「今月はここに注目!!」各分野での注目すべき検討会・パブリックコメント・裁判・イベント・動きなどまとめてお届け!(2024年10月号)
2024年10月01日 イベントバリアフリー権利擁護雇用労働、所得保障国際協力/海外活動
現在の国の動き、障害者運動に何が起きようとしているのか、情勢を追いかけるためにもってこいの「ここに注目!2024年10月号」をお届けします。
今月の注目すべき検討会・パブリックコメント・裁判・イベント・動きなど各分野でまとめてお届けします。
これを読めば一目瞭然!
凡例:◎=大注目! 〇=注目! △=よかったら見て
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バリアフリー
◎大注目!
10/25(金)全国一斉行動!UDタクシー乗車運動 全国の皆さんのご参加をお願いします!
<ワンポイント解説>
今年もやってきました!UDタクシーの乗車運動です。
昨年は4年ぶりに実施し、残念ながら車椅子使用者に対する乗車拒否が増えているという実態がわかりました。今年も調査結果をもとに、国交省への要望等を行います。全国の皆さんのご参加、ご協力をお願いします。全国で連携した運動で、乗車拒否を撲滅していきましょう!
▽詳細は以下のDPIホームページをご覧ください。
【10/25(金)決行】UDタクシーの乗車拒否をなくそう!より使いやすいUDタクシーの開発を! 全国一斉行動!UDタクシー乗車運動 皆様のご協力をお願いします!!
◎大注目!
日程未定! 第13回「バリアフリー法及び関連施策のあり方に関する検討会」
<ワンポイント解説>
バリアフリー分野における今年度一番注目の検討会です。バリアフリー法の改正と、2026年度以降の第4次基本方針(5年ごとの整備目標)について議論します。今年度2回目になります。
◎大注目!
日程未定!第2回サイトラインの確保等に係る検討WG
<ワンポイント解説>
劇場やスタジアムの車椅子用席の義務基準を検討するWGです。
昨年度は総席数の0.5%以上の義務化は改正しました(2025年6月施行)。今年度は、DPIとしてはサイトラインの確保、同伴者席は隣席、垂直水平分散の3課題の義務化を目指して積極的に働きかけています。6月に続いて2回目となりますが、ご注目ください。
◎大注目!
日程未定!第1回障害者等の航空機非常脱出に関する意見交換会
<ワンポイント解説>
今年1月2日(火)に羽田空港で起きた航空機事故では、車椅子使用者が2名搭乗しており、無事に脱出できたそうです。
これをきっかけに航空機の障害者の非常脱出について関心が高まり、DPIでも事業者との意見交換を求めてきたのですが、このたび実施されることになりました。
航空事業者は障害者の脱出についてどのような研修を実施しているのか教えて頂くとともに、当事者参加を求めていきたいと思います。
◎大注目!
日程未定! 第2回鉄軌道のバリアフリー化の整備推進に関する検討会
<ワンポイント解説>
5月に「バリアフリー法及び関連施策のあり方検討会」が開かれ、5年ごとに策定されている基本方針(整備目標)の2026年からの第4次計画の議論がはじまりました。
この検討会は鉄道分野を集中的に議論するものです。7月に続いて2回目の今回は、事業者と障害者団体からのヒアリングが予定されております。DPIからも意見提起を行います。
◎大注目!
日程未定! 第7回建築設計フォローアップ会議
<ワンポイント解説>
小規模店舗のバリアフリーガイドラインの策定を契機として設けられた会議です。事業者、障害者団体が多数参加し、建物関係の課題を話し合います。
○注目!
10/8(火)国際園芸博覧会アクセシビリティガイドライン テーマ別ワーキング
<ワンポイント解説>
2027年に横浜市内で国際園芸博覧会が開催されます。この施設整備についてアクセシビリティ・ガイドラインを策定することになり、9月に第1回検討会が開かれました。
構成員は主に移動等円滑化評価会議関東分科会のメンバーです。東京2020オリパラ、2025大阪・関西万博、2026愛知名古屋アジア競技大会とアクセシビリティ・ガイドラインの策定に取り組まれてきましたので、この流れを繋いで、世界最先端のガイドラインの策定を働きかけて行きたいと思います。
権利擁護
◎大注目!
10/8(火) 第80回内閣府障害者政策委員会
<ワンポイント解説>
6月以来の開催となります。障害者基本計画(第5次)の実施状況の監視が始まります。また、7月29日(月)に立ち上がった「障害者に対する偏見や差別のない共生社会の実現に向けた対策推進本部」についても報告が予定されています。
なお、次回以降の開催日程は、第81回10月29日(火)午後、第82回12月11日(水)午後を予定しています。
▽第80回障害者政策委員会の開催について(外部リンク:内閣府)
国際協力
◎大注目!
シンポジウム「成年後見制度など、障害者などの自己決定のあり方を考える―軍事暴力や先住民の権利などの諸問題の学びと連帯-」に参加しませんか
<ワンポイント解説>
コロンビアの弁護士で人権活動家のアンドレア・パラさんを迎えたイベントです。
急速に進む超高齢社会に対応すべく、国や各機関が総出で進めている「成年後見制度」をはじめとした権利擁護制度は最後の砦としてなくてはならないものですが、国連障害者権利委員会からの重大な懸念や当事者を主体とした意思決定の在り方の観点から、改めて制度について考える機会としたいと思います。
■日時:10月25日(金)午後6時~8時(午後5時開場)
■場所:沖縄県総合福祉センターゆいホール(〒903-0804 沖縄県那覇市首里石嶺町4丁目373−1)
■資料代:800円(当日支払いです。できるだけお釣りがないようにお願いします)
■情報保障:通訳、手話、要約筆記
<発題者>
アンドレア・パラさん(弁護士・人権活動家)
<シンポジスト>
中村夏実さん(精神障害当事者・漫画家)
長位鈴子さん(沖縄県自立生活センター・イルカ代表)
コーディネーター:高橋年男さん(沖縄精神保健福祉会連合会理事)
コメンテーター:池原毅和さん(東京アドヴォカシー法律事務所)
◇主催:真の自己決定をコロンビアと沖縄で考える実行委員会
◇共催:沖縄県精神保健福祉会連合会、沖縄県自立生活センター・イルカ、おきなわ障害者人権センター、自律支援センターさぽーと
◇詳細などの問合せ先:NPO法人 沖縄県自立生活センター・イルカ 担当:早坂佳之
(〒901-2221 沖縄県宜野湾市伊佐4-4-1)
電話:098-890-4890 ファックス:098-897-1877
※なお、イベント前日の10月24日(木)は、アンドレアさんと伊江島などをまわるフィールドワークや交流会が企画されています。参加希望者は渡航、移動、宿泊場所などをご自身で準備してください。
○注目!
全米での全国障害者雇用啓発月間が大規模に実施されます
<ワンポイント解説>
今年は「すべての人に良い仕事へのアクセス」をテーマに、職場での障害者の貢献、成果、可能性について考えます。
障害のある従業員は、信頼性が高く、忠実で、学ぶことに熱心であり彼らが労働力に含まれることで、全体的な従業員の定着率と士気が向上することが示されています。
しかしながら、障害者は何世代にもわたって疎外され、誤解されてきたため、アメリカでは知的・発達障害(IDD)を持つ人々の最大85%が失業したままです。
そのため、企業に対し以下4つの取組みを求めています。
- 障害のある人々が労働力として持つ価値についての学び
- 従業員と雇用者双方の障害者雇用のストーリーを共有し、誰かが自分のストーリーを共有する手伝い
- 障害者雇用における慣行のチェック
- 障害のある人々の労働力のインクルージョンを積極的に推進している組織への寄付の呼びかけ
これらは日本の雇用促進と異なり、興味深いです。
△よかったらみて
障害者にアクセシブルな選挙のためいろいろ試みが実践されています
<ワンポイント解説>
よりよい政策を求めるなら、投票は重要です。日本で障害者が選挙に行きやすくなったとはいえ、まだまだ改善の点は多いです。国内での選挙も間近という情報もあるので、以下のチェックリストが参考になるかもしれません。
▽選挙運動はアクセシブルですか?(外部リンク:欧州障害者フォーラム)
Is your election campaign accessible? Assess with our checklists
▽平等なアクセス:選挙と政治プロセスに障害者を含める方法(外部リンク:公益財団法人 国際選挙制度財団)
▽投票をアクセシブルにするための6つのヒント(外部リンク:米国選挙支援委員会)(PDF)
▽障害者の政党への参加に関する最低基準(外部リンク:ウェストミンスター民主主義財団 – WFD)
▽第6次人権報告書2022:障害者の政治参加(外部リンク:欧州障害者フォーラム)
▽アフリカにおける障害者インクルーシブな選挙:質的制度的レビュー(外部リンク:サイトセーバー)(PDF)
▽ケニア包括的政党(KIPP)プログラムのエンドライン評価(WFD)(外部リンク:欧州障害者フォーラム)
雇用労働・所得保障
○注目!
令和6年版 障害者白書発行:障害者基本法に基づく施策報告
<ワンポイント解説>
令和6年6月に「障害者白書」が発行されました。これは「障害者基本法」(昭和45年法律第84号)第13条に基づき、政府が毎年国会に提出する法定白書であり、今年で31回目となります。
この白書は、障害者に対して講じられた施策の概況を報告するもので、教育、雇用、生活環境、まちづくり、情報アクセシビリティなど幅広い分野における官民の取り組みがまとめられています。
特に注目されるのは、「改正障害者差別解消法」の施行を踏まえた政府の取り組みです。事業者による合理的配慮の提供の義務化が盛り込まれており、関係府省庁や地方公共団体が策定・改定した「対応要領」や「対応指針」も紹介されています。また、内閣府が試行している「つなぐ窓口」など、相談窓口の設置や周知・啓発活動も進められています。
この白書では、政府や地方公共団体による法改正に向けた取り組みの他、具体的な事例を交えて30項目のトピックスを紹介しています。障害者の権利を保障し、生活環境の向上を目指すための一連の政策が明示されており、今後も障害者の支援策が着実に推進されていくことが期待されます。
障害者白書は、障害者や支援者、関係者が最新の政策動向を把握し、これからの支援のあり方を考えるための重要な資料です。ぜひ参考にして下さい。
▽令和6年版 障害者白書 全文(PDF版)(外部リンク:内閣府)
※マルチメディアデイジー版は、後日公表予定となっています
○注目!
令和5年度使用者による障害者虐待の状況等が公表されました
<ワンポイント解説>
厚生労働省は、令和5年度の「使用者による障害者虐待の状況等」の結果を発表しました。報告によると、障害者を雇用する事業所における虐待が前年から増加しており、特に「経済的虐待」が最も多く確認されています。
【報告のポイント】
- 通報・届出のあった事業所数および障害者数
通報や届出があった事業所数は前年度比22.9%増加し、1,512事業所に上りました。対象となった障害者数も29.4%増加し、1,854人に達しています。 - 虐待が認められた事業所数および障害者数
実際に虐待が確認された事業所数は447事業所で、前年から4.0%増加しました。虐待が認められた障害者数も16.0%増加し、761人に上っています。 - 虐待の種別
認められた虐待の種別では、「経済的虐待」が最も多く、659人(80.6%)が被害を受けています。この虐待には、最低賃金以下で働かせるなどの事例が含まれています。
厚生労働省は、障害者虐待防止法に基づき、地方公共団体と連携しながら、障害者雇用の現場での虐待防止と是正指導に取り組んでいます。今回の結果を受けて、さらなる対策強化を進めていく方針です。
▽虐待の状況の詳細についてはこちら(外部リンク:厚生労働省ウェブサイト)
優生保護法と優生思想
◎今後の動向
7月3日(水)最高裁判決を受けて、優生保護法問題の全面解決をめざす全国連絡会(優生連)では9月1日(日)付で「優生保護法問題の全面解決に向けた提言」を公表し、記者会見も行いました。
その他の係争中の裁判について、原告団・弁護団との和解合意が9月13日(金)に締結されました。今後、各地での和解協議が行われる予定です。
9月18日(水)には超党派議連総会で補償法の素案がまとまり、秋の臨時国会での成立を目指すとのことです。また同日、全面解決に向けた基本合意策定のための協議が、原告団・弁護団、そして優生連PTも加わり、第1回の会合が持たれました。
そして9月30日(月)には、こども家庭庁にて基本合意が締結されました。
今後、内閣府の「障害者に対する偏見や差別のない共生社会の実現に向けた対策推進本部」で策定予定の行動計画とあわせ、優生思想の根絶に向けた取り組みが協議されていきます。
優生連の各構成団体においでは、自治体の責任についても、謝罪と更なる調査・検証を求めるべく、各地での活動を情報交換しながら進めています。ぜひ、今後も引き続きご注目ください!
○注目!
和解期日予定
- 10月28日(月)福岡地裁・福岡高裁
- 10月31日(木)仙台高裁(飯塚淳子さん:仮名)
以上
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