次回第5回口頭弁論は2020年1月20日(月)
第4回1型糖尿病障害年金裁判(東京)ご報告、お礼
2019年9月30日、東京地裁で第4回口頭弁論がありました。
ご報告の前に、集合時間を間違えてみなさまへご案内したことをお詫びいたします。当日まで間違いに気付かず、連絡できませんでした。ご参加いただいた方の中には、時間の都合で傍聴できずに帰られた方もいらっしゃいました。お待ちいただいた方も裁判所へ何度も入らないといけなくなり、みなさまへ多大なご迷惑をおかけしました。本当に申し訳ございません。今後は、ダブル、トリプルチェックで厳重に注意いたします。入庁行動、傍聴へのご支援、本当にありがとうございました。
次回の入庁行動、口頭弁論は2020年1月20日(月)
次回は2020年1月20日(月)14時45分から東京地方裁判所正面入口前で入庁行動、15時から103号法廷で第5回口頭弁論です。17時から18時まで報告会を参議院議員会館(予定)で行います。
引き続き応援いただけますようよろしくお願いいたします!
前回の口頭弁論 ご報告
前回、裁判所から被告(国)に対していくつか宿題が出されていました。
1つは、「Cペプチド値」という検査値の基準について。
3級は「0.3未満」が基準の1つになっていて、原告は「0.1以下」です。
この数値の違いを被告はどう評価するか、裁判官から質問されていました。
被告は0.01と0.02という、桁違いに微小な数値を比較した研究論文を証拠として提出した上、大した違いはないと答えました。
2つ目は、具体的な日常生活の支障をどう評価するか。
認定基準には「具体的な日常生活の支障等、総合的に判定する」と定められていて、原告はこれまでの裁判の中で、血糖値と体調、生活状況の資料を証拠として提出しています。
原告の日常生活をどう評価するか、という質問に対して、被告は具体的な内容には触れず、これまでと同じ理由を繰り返し、原告に障害はないと主張しました。
このような答弁書を読んでも全く理解できず困りましたが、裁判官は口頭で被告の主張を確認した上で「具体的な日常生活の支障はどう判断するか」とはっきり質問してくださり、被告は「一般状態区分で判断する」と答えました。
一般状態区分とは、生活の状態をアイウエオの1つを選んで丸を付ける表です。
原告はウに丸が付いていますが、体調、生活は不安定で1日の中でもイからオまで幅があるので、この表だけを根拠に評価される仕組み自体が大きな壁になることがわかりました。
3つ目は、重症低血糖の回数の評価です。
重症低血糖とは、自分で処置できずこん睡してしまう状態のことです。
「年12回」が3級の基準の1つで、原告は年20回なので、この違いをどう評価するかが宿題でした。
被告は大して違わないと答えました。
これに対して、裁判官は「月1回として年12回という基準なら、月2回なら24回になる。月2回は月1回と同じだと評価するのか」と質問して、被告は「月2回なら上位等級となる可能性もある」と答えました。
裁判官は更に「年23回なら3級、年24回なら2級ということか」と質問を重ねて、被告ははっきり回答しないまま、うやむやに終了しました。
その後の進行協議では、「重症低血糖の判断」も話題になりました。
原告は血糖値が下がりすぎて意識もうろう、手足プルプルで視界が真っ暗になり、自販機でジュースを買いたくても財布からコインを取り出せない、何を買ったら良いかわからくなるほど大変な時、通りすがりの方へ「具合が悪いので砂糖入りの甘いのを買ってください」などとお願いして、助けてもらうことがあります。
裁判官はこういう状態を「重症低血糖」と判断するか被告へ質問して、被告は「他者へ助けを求めることができるなら重症低血糖ではない」と答えました。
弁護団からは「知的障害や精神障害は、他者からの支援があるからと言って障害がないとは判断していない」と指摘しましたが、被告は「傷病が違う」と答えました。
院内報告集会 ご報告
17時から参議院議員会館の会議室で報告集会を開催しました。
糖尿病の基準を改正したときの専門家会合では、重症低血糖をどう判断するか、話し合われていません。被告が何を根拠に主張しているのかわからず、やはり恣意的に判断されたとしか思えませんでした。
弁護団の小嶋愛斗先生がムチャ振りにも関わらず司会をしてくださいました。
DPI事務局次長 白井誠一朗さんよりご挨拶をいただきました。
藤谷優子先生より東京の情勢を、大阪弁護団の長岡健太郎先生より大阪の情勢をご報告いただきました。
質疑応答では、1型糖尿病の問題解決を厚労省へ申し入れようというご意見もいただき、とても励まされました。国の、乱暴で不条理な方針に憤るばかりですが、みなさまのおかげで、こうして訴訟できていることをありがたく思います。当日はDPI日本会議元議長 故三澤了さんの命日で、最後にみなさまと黙とうを捧げました。
(DPI障害者権利擁護センター 西田えみ子)
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