議制の機関を置く |
|
一 | (略) | ・所得保障として年金額の改定に関する議論の再開をもとめる。 ・無年金障害者救済法の附則で課題とされている在日外国人障害者等の無年金障害者の救済をもとめる。 |
市町村障害者計画に関し、第十一条第六項(同条第九項において準用する場合を含む。)に規定する事項を処理すること。 | ||
二 | ||
当該市町村における障害者に関する施策の総合的かつ計画的な推進について必要な事項を調査審議し、及びその施策の実施状況を監視すること。 | ||
三 | ||
当該市町村における障害者に関する施策の推進について必要な関係行政機関相互の連絡調整を要する事項を調査審議すること。 | ||
5 | ||
第二項及び第三項の規定は、前項の規定により合議制の機関が置かれた場合に準用する。 |