カルテの全開示を求める裁判、一部勝訴の判決!ご支援ありがとうございました
長い間ご支援をいただきありがとうございました。
緊急措置入院時の診療記録(カルテ)の一部が黒く塗りつぶされているのはおかしいとして、全ての開示を求めた裁判の判決が出されました。
非開示になっていた2点のうち『指定医が診察に先立って家族や警察官から聴取した情報』は、都が主張したような「おそれ」が具体的にあるとは認められず「不開示とした部分は違法である」と判断されました。
もう1点の『医師や看護師などの病院職員の氏名』は違法性が認められず、Aさんは控訴も検討なされましたが、着実に進めるために受け入れると決心され、判決が確定しました。
○Aさんからみなさんへ メッセージ
この度のカルテ一部非開示処分取消行政訴訟ですが、DPI障害者権利擁護センターのご支援を受けながら、本人訴訟でやりとおし、5回の口頭弁論期日を経て、5月19日に判決が出されました。傍聴や取材でのご支援を下さいました皆様に、心よりお礼申し上げます。
今回の判決は、医師等の氏名以外の不開示は違法と認め、氏名以外は全て開示させるものです。
一部勝訴ですが、氏名以外の記載内容はすべて開示されますから、実質的には、7割くらいは勝たせて頂けた感じがします。
裁判官は、本件の固有性・個別性を認めて開示を認める、画期的と思える判決を下さいました。
私が本件措置を不服として、その問題解決のための端緒としての、開示請求であることなども認められ、非常に貴重な判決をいただきました。
今回の判決では、医師等の氏名は不開示のままとなりました。
争点は、条例の例外に当たるか否かであり、千葉地裁の判例を出して争いましたが、残念ながら最高裁例に拠って認められませんでした。
医師等の氏名の開示については、今後、今回の一部勝訴によって、新たに開示されるカルテの記載などを基に、さらに先の別の機会に、具体的な形で、改めて求めていく予定です。
勝訴部分の判決理由には感動すら覚えました。
裁判官が、証拠や主張を丁寧にきちんと読み込んで、きちんと検討して、きちんと判断して下さいました。やっと、そういう場面に当たりました。
やっと、本来当たり前のことが、私の身にひとつおきました。今まで全くありませんでした。
今回の判決は、家族や元主治医らによって、不当かつ不法といえるほどに、私を「精神障害者」化することにより、真実を歪曲し隠蔽せんとする、長年の非常におかしな「工作」の存在も、暗に認められたと言っても決して過言ではないよう読めます。
本件訴訟を争ったことの収穫は、十分にあったと思います。悪質で不当かつ不法な歪曲隠蔽の封じ込めの渦中に、やっと、最初のきちんとした風穴があきました。
今後は、今回の結果を活かして、私の抱える積年の問題の、根本的な問題解決に向けて、さらに先へと進めていきますので、これからも、皆様のご支援とご指導を何卒よろしくお願いいたします。
DPI日本会議メールマガジンを通して、私の裁判に傍聴に来て下さった当事者の方、取材者の方、本当にありがとうございました。
重々お礼を申し上げますとともに、今後とも、どうぞよろしくお願いいたします。
この裁判の簡単な経緯と報告及び傍聴ご支援のお願いについて、DPI日本会議メールマガジン(16.7.22)第511号、(16.10.11)第523号、(16.10.19)第526号、(16.12.08)第535号、(17.01.25)第541号、(17.02.25)第543号、(17.03.31)第551号でお知らせしてきましたので、ご覧下さい。
2016年7月22日 【傍聴ご支援 ご協力のお願い】カルテの全開示を求める裁判
2016年10月11日 【傍聴ご支援 ご協力のお願い】カルテの全開示を求める裁判
2016年10月20日 【傍聴ご支援 ご協力のお願い】カルテの全開示を求める裁判
2017年1月27日 【傍聴ご支援 ご協力のお願い】カルテの全開示を求める裁判
2017年3月3日 【傍聴ご支援 ご協力のお願い】カルテの全開示を求める裁判
2017年5月19日 【傍聴ご支援 ご協力のお願い】カルテの全開示を求める裁判
◇お問い合わせ
DPI障害者権利擁護センター 担当:西田(にしだ)
メール: kenriyogo@dpi-japan.org
電話(事務用):03-5282-3137
*担当は非常勤で不在がちです。留守電にご伝言をいただけましたら、10日以内に折り返します。
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DPI権利擁護センター相談員の西田から一言
Aさんの裁判 判決文には、緊急措置診察、緊急措置入院をした医師の氏名を開示しないという当該病院の慣行について、「必ずしも障害者基本法等が禁止する障害を理由とする差別等に該当するとまではいえない」とありました。
なんで!?
精神保健福祉法に基づく医療は一般的な医療とは別の枠組みになっていて、一般的な常識が通用しないようです。
相模原事件をきっかけに、指定医の資格を不正に取得した医師がたくさんいることがわかりましたが、医師の氏名を当事者が知ることもできない現状は、退院後も権利侵害が続くことの表れだと思います。
医療、行政、福祉関係者、警察などの関係者が、本人に開示しない情報をかかえながら開くケース会議は、「支援」という名の「監視」、「治安維持」としか思えません。これが私の『妄想』で済むなら何よりです。
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