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報告:「ともに生きる社会」を考える1.7神奈川集会~一人ひとりの想いを聴きともに語る~

2020年01月08日 イベント地域生活

参加者の様子

昨日1月7日(火)神奈川県民ホールにて、「ともに生きる社会」を考える1.7神奈川集会~一人ひとりの想いを聴きともに語る~」が開催されました。(主催は『ともに生きる社会』を考える神奈川集会・実行委員会。DPI日本会議は呼びかけ団体として参加)

当日は約170名の方が参加されました。

19の追悼ライト

「津久井やまゆり園事件」から、約3年半が経過し、植松被告の裁判員裁判の初公判が、本日開かれます。

『ともに生きる社会』を考える神奈川集会・実行委員会では、この凄惨な事件は植松被告と障害者だけの問題ではなく、社会全体の問題であり、時間をかけてこの事件の本質を考え続けることが必要だと考え、これまで4回の集会を開催してきました。

過去4回のアピール集(ワード)集会等のこれまでの動向(ワード)

本集会は初公判の前日である1月7日に、裁判会場に近い会場に多くの仲間たちと集まり、「津久井やまゆり園事件」を契機に考えなければならない課題として提起されてきた、大規模施設のこと、優生思想のこと、障害者が地域で暮らすことや障害当事者運動のあり方等、様々な立場の発言者とともに、会場全体でトークセッションを行うことを目的に開催をしました。

最初にこれまでの神奈川集会での取り組みや経過報告を行いました。

次にビデオ「生きるのに理由はいるの?『津久井やまゆり事件』が問いかけるもの」の予告編上映をしました。監督の澤則雄さんからもご挨拶を頂きました。(下記からご覧いただけます)

▽ビデオに関する詳細はこちら(外部リンク:ビデオ「生きるのに理由はいるの?『津久井やまゆり事件』が問いかけるもの」)

会場からの指定発言は、障害当事者、学識経験者など、それぞれのお立場で様々なご発言をされました。
当事者である見形信子さん、お子さんが施設に入所された経験を持つ平野泰史さんからは、施設での管理された生活の体験、人権を持った人間として扱われていなかったという想いがあったことなどが語られました。また施設を出た後の、地域での生き生きとした生活の様子も話されました。

印象的だったのは、内嶋弁護士からのお話で、津久井やまゆり園の入所者の方で意思疎通が難しい方について、どういう環境で暮らしたいのか、施設で暮らしたいのか、地域で暮らしたいのか、まず利用者の方の生活スタイルや好みを把握し、対話をすることに時間をかけられているという話でした。
例えばコンビニに一緒に買い物に行ったり、野球を見たりして、何を喜んでいるのか、何を嫌がるのか、少しずつ把握をして、その方の暮らしたい環境を実現しようと一生懸命取り組まれているということでした。
家族の希望ではなく、時間がかかっても、どんな場所で暮らしたいのか、このように本人の希望をきちんと聞き、地域移行を進めていくこと、また、地域で障害者が生活していくことができる環境整備が大切だと、改めて感じました。

植松被告が書いた手紙の中には、やまゆり園では職員の生気に欠けた瞳をしている、障害者は人間としてではなく動物として生活をしているなど書かれていて、そういったやまゆり園で見たひどい光景が、今回の犯行の動機の一部になったようです。

改めて入所している障害者の尊厳を奪い、職員から生気を奪うような大規模施設はもう時代遅れだと思いました。障害者権利条約にも大きく逆行していて、地域生活への移行を進めていかないと、また第2、第3の津久井やまゆり事件のような残虐な事件が起きてしまうと感じました。

そのあと、登壇者と参加者とのトークセッションを行いました。

トークセッションの登壇者

最後に、引き続きこうした取り組みを続けていくという事を確認し、集会は締められました。

本日「津久井やまゆり園事件」の初公判です。注目していきたいと思います。

報告:笠柳大輔(事務局員)


【プログラム】(敬称略)

13:30 開会あいさつ(副実行委員:磯部浩司)
13:35 黙とう
13:40 「神奈川集会」のこれまでの経過(実行委員:室津滋樹・小野和佳)
13:50 ビデオ予告編上映「生きるのに理由はいるの?『津久井やまゆり事件』が問いかけるもの」
14:00 指定発言者
・見形 信子(神経筋疾患ネットワーク・「19の軌跡」歩笑夢メンバー)

見形 信子(神経筋疾患ネットワーク・「19の軌跡」歩笑夢メンバー)
・浅野 史郎(呼びかけ人、神奈川大学教授)

浅野 史郎(呼びかけ人、神奈川大学教授)
・大熊 由紀子(呼びかけ人、国際医療福祉大学大学院教授)

大熊 由紀子(呼びかけ人、国際医療福祉大学大学院教授)
・成田 洋樹(神奈川新聞社)

成田 洋樹(神奈川新聞社)
・平野 泰史(元津久井やまゆり園利用者家族)

平野 泰史(元津久井やまゆり園利用者家族)
・内嶋 順一(弁護士)

内嶋 順一(弁護士)
・渋谷 治巳(IL-NEXT)

渋谷 治巳(IL-NEXT)
※会場との意見交換、休憩(15分)あり。
16:35 閉会あいさつ

■呼びかけ人・呼びかけ団体

・呼びかけ人(五十音順・敬称略)
浅野史郎(元宮城県知事)、大熊由紀子(神奈川県社会福祉審議会委員)、河東田博(浦和大学)

・呼びかけ団体(全国団体:五十音順)
☆全国自立生活センター協議会、☆DPI日本会議、日本グループホーム学会、全国精神保健福祉会連合会(みんなねっと)、全国肢体不自由児者父母の会連合会、ピープルファーストジャパン

・呼びかけ団体(神奈川県団体:五十音順)
☆IL-NEXT、☆生きる会、インフォメーションギャップバスター、神奈川県視覚障害者福祉協会、☆神奈川県障害者自立生活支援センター、神奈川県身体障害施設協会、神奈川県精神障害者地域生活支援団体連合会、神奈川県聴覚障害者連盟、神奈川県聴覚障害者協会、神奈川県手をつなぐ育成会、県央福祉会、常成福祉会、☆自立生活センター自立の魂~略して じりたま!~、神奈川県自閉症協会、ピープル・ファースト横浜、☆横浜市グループホーム連絡会

☆印は、実行委員会団体

以上

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