傍聴支援ありがとうございます!「措置入院」訴訟第10回口頭弁論のご報告と次回判決のご案内
2021年10月6日、東京地裁で「措置入院訴訟」の第10回口頭弁論が開かれ、原告Aさんの証人尋問が無事に終了しました。判決言い渡しは次回の予定です。多くの方の傍聴応援をありがとうございます。
本裁判について
現在、精神保健及び精神障害者福祉に関する法律(精神保健福祉法)は、本人が入院に同意しない場合の強制的な入院について、二つの制度を定めています。一つが家族の一人の同意を得て行う「医療保護入院」と、もう一つが、今回の裁判で是非を争われている、都道府県知事の権限で行う「措置入院」です。
本裁判は、2014年4月に緊急措置入院とされたAさんが、その行政処分判断が間違っていたとして、被告(東京都)を相手に損害の賠償を求めているものです。
原告の訴え
原告Aさんは、法律で厳密に定められている緊急措置入院の要件(精神保健福祉法 第29条2「医療及び保護のために入院させなければその精神障害のために自身を傷つけ又は他人に害を及ぼすおそれがあると認めたとき」)が満たされおらず医師の誤診であること、また、本来なら決定する時に渡されるはずの措置入院決定の通知(第29条3「都道府県知事は、第一項の規定による措置を採る場合においては、当該精神障害者に対し、当該入院措置を採る旨、第三十八条の四の規定による退院等の請求に関することその他厚生労働省令で定める事項を書面で知らせなければならない。」)を後から渡されたことなど、法令要件を厳守せずに原告の自由を奪い、抗精神病薬を注射し、意識のない状態で身体を拘束したことなど、行政処分が不当であることを訴えています。
10月6日第10回口頭弁論の内容
今回の第10回口頭弁論で、裁判官の正面に据えられた証人台に立った原告Aさんは、最初に原告側代理人(弁護士)からの質問に答える形でおおよそ30分間、問題とされている緊急措置入院が行われる前の家族関係や体調、当日の事実確認などについて、実際に不穏な情報が寄せられて警察へ助けを求めてもまともにとりあわれず、「自分で何とかするしかない」と決意せざるを得なかった当時の状況を具体的に証言しました。
また、措置入院になるようなことを何もしていないのに措置入院になったことや、以前から関係が悪かった家族の話を指定医が鵜吞みにして、家族の都合の良いように動かされたことに対する問題意識も語られました。
続けて被告(東京都)側代理人からおよそ20分間、主に提出されている資料の内容を確認する形で家族関係や緊急措置入院の様子などに関する反対尋問が行われました。最後に裁判長から10分ほど、現在の健康状態や家族関係の変化などについて尋問があり、Aさんはゆっくりと一つ一つ答えていきました。
証人尋問はこれで終了し、前回期日で懸念となった、緊急措置入院を決定した医師の証人尋問については行われないことになりました。
次回判決のご案内
次回、2022年1月19日(水)13:10-、東京地裁708法廷で判決言い渡しが行われる予定です。
ぜひAさんを応援するために傍聴に来てください。期日が近づきましたらまた案内しますが、ぜひ今からご予定のほどよろしくお願いいたします。
報告:DPI日本会議事務局
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