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2002年に開催した「第6回DPI世界会議札幌大会」の記録動画を公開しました

2021年03月05日 イベント国際協力/海外活動障害者権利条約の完全実施

 DPI日本会議は2002年10月に「第6回DPI世界会議札幌大会」を開催し、110の国と地域から3,113名の障害者と関係者が参加しました。その記録動画をYoutubeへ公開しましたので、是非ご覧ください。

 また札幌大会の誘致を進め運営を中心的に進めた西村正樹副議長に、世界大会開催の経緯や当時の事を書いてもらいました。こちらも是非ご覧ください。

動画内容(動画右上の再生リストから下記ご覧いただけます)

1.開会式、追悼式、基調講演
2.シンポジウム
3.歓迎レセプション
4.世界会議議事
5.閉会式
6.さよならパーティー
7.ダイジェスト


札幌大会スローガン すべての障壁を取り除き、違いと権利を祝おう!
(Freedom from Barriers Celebrating Diversity and Rights !)
第6回DPI世界会議札幌大会
~障害児・者の権利の確立に向けたステージ1としての取り組み~

西村 正樹(DPI日本会議副議長)

 1981年12月にDPIは、シンガポールで「我ら自身の声」をスローガンとして設立しました。
 この1981年は「障害者の完全参加と平等」の実現を目標として国連が定めた国際障害者年でした。国連は、この目標を現実のものとするため1983年~1992年を「国連・障害者の十年」と定め加盟各国へ計画的な課題解決に向けた取り組みを求めました。

 この「国連・障害者の十年最終年」である1992年、DPI日本会議はDPIの世界のリーダー4名を日本に招き全国各地で最終年記念イベントとして講演会等を開催しました。
 このとき札幌には、ヘンリー・エンズ事務局長(当時)が来札しました。

 エンズ氏は、DPIの活動として「障害種別を超えた障害当事者が主体となって、障害者を取巻く課題を福祉ではなく人権問題としてとらえその改善に取り組む」こと「障害者の抱える課題の改善は、すべての人々の基本的な問題の改善に結びつくものであり、すべての人々が尊重される社会の実現がDPIの目的」であることを示しました。

 当時の北海道は、1990年に「21世紀の福祉の実現をめざす道民集会実行委員会」を結成し、向こう10年間で「権利としての福祉の確立」を目標とした活動がスタートしたところでしたが、この組織が札幌における最終年記念イベントの受け皿となったのです。

 エンズ氏の講演とDPIの活動とその理念に共感した私たちは、講演会後の懇親会でエンズ氏から「DPIは、4年に1回、世界大会を開催している。いつか札幌で開催しませんか?」との言葉を受けて私たちは、DPI世界会議の札幌誘致に取り組むこととしました。

 当時の日本の障害福祉施策は、ようやく地域福祉が語られるようになりましたが、行政が重度障害者の生き方や進路を決める措置制度と施設入所が基本とされていました。

 こうした中、私たちは、日本において「権利としての障害福祉を実現」するためには、思いやりではなく国際的なルール(条約)が必要であり、そのために日本(札幌)でDPIの世界大会を開催し、その潮流に乗ることが必要であると考え、行動を展開してきました。

 そして、1998年12月に開催された第5回DPI世界会議メキシコ大会において2002年の札幌開催が確認されました。
 その後、第5回DPI世界会議の開催国であったメキシコ政府は、自国のDPI関係者からの要請を受けて、国連において障害者権利条約の必要性を訴えました。その結果、札幌大会の前年の2001年に障害者権利条約制定の必要性を議論することが国連で確認されました。

 こうした国連の動きが起きた翌2002年10月に開催した第6回DPI世界会議札幌大会には、110の国と地域から3,113名の障害者と関係者が参加するとともに障害別の国際団体も参加しました。そして、札幌宣言として「国連における障害者権利条約の制定」と「各国において障害者差別禁止法の制定」を21世紀の世界の障害者の取り組むべき課題として確認しました。

 この札幌宣言で掲げた取り組みついては、2006年12月の国連総会において障害者権利条約は成立し、2013年6月に障害者差別解消法が日本で制定されることにより実現しました。

 今後は、障害者権利条約の完全履行とそのための取り組みのひとつとして障害者差別解消法の改正に向けたステージ2の取り組みが求められます。

 札幌市内にはノンステップバスが4台のみという時代に開催したこの大会は、全国の移動サービスを展開している団体から100台を超えるリフトワゴン車の来道による大会参加者の移動手段の確保・延べ3,300名を超える通訳等の道民ボランティアの協力・北海道知事、札幌市長をはじめとする行政や各層議員、労働組合や経済団体及びライオンズクラブやソロプチミスト等の慈善団体の理解と協力と支援のもとで開催できたものであり、メインスピーカーであったジュディー・ヒューマン氏の言葉を借りれば「夢の四日間(10月15日~18日の開催)」と評価された第6回DPI世界会議札幌大会でした。

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